(右手にビール、左手にタバコ)
昨日は連休がとれたので、地元高崎の旧市街を、カメラを手にしてクルーズした(^^♪
本が好きだが、ずっと本ばかり読んでいると、いろいろな意味で煮つまってくる。
「ゴヤ」(堀田善衛)の第2巻がもう少しで読みきるところだが、「漢の武帝」(吉川幸次郎)に浮気したら、これがおもしろくて、昨夜は深夜まで読みふけった。
ところでpic upしたのは、クルーズの途中、ランチを食べに入った「レストラン三好」で出会ったOさん、82歳。
ご覧のようにサングラスをかけ、一見こわもてのようだが、じつはけっこうな饒舌家。
右手にビール、左手にタバコという昭和のおやじ族で、まあいってみれば「絶滅危惧種」というタイプ´Д`|┛
「あんたはいくつだね」
「今年65です」
「なにぃ~、ふん、あんたまだひよっこじゃねえか」
歯のない口で、フハフハと笑う。
「写真撮ってもいいですか?」
「おれかい? おれ!? ・・・好きにすりゃいいだろう」
店の中に、杖をついて入ってきたときは、三好の近所に住むおやじさんで、歩いてきたのかと想像したけど、そうではなかった。
この電動車が、Oさんの愛車。
この愛車で、N町からやってくる。その距離、およそ2キロだろうか?
「女に蹴飛ばされてね。そんでケガしたのさ。だんだん歩けなくなったんだ」
「へええ、Oさんが手を出したんですか。それで女に蹴られたんでしょう?」
「イイ女でね。ついそのう・・・」
店のご主人、女将、わたしの三人が同時に笑った。
本当はどうなのか、そんなことはどうでもいい。同情されたり、憐れみをかったりしたくないから、ジョークをとばし、笑いをとる(^ω^) それがOさんの矜持なんだろうと、わたしは考えた。
白菜の漬物だけをツマミにして、ビールを飲む。昼飯どきなのに、昼飯は食わない。
「餃子か、チーズでも食べたほうがいいじゃないの? 肝臓やられるから」
「体重が落ちて、すでに50キロもないんだ。明日病院へいく日だけど、いきたくねえなあ。医者や看護婦が、おれを虐めるからね。ひどいことをいうんだ」
「そりゃOさんの病状を心配していうんだよ。おとなしくいうこときかないとダメだよ」
と女将さんが諭す。
建設業界にいたというから、現役時代は、現場作業員でもやっていたのか。
片道2キロの道を、電動車に乗ってやってくる、一人暮らしの老人。市の福祉の世話になって、なんとかかんとか日常生活をやっているようだ。医者に「入院しろ」といわれるのを、恐れている・・・たぶんね。
わたしに較べ17歳の年上だけど、Oさんは、うっかりすると、近未来のわたしかもしれない。
ここにならんでいる焼酎はリザーブの札がついている。Oさん以外に、三好へやってきて、昼間から焼酎やビールを飲んでいる常連がいる。
昭和は遠くなりにけりだな・・・と思いながら、Oさんに別れを告げるとき、握手せずにはいられなかった。わたしは力をこめて「また会いましょう、また三好で」というと「今度は一緒に飲もう。おれがおごるから」とOさんはいった。
三好を出てしばらく歩いていくと、閉館してしまって、もう解体を待つばかりだと考えていた往年の映画館「電気館」が、一部リニューアルして復活しているではないか!!
