青林工芸舎
中世を舞台に狼に拾われ育てられたワタルと、守りの水鏡をなくしたために記憶をなくした鏡子の旅を描く。
近藤ようこという漫画家は、時代物はともかくとして、現代ものは強烈にショウもない女性の人生とか、はまり込んで抜けないドツボみたいな気分が落ち込むようなものばかり読んでいた。そのためか余り積極的に手を出す作家ではなく、これは友人が貸してくれるまで知らなかった。そのときにこれも買わなくてはと思ったのに忘れてしまい、最近映画「どろろ」を見て思い出して購入。
中世版のボーイ・ミーツ・ガールであり、ファンタジーであり、おのれの求めるものを知るための旅の物語である。
ワタルは狼と育ち、異世界に通じ悪霊などを鎮める力を持ち、鏡子は仏の申し子であり、しかも欠損があるがゆえの力を持っている。
連作短編形式で、彼らは鏡子の家を探す途中で、不幸なもの、妖しい者たちとかかわりあっていく。狐の親子、長いときを生きつづける白比丘尼、切り倒された松の精、龍神、シンデレラ・鉢かづき姫のような境遇の美しい娘…
そして異世界と人間の世界がもっと近かった時代の、別れを約束されたラブストーリーが進行していく。
完結編はなんと12年のブランクを経て描かれたそうだけれど、読む回数を重ねるだけ、切なさが深まるラスト。ワタルとの旅の記憶を失った鏡子に、見知らぬ他人として会ったワタルが口にできるのは「いつか会おう」のはかない約束だけ。
高橋留美子の「犬夜叉」も戦国ボーイ・ミーツ・ガールであり、やはり切ないラストを予感してしまう…「どろろ」も続編あるならラブストーリーは上手に作って欲しいものです。あの二人ではどうも不安ではありますが。
中世を舞台に狼に拾われ育てられたワタルと、守りの水鏡をなくしたために記憶をなくした鏡子の旅を描く。
近藤ようこという漫画家は、時代物はともかくとして、現代ものは強烈にショウもない女性の人生とか、はまり込んで抜けないドツボみたいな気分が落ち込むようなものばかり読んでいた。そのためか余り積極的に手を出す作家ではなく、これは友人が貸してくれるまで知らなかった。そのときにこれも買わなくてはと思ったのに忘れてしまい、最近映画「どろろ」を見て思い出して購入。
中世版のボーイ・ミーツ・ガールであり、ファンタジーであり、おのれの求めるものを知るための旅の物語である。
ワタルは狼と育ち、異世界に通じ悪霊などを鎮める力を持ち、鏡子は仏の申し子であり、しかも欠損があるがゆえの力を持っている。
連作短編形式で、彼らは鏡子の家を探す途中で、不幸なもの、妖しい者たちとかかわりあっていく。狐の親子、長いときを生きつづける白比丘尼、切り倒された松の精、龍神、シンデレラ・鉢かづき姫のような境遇の美しい娘…
そして異世界と人間の世界がもっと近かった時代の、別れを約束されたラブストーリーが進行していく。
完結編はなんと12年のブランクを経て描かれたそうだけれど、読む回数を重ねるだけ、切なさが深まるラスト。ワタルとの旅の記憶を失った鏡子に、見知らぬ他人として会ったワタルが口にできるのは「いつか会おう」のはかない約束だけ。
高橋留美子の「犬夜叉」も戦国ボーイ・ミーツ・ガールであり、やはり切ないラストを予感してしまう…「どろろ」も続編あるならラブストーリーは上手に作って欲しいものです。あの二人ではどうも不安ではありますが。