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ないない島通信No2

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日本語は難しい(2)短縮形

2025-03-29 14:48:42 | 日本語

前回は二重否定の話でしたが、

今日は、最近気になっている短縮形について書きたいと思います。

テレビやYouTubeを見ていると、若い人たちがこう言っているのをよく聞きます。

 むずい (むずかしいの短縮形)

ちょっと前まではあまり聞かなかったのですが、最近はけっこう有名人まで使うようになってきました。 

外国人に教える日本語文法だと「むずかしい」は「イ形容詞」になります。

形容詞は二種類あって、「イ形容詞」と「ナ形容詞」

イ形容詞は 明るい、暗い、高い、広い、美しい などイで終わる形容詞です。

ただし「きれい」はナ形容詞です。きれいな花、きれいな空気 などのようにナをつけて形容するので。通常の日本語文法では形容動詞ですね。

「むずかしい」はイ形容詞です。

イ形容詞の活用形は、

むずかしい、むずかしくない、むずかしかった、むずかしくなかった

となります。

これが「むずい」になると、

むずい、むずくない、むずかった、むずくなかった

と活用することになります。

むずい、は時々聞くけど、むずくない、はあまり聞かない気がする(私だけか?)。

ちなみに、

「むずい」にちょっと似てるけど、意味が全く違う「ちがう」があります。

「ちがう」は動詞なので活用は、

ちがう、ちがわない、ちがいます、ちがえば、ちがって・・

となりますが、最近は以下のような活用形をよく聞きます。

ちがう、ちがくない、ちがかった、ちがくなかった

「ちがう」のイ形容詞型活用とでもいえばいいか。

誤用ですが、若い人たちはけっこう使ってますね。

イ形容詞の短縮形、むずい が通用するなら、以下の言葉も短縮形で使われるようになるのかしらん。

 はずかしい→はずい(これは時々聞きます)

 なつかしい→なつい

 もどかしい→もどい

 いそがしい→いそい

 なげかわしい→なげかい 

 あほらしい→あほい

なんか、あほい話だなあ。そうそう、

 きもちわるい→きもい

もよく聞きますね。

スマホを使うようになって言葉の短縮化が進んだのか?

(ネットによると1970年代にはすでに「むずい」はあったようですが)

短縮形は他にも、

「名詞+であるかのように」を「名詞+かのように」

と、「である」を省いて使うのもよく聞くようになりました。

「彼女はまるで女優であるかのように優雅に歩く」という文章を、

「彼女はまるで女優かのように優雅に歩く」となります。

「まるで火の海になったかのように、あたり一面真っ赤だった」は

「まるで火の海かのように、あたり一面真っ赤だった」となります。

これ、私の世代ではものすごく違和感があるのですが、若い人たちはそうでもないようで、いつのまにか

「名詞+かのように」が普通に使われるようになってきています。

言葉は変化するものなので、時代の移り変わりと共に変わっていくのは自然なのですが、

古い世代はなかなか新しい表現になじめなくてね、

日本語がどんどん、

あほい(あほみたいな)言葉になりつつあるようで、なげかい(なげかわしい)ことだと思う今日この頃です。

(今回のタイトルも「日本語はむずい」のほうが伝わるのかしらん)

 


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