二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

風と鳥へのオード(ポエムNO.3-98)

2020年07月28日 | 俳句・短歌・詩集
   (シジュウカラ 2017年1月撮影)



鳥は風から生まれ
風のふところに返る。
ゆるやかに渦巻く巨大な虹色の睡蓮を
もっとよく見ようと
胸をそらせて虚空を仰ぐ。
するとそこに鳥がいる。
風切り羽で風をせろふぁんのように
うすく
うすくスライスして
鳥たちは空を翔ぶ。

わお 切り裂かれた空気が
ぺらぺらとまくれ
ときにごう ごうと唸って
鳥たちを挑発する。
空の角に そしてつぎの角に
鳥たちは単純なことばを刻んで
風のせろふぁんやタオルケットとたわむれている。
きみのこころも風にあおられて
ほこりまみれになりながら
わお わおと叫んでいる。

スズメ シジュウカラ キジバト 
おや ツグミやカワセミもいるぞ。
空の透明な坂を
無邪気にのぼったり下りたり。
見上げると太陽光のゴージャスな万華鏡。
鳥たちも美しいそのかけらの一部なのさ
一部なのさ。
さあ きみもこころをそこに放りあげて
今日一日を満喫しちゃえ。
どこででも味わえる 最高の娯楽なんだから。



※ 風切り羽と他の羽の違いは、風切り羽は、風を受けてもびくともしないこと。
これによって、空気抵抗や揚力を生み出しているのです。
<参考>
https://www.excite.co.jp/news/article/Labaq_51912922/

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