青空百景/THIS IS IT

2009-11-26 | ◆空と映画とスタジアムと…


遅くなりましたが、何とか映画館で観ておく事が出来ました。
マイケル・ジャクソン〈THIS IS IT〉。
そんなにファンという訳ではありませんでしたが、
ほぼ同世代でしたから、ジャクソン5の頃から
ヒット曲はリアルタイムで自然に耳に入ってきていました。

アルバム『スリラー』(1982)が大ブレークした80年代は
ジョンレノンの不幸な事件(1980)から始まるんですが、
POPSやROCKにとっては、まさに時代の転換期でした。
シンセを始めとする新たなテクノロジーと、
〈MTV〉というメディアを携えて登場してきた新しいミュージシャン達は
だれも皆キラキラしていて、
洋楽にとっては本当にバラ色時代だったと思います。
テレビでは小林克也が、次から次へと創られるプロモ・ビデオを紹介し、
音楽から生まれるもう一つの映像アート(PV)も
同時に楽しめる時代になっていました。
そんな訳で、個人的にはいちばん洋楽にのめり込めた時代でしたね。

ただ、そんな時代の中でもMTVの寵児となり、記録的な売上を上げていた
マイケル・ジャクソン(MJ)はちょっとミーハーぽい感じもして、
個人的には敬遠の対象になってしまい、
いつでも聞けたり、TVで見られるようなモノは「いいや」という事で、
結局へそ曲がりの自分は、1枚もMJのアルバムを買う事はありませんでした。
ただし『ビリージーン』だけは異常に好きでしたけどね(笑)。

その後のマイケルは、作品の話題より
ばからしい奇行・整形ゴシップや裁判ばかりが話題になって、
自ら破綻の道を一直線という感じになって行きました。
しかし冷静に振り返れば、エンターティナーの才能はダンスや
MTVの作品を見れば明白で、天才である事に意義はありませんでした。
がっ、天才故の馬鹿さ加減?が自分を窮地に追い込み、
追い込まれたが故にやらざるを得なくなったステージが
命を落とすきっかけになるなんて、
天才故の不幸を垣間見るような気がします。

という事で、もう一度はっきりと不幸?の天才MJの才能を
確認しておきたくて、この映画を観に行った訳です。
不幸にも本番ステージの幕は現実には開かなかったですが、
このリハーサル作品を観るだけで十二分にその才能は確認出来ました。
ホントに〈KING OF POPS〉の人でした。

代償はあまりにも大きすぎたけど、
ある意味、今までの奇行やゴシップであまりにも無駄にしてきた時間を、
埋めて余りあるほどのステージ(メーキング・ムービー)に
仕上がっているように僕には感じられました。
この作品をもってMJは伝説になって行くんでしょうね…

しかしあのパワーでステージリハーサルをしていた人が
いきなり亡くなるのだけは、ちょっと信じられませんね…

ビリージーンLIVE

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