東映のピンク映画や日活ロマンポルノばかり上映していて、若かりし頃、2-3度入った覚えが、かすかにある。
Y町といえば、かつて群馬でも随一の歓楽街で、ストリップ劇場もにぎわっていた。
昭和の建物もそうだし、そういう時代を覚えているじいさん、ばあさんも、絶滅が近いのだ´Д゜
昭和30年代、40年代、50年代。この時代に青春を過ごした人たちの後姿。そういう姿にエレジーを感じるのは、そのすぐ後ろを、わたしも歩いてきたからだ。
いずれ近いうち、またこの生姜焼き定食を食べにいこう。うまかったから(*^o^*
それまでOさんが、元気でいてくれるとイイのだけれど。
この日のお伴はオリンパスのこの2台。TRIP35にはロモのフィルムが装填してある。
記念にするセルフポートレイトも、何枚か撮った。
■春のコンチェルト ~郷土遊覧記特別篇はこちら。
ただし、当分は「友人まで公開」としておく。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000102467387&owner_id=4279073
昨日は連休がとれたので、地元高崎の旧市街を、カメラを手にしてクルーズした(^^♪
本が好きだが、ずっと本ばかり読んでいると、いろいろな意味で煮つまってくる。
「ゴヤ」(堀田善衛)の第2巻がもう少しで読みきるところだが、「漢の武帝」(吉川幸次郎)に浮気したら、これがおもしろくて、昨夜は深夜まで読みふけった。
ところでpic upしたのは、クルーズの途中、ランチを食べに入った「レストラン三好」で出会ったOさん、82歳。
ご覧のようにサングラスをかけ、一見こわもてのようだが、じつはけっこうな饒舌家。
右手にビール、左手にタバコという昭和のおやじ族で、まあいってみれば「絶滅危惧種」というタイプ´Д`|┛
「あんたはいくつだね」
「今年65です」
「なにぃ~、ふん、あんたまだひよっこじゃねえか」
歯のない口で、フハフハと笑う。
「写真撮ってもいいですか?」
「おれかい? おれ!? ・・・好きにすりゃいいだろう」
店の中に、杖をついて入ってきたときは、三好の近所に住むおやじさんで、歩いてきたのかと想像したけど、そうではなかった。
この電動車が、Oさんの愛車。
この愛車で、N町からやってくる。その距離、およそ2キロだろうか?
「女に蹴飛ばされてね。そんでケガしたのさ。だんだん歩けなくなったんだ」
「へええ、Oさんが手を出したんですか。それで女に蹴られたんでしょう?」
「イイ女でね。ついそのう・・・」
店のご主人、女将、わたしの三人が同時に笑った。
本当はどうなのか、そんなことはどうでもいい。同情されたり、憐れみをかったりしたくないから、ジョークをとばし、笑いをとる(^ω^) それがOさんの矜持なんだろうと、わたしは考えた。
白菜の漬物だけをツマミにして、ビールを飲む。昼飯どきなのに、昼飯は食わない。
「餃子か、チーズでも食べたほうがいいじゃないの? 肝臓やられるから」
「体重が落ちて、すでに50キロもないんだ。明日病院へいく日だけど、いきたくねえなあ。医者や看護婦が、おれを虐めるからね。ひどいことをいうんだ」
「そりゃOさんの病状を心配していうんだよ。おとなしくいうこときかないとダメだよ」
と女将さんが諭す。
建設業界にいたというから、現役時代は、現場作業員でもやっていたのか。
片道2キロの道を、電動車に乗ってやってくる、一人暮らしの老人。市の福祉の世話になって、なんとかかんとか日常生活をやっているようだ。医者に「入院しろ」といわれるのを、恐れている・・・たぶんね。
わたしに較べ17歳の年上だけど、Oさんは、うっかりすると、近未来のわたしかもしれない。
ここにならんでいる焼酎はリザーブの札がついている。Oさん以外に、三好へやってきて、昼間から焼酎やビールを飲んでいる常連がいる。
昭和は遠くなりにけりだな・・・と思いながら、Oさんに別れを告げるとき、握手せずにはいられなかった。わたしは力をこめて「また会いましょう、また三好で」というと「今度は一緒に飲もう。おれがおごるから」とOさんはいった。
三好を出てしばらく歩いていくと、閉館してしまって、もう解体を待つばかりだと考えていた往年の映画館「電気館」が、一部リニューアルして復活しているではないか!!
東映のピンク映画や日活ロマンポルノばかり上映していて、若かりし頃、2-3度入った覚えが、かすかにある。
Y町といえば、かつて群馬でも随一の歓楽街で、ストリップ劇場もにぎわっていた。
昭和の建物もそうだし、そういう時代を覚えているじいさん、ばあさんも、絶滅が近いのだ´Д゜
昭和30年代、40年代、50年代。この時代に青春を過ごした人たちの後姿。そういう姿にエレジーを感じるのは、そのすぐ後ろを、わたしも歩いてきたからだ。
いずれ近いうち、またこの生姜焼き定食を食べにいこう。うまかったから(*^o^*
それまでOさんが、元気でいてくれるとイイのだけれど。
この日のお伴はオリンパスのこの2台。TRIP35にはロモのフィルムが装填してある。
記念にするセルフポートレイトも、何枚か撮った。
■春のコンチェルト ~郷土遊覧記特別篇はこちら。
ただし、当分は「友人まで公開」としておく。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000102467387&owner_id=4279073