おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

ミレイさんの誕生日

2009-08-25 15:09:28 | Weblog
昨夜は速水パパとプチトリアノンへ行って来た

ミレイさんの誕生日だったのだ


6時に吉祥寺の花火の広場で待ち合わせ

パパは行きつけの店の女の子ヒトミも誘っていた

ところが彼女は仕事の都合で30分くらい遅れるとの事

仕方ないので時間潰しに駅ビル内を見て回った

可愛いお洋服や小物がプライスダウンで

時間さえあれば衝動買いしそうだった


そろそろヒトミも現れるだろうと

花火の広場に戻る

しかし7時を過ぎてもそれらしき女の子は見当たらない

パパは痺れを切らし電話をかけている

数分後ヒトミがメールを返して来た

「今、仕事が終わり会社を出たところです」

コレだけではあと何分くらいかかるのか分らない

待たされるのが苦手なパパと私はかなりイラついている


私は花火の広場のベンチに腰掛けているが

パパはヒトミに分るようにずっと立ちっぱなしだ

からくり時計が可愛いメロディーを奏で始めた

その後照明が落とされ、花火の音とイルミネーションで

華やかな演出が施されている

しかしコレを見るのも今日は2回目だ


パパにヒトミからメールが届いた

「今新宿なんですが電車が急停止しました」

電車内で何かあったのか

それとも車両事故だろうか

どちらにしても更に遅れるらしい

お腹も空いてきてパパも我慢の限界のようだ

「先に何処かで食事しよう」

と駅ビル内の和食の店へ入る

落ち着いた雰囲気で出されたお茶も美味しい


数分後ヒトミが吉祥寺に着いたので

パパが迎えに行く

頼んだ御膳がテーブルに運ばれて来たので

私は先にいただく事にする

そこへパパが帰って来た

ヒトミは思った以上に清楚なイメージだった

昼間は通販会社に勤めているので

受け答えもしっかりしていて

見た目よりは大人びた印象だ


食事を終えてプチトリアノンへ

店内はほぼ満席だった

この日はミレイさん、ダイヤさん、ミキさん

そして男子部のトオルさん、更にはオナベのスタッフも…

皆コスプレして雰囲気を盛り上げている

ヒトミも大喜びだ

そして特別にミレイさんとダイヤさんが

ベルバラのショータイムを披露

私も含めて写メの嵐だ

ウットリする様なショーも終わり

ミレイさんがテーブルに戻って来た

「久々に踊ったら息が上がっちゃったわ

 立川の杏門ではもっと派手なのを何曲も踊ってたのに…」

先程のオレンジのドレスからミニワンピに着替えている


ヒトミがそろそろ店に出勤の時間だ

私はひとまず店に帰ってママとバトンタッチ

今度はママがヒトミの店にパパを迎えに行く

その間に私はメイクをしたり細かいセッティングをする


それにしても疲れた

ヒトミに90分も待たされて

何のために早起きしたのか分らない

まいっか、ミレイさんとダイヤさんのショーも見れたし

それよりロンロンで買ったアクセサリーを

プチトリアノンに忘れて来た

ショーに見とれてすっかりボケている私

週の頭から思いやられるわ

 



