おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

観葉植物

2009-08-27 14:29:21 | Weblog
昨夜は暇でずっとキャッチをしていたのだが

日付が変わった辺りから急に寒くなり

用もないのにミニを穿いていた私は

ブルブル震えていた

つい数日前まではあまりの蒸し暑さに

アイスノンを首筋に当てながら立っていたのに…


ウチの店の前には不動産屋がある

大きな窓は中が丸見えのガラス張りだ

私たちがキャッチしていると

ついつい中の様子に目が行ってしまう

いつもなら専務が一人で残務整理をしているのだが

昨夜は他の男性スタッフが遅くまで滞在していた

連れの女性と床にワックスを塗るためだ

パーテーションで仕切られた片方のフロアに

観葉植物を移動して作業を進めている

4畳半ほどのフロアは大きな観葉植物の鉢植えが4つも置かれて

まるで植物園のようだった

私の部屋にはとても観葉植物を置くスペースはないが

あんな風に緑に囲まれたら

きっと癒されるだろうなと思う


最近はフェイクの観葉植物もあるようだ

ホンモノの方が良いに決まっているが

私の様な無精者にはとても世話など出来ない

きっと枯らしてしまいそうだ


以前バイトしていた大阪のレンタルビデオ屋では

店の片隅に観葉植物が置かれていた

殆ど一人で店を任されていた時代から

その鉢植えは存在していたので

店が拡張されバイトが増えてからも

何となく古くからの同僚みたいな感覚を抱いていた

たまに水をやる時は声をかけていた

有線からアイドルの曲が流れると

一緒になって大声で歌っていたのも

彼だけは知っている

コワモテのお客さんからクレームがあった時も

隅の方でじっと私を見守ってくれていた


店を辞める日

私はとても心残りだった

後輩のバイトが彼を大切に扱ってくれるだろうか

枯らしたりはしないだろうか

他のバイトがまだ来ない時間に

私は別れを惜しむように水を与え

そして鉢を磨き上げ、周りを丁寧に掃除した

「もう二度と会う事はないだろうけど

 可愛がってもらうんだよ」

まるで里子にでも出す心境だった

既に店は何年も前に閉店したようだが

たまにあの頃を思い出す時

真っ先に頭に浮かぶのは

あの観葉植物なのである














コメント
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