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元本が確定している共有持分上の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更登記をすることの可否について(回答)
本年6月22日付け埼司発第16号をもって(埼玉司法書士会から)照会のありました標記については,下記の理由により消極に解すべきと考えます。
記
共有持分上の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更の登記は,形式上は変更の登記であるが,その実質は設定者が新たに取得した共有持分を目的とする根抵当権の設定契約であると解される(昭和31年4月9日民事甲第758号民事局長通達)。
ところで,根抵当権の確定後の追加設定契約による共同根抵当権設定登記申請は受理できないとされている(平成元年9月5日民三第3486号民事局第三課長回答)。これは,既に確定した債権のみを被担保債権とする設定契約は,民法第398条の2第1項の抵当権すなわち根抵当権とは言えず,根抵当権の設定契約として解することはできないものと考えられ,当該契約は,普通抵当権の設定契約と解することになるから,共同根抵当権設定登記申請としては受理できないという趣旨であると考えられる。
したがって,本件の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更登記は,先に述べたとおり,その実態は根抵当権が設定されていない所有権の一部に対する追加設定契約であることから,上記の先例の趣旨と同様に解釈し取り扱うことが相当であると考える。
本件問題の本質は、新たに根抵当権を設定すると言うことではなく、担保権について、追加設定契約が可能かどうかということであるから、
「先例の趣旨を解釈して」考えるのではなく、「法律の趣旨を解釈して」考えるべきである。
元本確定後に共有持分上の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更登記をした場合、追加された持分に、「不特定の債権を極度額の限度において担保する効力」が生じないことは明らかであるから、本件変更登記申請を受理しても、何ら不都合はない。
http://nnn2005.web.fc2.com/20/00001.html
元本が確定している共有持分上の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更登記をすることの可否について(回答)
本年6月22日付け埼司発第16号をもって(埼玉司法書士会から)照会のありました標記については,下記の理由により消極に解すべきと考えます。
記
共有持分上の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更の登記は,形式上は変更の登記であるが,その実質は設定者が新たに取得した共有持分を目的とする根抵当権の設定契約であると解される(昭和31年4月9日民事甲第758号民事局長通達)。
ところで,根抵当権の確定後の追加設定契約による共同根抵当権設定登記申請は受理できないとされている(平成元年9月5日民三第3486号民事局第三課長回答)。これは,既に確定した債権のみを被担保債権とする設定契約は,民法第398条の2第1項の抵当権すなわち根抵当権とは言えず,根抵当権の設定契約として解することはできないものと考えられ,当該契約は,普通抵当権の設定契約と解することになるから,共同根抵当権設定登記申請としては受理できないという趣旨であると考えられる。
したがって,本件の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更登記は,先に述べたとおり,その実態は根抵当権が設定されていない所有権の一部に対する追加設定契約であることから,上記の先例の趣旨と同様に解釈し取り扱うことが相当であると考える。
本件問題の本質は、新たに根抵当権を設定すると言うことではなく、担保権について、追加設定契約が可能かどうかということであるから、
「先例の趣旨を解釈して」考えるのではなく、「法律の趣旨を解釈して」考えるべきである。
元本確定後に共有持分上の根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更登記をした場合、追加された持分に、「不特定の債権を極度額の限度において担保する効力」が生じないことは明らかであるから、本件変更登記申請を受理しても、何ら不都合はない。
http://nnn2005.web.fc2.com/20/00001.html