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芳恵イベント

2009-08-23 20:54:19 | Weblog
今週は月曜日がお盆休みの最終日だったので

日曜日が来るのがとても早い気がする

と言っても日曜が早く来たからって

特に予定もなくて…

じゃなかった、今夜は親友のゲイが

久々に遊びに来るのだった

私の部屋は散らかり放題で足の踏み場もない

いくら親友とは言え

こんな処を見られるのは恥かしいので

近所のロイヤルホストを指定した

此処なら24時間営業だし

深夜は客も少なく周囲を気にする事なく

オネエ談義に花を咲かせられる

それにしても会うのは何年ぶりだろうか

メールでは頻繁に連絡し合っているのだが…


さて今週の木曜日は

歌謡スナックYに柏原芳恵がやって来た

最近出したフォトエッセイの宣伝の為だ

この店のマスターが彼女と懇意にしているらしく

プライベイトではたまに遊びに来るらしい

数年前にミニアルバムを発売したとかで

イベントを行ったのだが

その時はウチのお客さんの芳恵ファンを引き連れて

大挙押しかけけた

しかし今回は彼らのタイミングが合わず

私とKちゃん、Sさんの3人で駆けつけた


歌謡スナックYはマスターがプロの司会者なので

カラオケを歌うと名調子で盛り上げてくれる

客層は近所のオジサン、オバサンが圧倒的だ

この日も決して芳恵ファンとは思えない年配のお客さんで

店内は賑わっていた

芳恵がステージに登場するまで

客が気を遣って彼女のナンバーを歌うのだ

私もこの店に何度か遊びに来て

仲良くなったお客さんも多い

その中の一人、太めのカコちゃんと

「ハローグッバイ」を歌わされる事になった

奇妙な2人のパフォーマンスは

場内のお客さんたちには大受けだったが

芳恵本人は気分を害さなかったか心配だった


素人のど自慢大会は終わり

遂に芳恵の登場である

白いシャツにジーンズを合わせている

本人も「こんなラフな格好で来ちゃいました」と笑う

アイドル時代とそれほど変わらない美しさだ

スタイルも含めて維持するのは大変だろうと思う

しかし現役である以上それも仕事の一環なのだろう

最近出したカバーアルバムから長渕の「RUN」や

何曲かのオリジナルを熱唱

「春なのに」やアイドル時代のヒット曲は歌わない

事務所を移籍しているので

当時の曲を営業で歌うのは許可も居るようだ

それでもマスターは、やはりあの曲をお願いする

そう私たちがさっき歌った「ハローグッバイ」だ

お約束なので彼女も快く歌ってくれた

しかも当時の振り付けを完璧に再現してくれたのだ

40は越えてるだろう彼女が

10代の頃と同じ様に歌うのは辛いだろうが

さすがプロ

会場の誰もが惜しみない拍手を送った

私はお店の営業があるのでそれを聴いて店を後にしたが

時間があればもっとゆっくりしたかった


因みにこの日は役者の江藤潤も来店して

1曲歌っていた

芳恵とも楽しそうに談笑していたので親交が深いようだ


マスター、また芳恵ちゃんが来る時は教えてね
















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なか卯で…

2009-08-22 15:14:55 | Weblog
今朝も昨日に続いて“なか卯”に立ち寄った

土曜の早朝なのに既にカウンターには数組の先客が…

確かこの時間帯はスタッフが一人のはずだ

水を運んで来たのは若い中国人の女だった

独特の日本語で私の選んだメニューを確認し

「ショウショオマチクタサイ」と厨房に消えた

なかなかの美人で先客のオジサンもチラチラ彼女を見ている


そこへ大柄でラフな格好のオヤジが入って来た

彼は券売機の前に立ちメニューの書かれたボタンを見て

なにやら首をかしげている

そしてスタッフに声をかけた

厨房から飛んで来たさっきの彼女に

「チキン、ポーク、ビーフ?」と尋ねている

どうやら日本人ではないようだ

目鼻立ちがハッキリしているので

東南アジア系だろうか

中国人の彼女は最初は日本語で受け答えしていたが

オヤジに通じないので

今度は英語で説明している

むしろそちらの方が流暢である

日本の食べ物屋で外人同士が

スタッフと客と言う立場で会話している姿は

何処か不思議な光景だった

オヤジは何となく理解したようで

ボタンを押して食券を買った

吉野家や富士そばなどでもそうだが

ボタンを押すと厨房にコンピュータの声で

メニューが読み上げられる

オヤジはカツどんともう2~3種類頼んでいた


カウンターに腰掛けた彼は水を運んで来た彼女に

またまた英語で聞いている

オヤジの後にも2組の来客が続き、慌しくなって来てるのに

この面倒臭い男に構ってられないと

彼女は語気を荒げて「アンダースタンド!」と答えた

この店ではかつは揚げたてを出すので

少し時間がかかるけれど宜しいですか?と聞いたのだろう

周囲の客たちには彼女がしつこいオヤジを一喝した様に見えた


オヤジは何を思ったか突然店を出てった

もしかしたら待ちきれなくて帰ってしまったのか

黙って席を立ったのでそんな風にも見えた

テーブル席のカップルがヒソヒソ話している

厨房の中では例の彼女が特に気にする様子もなく

黙々と注文をこなしている


私の頼んだメニューがやっと運ばれて来た

親子丼とすだち小うどんのセットだ

一時期カツカレーの大盛りにハマっていたが

