二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

雨なほ歇(や)まず ~永井荷風のかたわらで(6)

2019年07月04日 | エッセイ(国内)
たくさんある本の山の中から、江藤淳さんの「荷風散策 ――紅茶のあとさき」(新潮文庫 /平成11年刊)が出てきたので、前半部分をあらためて読み返した。するとこん文章にぶつかった。 《漱石を除けば、私が何度も繰り返して読んできたのは、谷崎でも志賀直哉でも川端でもなく、荷風散人の、それも小説であった。 しかもそうかといって、決してなにか原稿を書こうという下心で、読むのではない。只ひたすら愉しみのために . . . 本文を読む
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