九州豪雨、自衛隊「災害派遣」の現場リポート 道なき道を50キロ、物資背負って行軍… 桜林美佐氏が緊急寄稿
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200712/dom2007120002-n1.html
九州豪雨被害に対処するため、陸海空の自衛隊が「災害派遣」されている。自衛官たちは日夜、人命救助や土砂の撤去、被災者支援に奮闘している。被害地域が広がり、防衛省は派遣規模を当初の1万人態勢から2万人態勢に拡大している。現場の様子について、防衛問題研究家の桜林美佐氏が緊急寄稿した。
九州各地の自衛隊は7月最初の週末、それぞれの休日を過ごしていた。だが、熊本の雨が激しくなり「災害派遣」の必要性が高まると、誰が言い出すわけではないが自主的に待機を始めていた。
多くの部隊では、派遣準備の号令がかかるや否や、あらゆる隊員が瞬く間に駐屯地に集合したという。「困難の中にいる人を助けたい」という思い1つだ。その後、九州全域に被害が拡大。週明けにさらなる派遣要請が続き、隊員たちは徹夜状態で被災地に出発。現地でも夜を徹しての救助活動にあたった。
しかし、関係者もこの時は、今回の災害派遣がこれまでとは様子が違うものになるとは思っていなかっただろう。球磨川の流域は10以上の橋が流出し、道路が寸断され、通信も途絶した。約50キロに及ぶ区間の球磨村などの住民は完全に孤立し、車両を入れての救助は困難だった。
球磨村に派遣された陸上自衛隊は、道なき道を分け入り、ロープをかけて川を進み、ひたすら前進した。被災者のための物資を背中に担いでの行軍だ。急な斜面も現れる。2次被害の恐れもあるなか、隊員の生命を預かる現場指揮官の胸中が思いやられたが、現場の様子はSNSなどで発信され、私たちは自衛隊が普段の訓練で培っている実力を改めて知ることができた。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200712/dom2007120002-n1.html
九州豪雨被害に対処するため、陸海空の自衛隊が「災害派遣」されている。自衛官たちは日夜、人命救助や土砂の撤去、被災者支援に奮闘している。被害地域が広がり、防衛省は派遣規模を当初の1万人態勢から2万人態勢に拡大している。現場の様子について、防衛問題研究家の桜林美佐氏が緊急寄稿した。
九州各地の自衛隊は7月最初の週末、それぞれの休日を過ごしていた。だが、熊本の雨が激しくなり「災害派遣」の必要性が高まると、誰が言い出すわけではないが自主的に待機を始めていた。
多くの部隊では、派遣準備の号令がかかるや否や、あらゆる隊員が瞬く間に駐屯地に集合したという。「困難の中にいる人を助けたい」という思い1つだ。その後、九州全域に被害が拡大。週明けにさらなる派遣要請が続き、隊員たちは徹夜状態で被災地に出発。現地でも夜を徹しての救助活動にあたった。
しかし、関係者もこの時は、今回の災害派遣がこれまでとは様子が違うものになるとは思っていなかっただろう。球磨川の流域は10以上の橋が流出し、道路が寸断され、通信も途絶した。約50キロに及ぶ区間の球磨村などの住民は完全に孤立し、車両を入れての救助は困難だった。
球磨村に派遣された陸上自衛隊は、道なき道を分け入り、ロープをかけて川を進み、ひたすら前進した。被災者のための物資を背中に担いでの行軍だ。急な斜面も現れる。2次被害の恐れもあるなか、隊員の生命を預かる現場指揮官の胸中が思いやられたが、現場の様子はSNSなどで発信され、私たちは自衛隊が普段の訓練で培っている実力を改めて知ることができた。