連日ではさすがに辛い

さっきのオヤジを気にしながらも

美味しくいただいた

食べ終わりテーブルのナプキンで口の周りを拭っていたら

両手にコンビニの袋を提げたオヤジが帰って来た

そしてカウンターにドカッと置いたのだ

鈍い音がしたので缶ビールでも買って来たのかも

まさか此処で開けるのだろうか

彼の頼んだモノはまだ出来ていない


この後オヤジはどうなったのか知る由もないが

店を出てからも

あの彼女が一人奮闘する姿を想像してしまった

















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サコ姐から…

2009-08-20 14:13:00 | Weblog
サコ姐から久々に電話があった

「エドナちゃん元気ィ~」

人づてに町屋のお店を辞めたと聞いていたので

「お姐さん今何処で働いているの?」と尋ねると

「松戸なのよ~」

平日はスタッフ6人で、ショータイムもあると言う

サコ姐以外のメンバーは全て彼女のお友達関係だ

と言う事は平均年齢がかなり高い店である


「アンタの店、募集してないのかしらァ?」

どうやら、その店に居たマイコさんが辞めて

他を探しているらしい

「ウチは今平日2人で頑張っていて

 新しくスタッフを迎える余裕がないのよ」

「え~?たった2人でやってるの?」

サコ姐も数年前にこの店に在籍していた

その当時はスタッフが4~5人居たのだ

「そうよねェ今は何処も不景気で大変だものねェ…」

受話器の向こうからため息が洩れる

「うん分ったわ~、お互い頑張りましょう」

そう言って電話を切ったのだが

相変わらずサコ姐は面倒見が良い

お友達の働き口を探すために

こうして知人の働いている店にこまめに連絡して

空きがないか聞いているのである


某ニューハーフサイトでは

吉祥寺や高円寺のお店が募集をかけている

サコ姐はどんな店なのか私に尋ねる

「う~ん、吉祥寺の方は営業時間が長くて

 お酒もガッツリ飲まなくてはならないみたいよ」

と答えておいた

高円寺の方はよく分らないが

きっと条件は厳しいのでは?と思う

このご時世に高齢のオカマが働ける店は限られる

よっぽどお客を持っているか

よっぽど客受けが良さそうなタイプでないと

歓迎されないだろう

ウチの店でもスタッフは欲しいが

なかなか条件が折り合わないのが実情だ


向かいのPのママが、この間貸したレモンを

返しにやって来た

「アンタとこも暇なの?」

お盆明けだし給料日前

さらには選挙も近付いている

こんな時期は何処も必死だ

40年以上も水商売を続けているPのママでさえ

弱音を吐いている

「でもね今が踏ん張り時なのよ

 ここで潰れちゃったら女が廃るわ」

72歳とは思えない力強い言葉に

私もうんうんと頷いた

「そうよねママ、腐ってる場合じゃないわよね」

私たちはお互いに手を取って奮起するのだった


サコ姐のお友達もきっと何処か

新しい働き口を見つけるだろう

やる気さえあれば何とかなるものだ

そう信じて生きて行くしかないのだもの



 




















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ケンちゃん

2009-08-19 15:04:10 | Weblog
お盆休み明けの昨夜

オープン前の支度をしていたら

向かいのRで働く小春姐さんがタバコを買いに来た

ウチの店は何種類かのタバコを常に買い置きしているので

彼女は週に何回か求めに来る


「ケンちゃんが亡くなったのよ」

小春姐さんのお客でウチにも何度か遊びに来た事のある人だ

いつも酔っ払っていて何を話しているか分らない

茶色に染めたパンチパーマと

胸元に光る金のネックレスがトレードマーク

一瞬かたぎには見えないが

市役所で働いていたのだと言う


駅の反対側にスナック街があり

そこのMで飲んでいる時に

突然泡を吹いて倒れたらしい

救急車を呼んで病院に運ばれたが

既に心配停止状態だったとか…

一ヵ月後に61歳の誕生日を迎える所だった


「え~?あのケンちゃんが?!」

とても信じられなかった

確かにいつも酔っ払ってはいるが

体の何処かが悪そうには見えなかったし

つい一ヶ月前にもウチに飲みに来ている


その日はお友達のマッちゃんと一緒に来店し

私はラスカルと一緒にお相手した

ケンちゃんは昨日から眠らずに飲み歩いていると言っている

横山やすしの様な痩せたタイプで

お腹も出ていない

「ケンちゃんって相変わらずタフよねェ」

こんなに痩せてて何処にそんな体力があるのかと

いつも不思議に思っていた

「ケンちゃん、何か身体を鍛えているの?」

酔っ払い特有のろれつの回らぬ声で

「喧嘩で鍛えてる」

とシャレにならない答えが返ってきた


彼はあと数ヶ月で定年だったのに

上司と喧嘩して市役所を辞めたそうだ

それから一年くらい次の仕事を探していたが

この不況では何もない

年老いた母親を老人ホームに預けて

自分は連日飲み歩いていたらしい

特有な風貌から家族の匂いを感じさせなかった彼は

5人の兄弟が居て無縁仏にはならなくて済んだ


「オネエ、飲みに来たよ!」

と今でも酔っ払ったケンちゃんが

Rのドアを開けそうだと

小春姐さんがポツリと呟いた








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