Netflixのドラマ「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品
「ベター・コール・ソウル」
がついにシーズン6の最終話を迎え、完結しました。
このドラマ、大好きでね。毎回配信を楽しみにしていました。
「ブレイキング・バッド」から数えると14年という長きに渡って制作されたドラマです。
シーズン6は総集編ともいうべきシリーズで、「ブレイキング・バッド」からウォルター、ジェシー、ハンクの妻なども登場し、圧巻はジミーの兄のチャックが登場することです。
そして、もうこれ以外にないよね、という終わり方にカタルシスを覚えました。さすが、最終話もすごい。
「ブレイキング・バッド」も面白かったけど、私はどちらかというと「ベター・コール・ソウル」の方が好きだなあ。
ジミーの複雑な心境がこれでもかと描かれます。実に見事です。
両方とも、基本的に人間の悪についてのストーリーで、ヒーローものや正義の味方とは対極にあるドラマです。
「悪」のヒーローたちが大勢登場しますが、皆最後は悲惨です。
「ブレイキング・バッド」は、しがない高校の化学教師であったウォルター・ホワイトが、ドラッグ製造にハマり、巨万の富を獲得し、ドラッグのシンジケートと一戦を交えるというストーリーです。
このウォルター・ホワイトの弁護士として、かなり軽めの調子のいい弁護士として登場するのが、
「ベター・コール・ソウル」のソウル・グッドマンこと、ジミー・マッギル。
(ジミーを演じるボブ・オデンカークがすごくいい!)
このドラマは基本的にジミーがいかにして悪徳弁護士になったかという経緯を語っていますが、
前半は、ジミーとチャック(ジミーの兄)の兄弟の確執が描かれます。
兄弟愛を持ちながらも、優秀な兄に複雑な気持ちを抱き続けたジミー、
そして後半は、ジミーの妻であり優秀な弁護士のキムとの物語。
(キムも実にいい!)
この二人は互いに相乗効果を発揮して、悪の側に少しずつ踏み込んでいきます。
基本的にいい奴だったジミー、そして、逆境の中で育ち、弱者の味方をしてきたキムが、
最終的に違法な方法で相手を貶めることになる、その経緯は、何が善で何が正義なのかと、私たちに鋭く問いかけます。
人間てものすごく複雑で奥深い生き物なのだと実感させられます。
最終話の最後のシーンは、シーズン1のEP1のシーンと重なり、深い余韻を残します。
そしてこれは、アメリカの闇を深く抉る作品でもあります。
いやあ、面白かったよお。
ヴィンス・ギリガンて、間違いなく天才だ!
まだ見てない人は「ブレイキング・バッド」から見ることをお勧めしますが、
長いドラマなんか見てらんないよ、という人は「ベター・コー・ソウル」からでもOKです。
まだまだ続くコロナ禍の夏をどう過ごそうかと思案中の人はぜひ、ご覧になることをお勧めします。