二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

サイレンが鳴っている(ポエムNO.3-100)

2020年08月03日 | 俳句・短歌・詩集
   (夕景 2015年7月)



音を消されたサイレンが鳴っている。
人類への警鐘として。
これ以上地球を痛めつけてはいけない。
そのための警鐘なのだが

多くはまだ気がつかないし
気がついたとしても後もどりできないのだ。
「後もどりなんてできるはずはない」と
ほとんどの人が思っているから。

花はとっくに萎れている。
元気がいいのは兵器と起重機ばかり。
つぐなえないことをやってはいけないっていうのに
その一線を踏み越えて

踏み越えてすすんできた。
善意も共感もecoも信じるにたらない
・・・と
銀河の中心で水浴びしている 巨大な黒牛が嘲笑っている。

押し合いへしあいもまもなくゲームセットとなるだろう。
具体的にはいつ どんなかたちでラストシーンを迎えるか
・・・を
寄ってたかって議論したって意味はない。

目には見えず音もしない
新型と名づけられた未知のウィルスがつぎつぎやってきて
時の溜まり場で領土をひろげてゆく。
傾いた水差しから

傾いた水差しから
毎日数千人 数万人のいのちが
ぽたぽたぽたりと 零れおちてゆくね。
それをニュースがよろこび勇んで報道している。

懺悔したってことばだけじゃなんの効果もありはしない。
傾いた水差しを元にもどすことができないならば。
そしてそれが不可能だというのならば。
ほらほら ラストをつげるサイレンが鳴っている。

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