二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

ドナルドが一番! (ポエムNO.3-66)

2020年05月27日 | 俳句・短歌・詩集
   (アオメアブ。2013年12月)



ドナルド・ダックはえっへんと咳払いしながら
あたりを睨み回す。
「おれさまが一番えらいのだ」と思いたがっている。
一番二番三番
あらゆるものをそういった態度で比較する。

暇つぶしにはちょうどいいのだし
けさもご飯がおいしかった。
おまけに今日はとびっきりの晴天。
ミッキーやミニーやデイジーやプルートーがいるところでは
あからさまにはいわないが。

坂道をお尻ふりふり登っていく。
その姿を見て ミニーがずっこける。
どこやらで仕入れた知識を
ベーゴマのように回して
「さあどうだ すごいだろう」とひけらかしている。

お尻ふりふり 咳払いばかりして
いつも先頭に立って 周囲を睥睨したがる。
どうだおれさまが一番
きみは二番できみは三番 えーと
えーと

四番以下は切り捨てる。
数えるのが面倒だから。
小石やすずめに対して
ズボンやカーテンや
その他あらゆるものに順位をつけて歩く。

いつでも笑っているから
いつでも笑われている。
にぎやかな男といえば
その通りのドナルド・ダック。
要するにアヒルなのだ。

「人生は競技場なんだね きみにとっては」
とミッキーやミニーがドナルドをからかう。
だれがなんといおうがおれさまが一番
こんなに気分がいいことなんてほかにない。
とにかく一番。

ドナルドが一番!

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