二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

晩夏、そしてクロアナバチ

2010年08月14日 | Blog & Photo
昨日はお盆の行事のため、午前中はつぶれてしまった。妹たちの供養料もあずかって、お寺さんへ挨拶にいき、ご先祖さまをつれて帰る日だからである。
父親が建立した墓地には、祖父と祖母が眠っている。
親戚も挨拶にやってくる。
裏庭の木立のなかから、アブラゼミやホウシゼミの声が喧しい。
4、5日まえからは、気の早いコオロギが鳴きはじめた。
敗戦の日15日あたりを境にして、北関東は「晩夏」という季節をむかえる。

どんよりした雲におおわれた空を見上げながら、午後になってクルマを飛ばし、ぐんま昆虫の森へいってきた。

オオムラサキの♂どもは、もうさっさと退場してしまい、フィールドには寿命の長い♀しかいない。そのうえ、どうしたことか、今年はカブトムシの発生が、驚くばかり少ない。
訪れた家族づれは、「カブトムシはどこへいったら見られるの?」とボヤいている。
わたしは必ずチェックする撮影スポットを見てまわり、それから、家族づれでにぎわう茅葺き民家の庭へと。すると・・・いた! いた!
狩バチとして有名な、クロアナバチである。


まずはこれ。
獲物のバッタをかかえて、巣穴をめざす。
バッタは麻痺して動けないだけで、生きている。この体内にハチは卵を産み付けるのだ。



巣穴は必ず、3カ所掘るけれど、獲物は大抵、真ん中の穴に運び入れる。
1匹が一夏にどれほど穴を掘り、産卵するのだろう。



ファーブルに親しんだ人なら「ははあ、あれね」と思うだろう。
「昆虫記」のなかでも、ひときわ光彩を放つ名編。
巣穴は5カ所、あるいは6カ所。訪問客に踏みつけられ、こわれてしまったのもある。



わたしがコンデジの広角接写を狙い、異常に接近したら、ぱっと飛びたって、攻撃姿勢にはいった。甲虫を別とすれば、昆虫にはほとんど「安全距離」が存在する。その空間を侵害すると、逃げるか、攻撃するか、死んだまねをして地面にころがったりする。

夏の終わり。
小さな、小さな世界のささやかな出来事。
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