ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「アメリア 永遠の翼」

2023-11-13 09:30:47 | 映画

先日、神津島に小型軽飛行機(ドルニエ228)で行ったので、飛行機の映画が見たくなってね、これを見ました。

「アメリア 永遠の翼」(ミーラー・ナーイル監督 2010年)

アメリア・イアハートはアメリカでは超有名な女性パイロットだそうです。

映画「ナイト・ミュージアム2」にも登場していますね。

これは、1937年に世界一周飛行を志して太平洋上を飛行中に消息を絶ったアメリア・イアハートの伝記映画です。

飛行機に興味がなくても、女性史を語る上で外せない人物です。

1937年といえば中国で盧溝橋事件が勃発した年。ここから日中戦争が始まり、やがて太平洋戦争へと突入していく時代。

飛行機はようやく複葉機から単葉機に進化した時代です。

ライト兄弟が初の飛行実験に成功したのが、1903年のこと。

そして、1927年にリンドバーグが初めて単独で大西洋横断飛行に成功しています。

そんな時代にアメリア・イアハートは女性として初めて単独で大西洋横断飛行に成功するという記録を打ち立てました。

それだけじゃなく、アメリアは女性の地位向上のため、女性パイロットの育成に努め、女性パイロットの組織を立ち上げと様々な方面で活躍した、いわばフェミニズム運動の先駆者でもあります。

リンドバーグの成功から十年後、アメリア・イアハートはリンドバーグの記録を破るべく、世界一周飛行に挑戦するのですが、太平洋上で消息を絶ってしまいます。

アメリア・イアハートの行方については今も謎に満ちていて、彼女の捜索ドキュメンタリーがディズニー+で配信されていますが、これも非常に興味深い記録映画でした。

「伝説の女性飛行士アメリアを探して」

彼女は出版者のパットナムに結婚を迫られますが、結婚より自由の方が大事だと言って答えを留保します。

しかし彼の熱心な申し込みに「一年たって幸せを見つけられなかったら離婚する」という条件付きで結婚を承諾するのです。

最後までアメリアは自分の自由を守り通し、夫もまた彼女を支えるという、あの時代にしては稀有な夫婦の物語でもあります。

アメリアを演じたヒラリー・スワンクが実際のアメリア・イアハートにそっくりで驚きました。すごく似てる。

思えば、人間が空を飛ぶようになってからまだたったの百年。

この間に人類は飛行機はおろか月にまで行くようになったのだから、科学技術の進歩はすさまじい。

それなのにいまだに世界じゅうで戦争が絶えないという不思議。

しかも、いまだに女性のパイロットは少ない。

女性の宇宙飛行士は誕生しているけれど、女性で飛行機を所有し、自ら自由に空を飛び回るという人は今でも非常に少ないようです。

来世があるなら、私は女性のパイロット、あるいは宇宙飛行士になりたいと思っています。

空にあこがれるのは男性だけの特権ではないのでね。

アメリアは常々こう言っていたそうです。

「冒険にはそれ自体に価値がある」

何にせよ、行動することが大事だとアメリアは教えてくれます。

というわけで、飛行機に興味なくても女性史に興味ある人は必見の映画です。

ちなみに、日本で最初の飛行機を作ったといわれる二宮忠八は、愛媛県八幡浜市の出身。私の母校である八幡浜市立八代中学校のすぐそばが出身地ということで、なんだかご縁がありそうです。

二宮忠八についてはいずれまた改めて書きたいと思っています。

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文学フリマ東京37に行ってきました。

2023-11-12 09:54:33 | 

昨日11月11日(土)東京流通センターで開催された「文学フリマ東京37」に行ってきました。

浜松町からモノレールに乗って、羽田空港の手前で降ります。

このまま羽田空港に行って、どこかの島に行きたいなあとも思ったのですが、

文学フリマは外せない。

何しろ、明眸社が出店しているのですから。

流通センターで降りると、大勢の人たちが会場へぞろぞろ歩いていきます。

巨大な展示場2ヵ所が満杯になるほどのブースが設けられていて、

コミケも顔負けの盛況です(コミケには行ったことないけどTV等で見たことある)。

今回の参加者は歴代最多の一万人超えだそうです。

今時、紙媒体の「文学」に興味を示し、自らも執筆出版する若者がこんなに多いとは!

