二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

ひじ掛けのある悪夢 2021-09(8月11日)

2021年08月11日 | 俳句・短歌・詩集
ああ 退屈だなあ。
エコノミークラスの座席にすわっているみたいに。
空気までうすい気がする。
ひじ掛けのある悪夢。
ひょいと座ったら 容易には立ち上がれない。

人はだれも 刑罰が決まるのを待っている。
それが生きるということと同義なのだから。
まるでカフカの短編の世界だなあ。
隣の人がガハハと笑いだす
笑いをとめることができず

苦しそうに身をよじって
笑いながらきみの助けをもとめているよ ほら。
退屈なのでどれほど悲惨なニュースだって平気で見て
ビールを飲んだりスナックを齧ったり
感想を述べるのはいいが

あまりに凡庸なのでことばにしかけて気持ちが暗くなっていく。
たったこれだけの存在。
ひじ掛けのある悪夢に腰をおろしているのは
黄色い園児服を着た大人たち。
W=0.6m H=1.7m D=0.7m

狭いスペースに何週間もすわっていたので
立ち上がることができない。
頭をかかえ 身をよじる。
本人はガシャンガシャン生きているつもり。
よしよし とびっきりの冗談をいってここから脱出しよう。

そうしよう。

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