
「観光パンフに出てくるような写真を撮ってはいけない」
そう戒めているのだけれど、まあ、お気軽なアマチュアなので、川越の名所「時の鐘」なんかを、一応は撮影する(笑)。
そうして、セレクトの段階で、容赦なく切り捨てる。だれが撮っても同じ、わたしが撮る必要なんてないだろう。
川越にはわたしが気がつかない、すぐれた素材がまだまだ埋もれている。行楽の人の眼には見えない、フォトジェニックな、瞬間、瞬間の出会い。
「あれれ、加奈子ってだれ?」
わたしはあとから見直ししていて、ふとこの写真に立ち止まった。
犬をつれた老夫婦が向こうからやってくる。こういう場合、ノーファインダーである。経験と勘だけで、運を天にまかせ、いい加減にフレーミングし、シャッターを押す。
「あー、ここは箸の専門店だったのね!」
わたしはこの写真を眺めながら、偶然の女神のいたずらっぽい微笑みを感じた(-_-)
「加奈子は向こうからやってくるこのワンちゃんの名前なんだよ」
アハハハ、そんなふうに連想がはたらき、ニヤリ。こういう瞬間は頭では考えず、眼で考えているんだ。きっとね。フォトグラファーの本能みたいなもの。

そういう意味でこの日最高(・・・と不肖Mikenekoが考える)の収穫はコレ。
こんな一瞬の表情、よくもまあ、撮れたものだ・・・と、撮ったわたしがいくらか感心している。
このお二人は結婚式の撮影にやってきたスタッフである。
スチールのカメラマンやムービーのカメラマンが路地の奥にいて、新郎新婦を取り囲んでいたのだ。

「やらせ」ではなく、本物の新郎新婦。川越には観光用人力車がある。
それにお二人を乗せて、パチパチと写真を撮って、きっと豪華なアルバムを作成するのだろう。ここでもノーファインダー。わたしはすれ違いの一瞬、いきいきとしたこのスタッフお二人から眼をはなさず、オリンパスのシャッターボタンを押している。

そしてコレ。
ここは「時の鐘」があるストリートで、振り向きざま、この女性が眼に止まった瞬間を切り取っている。地平線が傾いているのは、ご愛敬(笑)。その場の臨場感をそのままお見せするため、修正はしていない。
人物スナップからはしばらく遠ざかっていたため、エンジンがかかるまで暖機運転が必要になる。空回りしてしまった「ボツ」写真も多かった(^^;)
川越のBOOK OFFでCDを物色しているうち、外へ出ると日が暮れかかっていた。
すばらしき町川越へは、年内にきっともう一度やってくるだろう。
観光パンフに出てくるような写真を撮らず、なにを撮るか?
それは街角に立って、カメラをかまえてみなければわからない。
そのワクワク、ドキドキ。・・・街撮りの醍醐味がここにある。
※川越市はこんなところ。
http://www.city.kawagoe.saitama.jp/www/genre/0000000000000/1331525676046/index.html
※mixiアルバム「小江戸川越散策」はこちら。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000079991017&owner_id=4279073(友人の友人まで)