二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

フィルムの味ってなんだ?

2013年04月17日 | Blog & Photo

なんとまあ、なんとも手間のかかることである(^^;)
スキャナを新しくしたら、すいすいとスキャンできるとおもったが、やや期待はずれ。
それでも旧タイプのスキャナより、2倍近くは速くなったかな?
デジカメはもちろん、i-Phonなどとは比較にならない。
しかも、時間ばかりでなく、お金もかかる。

「そこまでして、フィルムで写真を撮りたいのか?」
結果だけ欲しいなら、デジタル画像で十分だと、わたしですら考える。

フィルムを買う。
カメラに装填する。
手動で巻き上げ、フィルムを1へ送る。
ピントを合わせる。
露出を決める。
シャッターボタンを押して撮影する。
そうしたら、また巻き上げる。
撮影が終ったら、フィルムを出しにいく。
現像が完了したら、それを受け取りにいく。
ライトボックスで、撮影済みのネガをチェック!
スキャナの準備をし、コマを選んでスキャンする。

ざっと数えあげても、これだけのプロセスが必要。
プロセスそのものが愉しくなければ、あるいはそれなりに時間とお金がなければ、フィルム写真なんて、いまさらバカらしくてやってられない。
そういうことになる。
だから、いまフィルムにこだわり、銀塩写真をやっているのは、少数の特殊な趣味人である。むろん、わたしもそのひとり。
「わかる人にはわかる」としかいいようがないフィルム写真の味ってなんだろう?





なんだか曖昧で頼りない(~o~)
昨年、市橋織江さんの写真集を手に入れて、つぎつぎとページをめくりながら「なーんだ。半分は失敗作だろう!? どこがおもしろいの、こんな作品」
ピントがあやしいし、色再現が狂っている。露出はほとんどオーバーだし!

今回また市橋さんの写真集を見直してみたが、やっぱり1/3は失敗作か、それに近い写真だと思わずにはいられなかった。
しかし、・・・なのである。
ここが肝心。
わたしが成功作と評価する何枚かの写真のなんという独特な、一種夢幻的な、やさしい世界の表現になっていることだろう。

ハッセルの500シリーズあたりならまだしも、彼女はマミヤRZに、110mmの標準レンズをつけて、世界を歩いている。
6×7サイズの中判。昔は写真館などで三脚に据えて使う、スタジオ撮影用に開発されたカメラなのである。
120フィルで、10枚しか撮影できない。重量だって、1.5キロくらいあるだろう。
そこまでして、なにゆえフィルムにこだわる?



そう自分自身に問いかけてみたくなる。
少数の特殊な趣味人・・・しかしそれは単なるレトロ趣味というわけではない。
「世界とはあなたがそう見たい・・・そう見たいと願っているように、見えてくるものである」
そう、フィルムカメラの画像には、湿り気のようなものが存在する。あるいは人肌のぬくもりのようなものが――。わたしはそれを忘れかねている。いや、忘れようとして、ずいぶん長い間、銀塩写真から遠ざかっていたのだ。

そうして昨年春に、マイミクさんからとてもいい刺激をいただき、ヤシカの二眼レフに手を出したのが運のツキ(笑)。 遠ざかっていたフィルムスキャンの世界に返ってきた。
半年あまりお休みして、今年ふたたび。

※mixiアルバム「35mmフィルムスキャン 2013」はこちら(全体に公開)。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000082598307&owner_id=4279073
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