まずそのことにびっくりしました。

何しろ参加者の大半が若い人達で、私らのような高齢者はあまり見かけない。

午後2時をまわると会場は渋谷か新宿かと思うほどの混雑となってきました。

今回目に留まったのは、短歌を志す若い人たちが多いこと。

木下龍也氏の影響もあってか、短歌ブームが来ていることを感じました。

「あなたのための短歌集」(木下龍也著)

短歌ってこんなこともできるんだ、と驚いた歌集です。日本語ってとっても自由なんです。

だからこそ、俳句や短歌のような短い定型詩で奥深い表現ができるのですね。

あと、若い人たちのデザインセンスの良さにも驚きました。

何しろ自費出版の本たちの洗練されたデザインは、中身はともかく(買わないと読めないのでわからない)目を惹きつけるものがありました。

文学の世界でもデザインの世界でも、若い人たちの進化はすさまじい。

そうか、世の中はここまで来ているのか、私ら団塊の世代とはえらい違いだ、

というのが、今回実感したことです。

明眸社のブースは端っこの方だったので、ごった返した真ん中のブースとは混み具合が違ってちょっと残念でしたが、それでも多くのお客さんが訪ねてくださいました。

明眸社で歌集を出されている西巻真氏にお会いできたことも、とてもラッキーでした。

彼は木下龍也氏とも交流のある歌人です。

「ダスビダーニャ」(西巻真著 明眸社刊)

今回、明眸社の宣伝担当をされていて、私の詩集「ないない島」も写真入りで載せて下さいました。

明眸社を主催している市原さんと私は高校時代からの友人で、エッセイの会でも毎月会っています。

様々な想いを語り合いながら一緒に帰ってきました。

 

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「ゴジラ-1,0」

2023-11-08 19:58:55 | 映画

11月3日公開の映画、

「ゴジラ-1,0(マイナスワン)」(山崎貴脚本監督 2023年)

を見てきました。

ゴジラファンとして、これは見なくっちゃと思って、すっごく期待して行ったのだけど・・

はっきりいって、私は「シン・ゴジラ」の方が好きだなあ。

のっけからゴジラが登場するところや、銀座を破壊し尽くすシーンとか、迫力満点でしたが、

それでもなんだか「ALWAYS 三丁目の夕日」を観てるような錯覚に襲われました(「永遠の0」は見てないのでわからないけど)。

見終わって印象に残っているのは、主役のゴジラよりも、神木龍之介君演じるところの浩一や、典子、明子の疑似家族の姿でした。

これまでのゴジラにはなかった家族のドラマがけっこう濃密に語られていて、しかも泣けるドラマに仕上がっているので、そこがいいという人は多いと思うのだけど、

私は、これはゴジラじゃないと思う。

主人公の浩一は特攻隊を逃げ出してその罪悪感を抱えたまま、自らの戦争を終わらせたいと思っている、

そういう心理を事細かく描写しているのですが、

ゴジラってそうじゃない、と私は思うのです。

ゴジラはゴジラです。

ハリウッド版のような家族愛だのトラウマだのといったチマチマした人間心理よりはるかに偉大で、この世のものならぬ神に近い生き物、それがゴジラです。

なので、ゴジラを語るのに人間ドラマはむしろ邪魔。あってもいいけど刺身のツマ程度。

私の好きな「ゴジラVSビオランテ」も人間ドラマを描いてはいますが、主役はどこまでもゴジラです。

「シン・ゴジラ」はこの家族愛だの人間ドラマだのを排除してゴジラに徹したからこそ面白かった、と思う。

でも、今回のゴジラの見どころは、終盤のゴジラ掃討作戦。これは面白かった。

そして何より、伊福部昭のあの曲が使われていたこと。

ゴジラはやっぱりあの曲じゃなきゃね。

というわけで、残念なゴジラではありましたが、改めて私はゴジラが好きなんだなあと再確認しました。

もう一度、1954年の初代「ゴジラ」を見てみようと思っています。

(おいらはニャジラ)

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文学フリマ東京37に出品します(2)

2023-11-06 17:57:51 | 
文学フリマ東京37に出店します!(前半)|西巻 真

文学フリマ東京37に出店します!(前半)|西巻 真

こんにちはー。やっとnoteにかえってこれた…。 といっても今日は告知で書いてます! 実は最近、すごい書きたいことが増えて…。 国際情勢も緊迫してて、「これだけは書いと...

note(ノート)

 

11月11日の「文学フリマ」については先日も書きましたが、

同じく明眸社から歌集を出版しておられる、西巻真さんが「文学フリマ」の紹介記事を書いてらっしゃるので、ここでも紹介したいと思います(上の囲みをクリックしてください)。

なんと、わたしの作品についても紹介してくださっています。

「有名な児童文学の作家」って誰だろうって一瞬思ったのですが、誰あろうこのわたくしのようです。

西巻真氏の歌集、

「ダスビダーニャ」(明眸社刊)

実はまだちゃんと読んでないのですが、才能ある歌人だと明眸社の市原さんがおっしゃってました。

市原さんも有名な歌人(ペンネームは桜木由香)で、歌集やエッセイ集などたくさん出版しておられます。

当日、私の詩集「ないない島」は千円ぽっきりで買えます。

Amazonだと1500円ですが、文学フリマでは1000円です!

