私はロードレースの世界に憧れ「速くなる」事を目的に多くの選手同様、様々なアプローチ、チャレンジをしてきました。
ロードレースで強くなるためには
・強い筋力
・少ない体脂肪
・高い心肺機能
の3つが主な要素と考えていました。
心肺機能に関しては血液を全身に循環させる、心筋の強さや酸素を結合させる血液成分等が考えられます。
その為に
・主にオフシーズンで大きな力が出るように筋肉を鍛え、
・プレシーズンには重りとなる脂肪と余分な筋肉すら削ぎ落とすために長い時間乗り込み
・心臓ポンプを鍛えるため峠の頂上に向けて全力で走り
・食事では脂肪をつけないための節制と、血液に良いとされる食材やサプリを取り入れる
という考え方が軸となっておりました。
ただ、トレーニングでの成長曲線が停滞(能力が上がるほど伸び悩む、これが普通です)してくると、何をどう改善してゆこうかと悩みます。
そこで多くの選手が「体重、体脂肪を極限まで落せば能力は上がるはず」と考えます。
ロードレースでは多くの場面で体重、重力が推進力を妨げている感覚があるので当然と言えば当然です。
不正解とは言えませんが、その考え方にとらわれると、カロリー制限の影響で回復に必要な栄養を摂取できず、活動量の減少からくる体重増加を恐れ休養を適切にとらない。
トップコンディションに到達している事を信じようとできずアプローチを続けて、気が付けば長期的に回復困難なオーバートレーニングに陥る。
なんて事とがよくおこります。
情熱的に取り組む選手に多い傾向。
実は私も例外ではありません。解っているにも関わらずそんな失敗を選手生活でひたすら繰り返してきました。
もっと沢山食事を摂って休養もしっかりしていれば更に良い結果が出たのでは?
今はパワーメーターのおかげで適切なトレーニング量をコントロールできて羨ましい!
と、思う事はよくあります。
んが。
選手の時に弱くなるような間違った事をし続けたにも関わらず、ある一定の結果を残すことができた。俺最強!
と言う話ではありません。
出力活動には細胞内のミトコンドリアやGLUT-4と言われる物質の量が密接に関わっているとの事。
細胞内ではATPと言われるエネルギー源を分解しながら筋肉の収縮活動などを行っているのですが、そのATPを合成するのがミトコンドリアらしいです。
GLUT-4はそのもっと手前のグルコース(糖質)を細胞内に取り込む働きをするものらしい。
この2つの細胞内での量が、発揮できるエネルギー量に影響を与える。
これらは細胞内のエネルギー(ATP)が枯渇し飢餓状態になった時に「ヤヴァイ!(◎Д◎;)」と?遺伝子に働きかけ増えるらしいのです。
知らんけど。目を凝らしても、小さすぎて見えないので本当かは知りません。
つまり、「もっと休め」と言われた事を無視して動き続けた事も、「もっと食べろ」という言葉に耳を貸さずカロリー不足のまま運動を続けた事も、「細胞の飢餓状態」を生み出し続けた結果、ミトコンドリアやGLUT-4を増やす事に繋がっていたのではないかとも 想定できます。
短期的(←この場合は数か月)にコンディションを落す事が多かったけど、長期的(←この場合は年単位)に見ればその失敗ともいえるアプローチが能力を引き上げていた可能性はあり、失敗しながらも努力は報われていた、とポジティブに捉えられる部分は確かにあります。
がしかし、やはり筋肉の分解や免疫機能はじめ様々な身体機能への悪影響にも繋がり、達成できたはずの結果を失っていた事も多かったと思います。
一旦オーバートレーニング状態に陥れば2,3日どころか2,3週間休んだところで身体が回復した感覚になりませんし、それが原因で失った結果がその先の道すら閉ざしかねません。
データ上の管理からはずれて一見極端とも思えるアプローチをする事も競技者には必要ですが、やはり基本的な休養や食事には目を向けなくてはいけません。
適切にそれらバランスをとることはとても難しいですが、実行できれば最高のコンディションを作り上げられるはず。
選手に最も必用な事は、自分を正しく分析しコントロールできる能力と言う事でしょうか。
等と色々考えていたら、もう一度ヤングな自分に戻ってチャレンジしたくもなってきます。
それが出来ないからこそ時間には価値があるのですよね。
伝えられる立場にいる事を幸福と思っています。
以上、パッション強すぎる人は面倒だ、というお話でした。
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