部数が少ないので早い者勝ちです。

当日、いろんな作家さんや歌人の方々が見えるようで、これまで噂しか聞いてなかった方々とお会いできるのも楽しみです。

ぜひご来場のほどよろしくお願いいたします。

 

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神津島に行ってきました。

2023-11-04 10:53:07 | 旅行

11月2日~3日、神津島に行ってきました。

神津島は東京の離島で、伊豆七島の中ほどにあります。

昔、島々の神々が神津島に集い、神津島の神様が島々に水を配ったという伝説があり、神の集う島として有名です。

調布飛行場からのセスナ機に乗りたくて、海と星空も堪能したくて、思い切って行きました。

11月というのによく晴れて暑かった。絶好の行楽日和でした。

竹芝桟橋から船で行くと10時間もかかるけど、調布飛行場からだと45分で神津島空港に到着します。

小型のプロペラ機。

これにどうしても乗りたくてね。

プロペラ機は低い高度を飛ぶので、眼下に家々や島々がくっきりと見えます。

二日ともよく晴れたので、行きは富士山の雄姿が、帰りは伊豆七島の島々が手にとるように見えました。

子どもの頃、愛媛の海端で育ったので、海のないところで暮らしていると時々無償に海が恋しくなります。

神津島の海は透明度が高く、港のそばの突堤ですら泳ぐ魚の影が見えるほど。

浜から見える海は、透明な青からグリーンがかった群青まで様々な色合いを見せてくれます。

浜に座り込んで海を眺めていると時を忘れます。

一日じゅうここで海を眺めていたい。

そうだ、私は海をチャージしに来たんだ、と思いました。

私には海が足りなかったんだ、と。

子どもの頃に過ごした景色は、歳とともに色あせるどころか、かえって色濃く記憶の底から立ち昇ってきます。

海のそばでまた暮らしたいなあと思った。

けれども、神津島は火山の島。急峻な山の島でもあります。

島の中心部の町中でも坂道ばかりで、どこに行くにも歩くしかなく、健脚が必要。

私の足は手術から一年たってほぼ以前のとおり歩けるようになったので毎日1万5千歩を超える距離も歩き通すことができましたが、

あと少し歳とったら無理だろうなあ。

神津島は星の島としても有名です。星空観測が観光の目玉。

でも、観測会があるのは高台で、2日の夜は少し靄っていたので、3300円(高い!)も払って行くことないか、

と思い断念しました。

星空観測なら、冬のキンキンに晴れた日に行くのがいいと思う。

解説はいらない。ただ天の川が見たいだけなので。

3日の帰り間際に行った多幸湾の景色が見事でした。

文字通り息を飲む美しさです。

神津島に行く機会があれば、多幸湾に行くことをお勧めします。

離島はとにかく不便です。

移動手段は主に徒歩。自転車は坂だらけなので使えない。電動レンタサイクルもあるようですが、同宿の若い人の話では坂道が多くて遠出は無理とのこと。

レンタカーは台数が限られているので早めに予約しないと借りられない。村営バスもあるけど日に数回の運行しかなく、飛行機の便には間に合わない。

私はタクシーを何度か利用しましたが、けっこう高い。

しかもソフトバンクの携帯が繋がりにくく(ドコモの方が繋がりやすい)、タクシーを呼ぶのに公衆電話を探さなくてはいけない。公衆電話も100円玉しか使えない等々。

なので、タクシー料金も旅費の一部と覚悟して行ったほうがいいです。

というわけで、たった二日間の旅でしたが、

海をフルチャージして、たっぷり堪能して帰ってきました。

また行きたいなあ。

他の島々にもぜひ行ってみたい。

人生残り時間の楽しみがまた一つ増えた気がします。

《追記》この小型プロペラ機は、正式にはドルニエ228といってセスナ機じゃないそうです。セスナ機というのはセスナ社製の飛行機のことですが、でも小型軽飛行機を総称して「セスナ機」と呼ぶこともあるようです。

 

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