雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

050907 題詠マラソンから

2005-09-07 18:00:44 | 題詠マラソン2005から
【22429】 015:友 横顔の美しかつた級友の真正面なる写真仰ぎぬ(春村蓬)

 仰ぐ位置にある「真正面なる写真」。
 その写真は、「横顔の美しかつた級友」のもの。
 若くして亡くなった友の弔いの日の情景でしょうか。
 大学時代の友人のことはあまり「級友」とは言いません。
 この「級友」はおそらく高校時代の友。
 同性か異性かは明示されていませんが、「横顔の美しかつた」という表現から女性のように思われます。
 その「横顔の美しかつた級友」はいま、祭壇に遺影となって「真正面」を向いているのです。
 その「真正面なる写真」を仰いで作者は、級友の美しかった横顔をありありと思い浮かべたのでしょう。
 友の早すぎる死を悼む悲しみが静かに伝わってきます。
 横、正面、上(仰ぎぬ)という三方向の表現も、悲しみの情景に奥行きと立体感を与えていて巧みです。
 

【22423】 029:ならずもの 傲慢で大口叩きのならずもの 霞ヶ関に西新宿に(桶田沙美)

 正確には「霞ヶ関」ではなく「永田町」なのでしょう。
 イチローとタローのまさに「傲慢で大口叩きのならずもの」コンビ。
 わがクニとミヤコの長(おさ)。
 ああ。
 でもいちばん情けないのは、わが民の多くがこの「ならずもの」たちを支持していること。
 海の向こうの9.11は彼のクニの長の暴走を生みました。
 あと4日に迫ったわがクニの9.11は?
 「すべての国民は自分にふさわしい政府を持つ」

 苦くそう思うことになるのでしょうか。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 050907 日々歌う | トップ | 050908 日々歌う »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (桶田 沙美)
2005-09-08 07:55:00
はじめまして。

拙い作品に丁重なコメント、ありがとうございます。



普段は女性同士の恋愛や友情を詠んでいるので、政治的な歌は珍しいのですが、それにしても下の句は「西新宿に永田町にも」とした方が題材としてはより的確でしたね(^_^;)。

推敲不足を思いっきりさらけ出してしまい、恥ずかしい限りです。



しかし、どうしてこの国には「ならず者」が威張り散らして、それで多数の支持者がいるのやら。

混沌とした社会状況に単純明快な言動で穴を開けてくれると、期待しているからでしょうけど、そのくらいなら新興カルト宗教の教祖でもできること。

どちらにも共通しているのは、甘い言葉に誘われたらあとは地獄が待っていることでしょうか。

「ならず者」達の行ってきた政治も一般庶民や社会的弱者を圧迫し、勝ち組を優遇してきたことを考えると、その先にあるのはまさに地獄でしょう。



蛇足ですが、選挙にはもちろん行って来ます。

もちろん「ならず者」政党には投票しない方向で。
返信する
senkyo (syoko)
2005-09-08 10:00:00
マニフェストってマルクスの共産党宣言だったそうですね。もっと、具体的な構想を打ち出してくれないと、単なる夢の公約になってしまふ。そんなことを思っています。

トラックバックをありがとうございました。
返信する
桶田さん、ようこそ (謎野)
2005-09-08 16:57:15
「傲慢で大口叩きのならずもの 霞ヶ関に西新宿に」

こういう端的な政治批評は、むしろ短歌でこそ生きるのかもしれません。

書いてくださったこともいちいち共感できることばかりです。



「ならず者」達の高笑いを起こさせない良識と決断が、声なき民によって土壇場で発揮されることを願うしかありませんね。

 



ぼくも時おり政治の歌を詠みます。



あれやこれ蛇も蛙もレッテルを貼るも貼らるもならずもの国家(題詠歌)



石原の都の長(おさ)の顔面(かおづら)に砂塵吹き上げ浜渦巻けり



側近や身内と呼ばる一群と都政牛耳るわれらの長は



絶対に腐る権力絶対の 驕れる長の知るや知らずや

                       (050531日々歌う)



ありがとうございました。
返信する
マニフェストについて (謎野)
2005-09-08 17:42:57
shoko(翔子)さん、書き込みありがとうございました。



マニフェスト(manifesto)自体は、本来、宣言(書)とか声明(書)という意味です。

共産党宣言は、Manifesto of Communist Partyの翻訳です。



近年、日本で言われるようになったマニフェストは、元来、election manifestoの省略形です。つまり「選挙公約」です。

ただ、これまでのとかくきれいごとの言いっぱなしで終わるものから、①いつまでに、②どういう方法で、③なにを財源として、ということを明示した選挙公約へ、という意味で「マニフェスト」と言い始めたのです。



しかし、これまでの公約だって具体的に守れるものも選挙が終われば平気で投げ捨ててきた政党・政治家が、「マニフェスト」になったから必ず守るなどとはとても思えません。



選挙において、「きれいごとの言いっぱなし」の公約がいけないのは当たり前。

しかし、すべての公約が必ず①いつまでに、②どういう方法で、③なにを財源として、ということを明示できるとは思えません。

それは、改憲のような問題や、日韓・日中間の外交問題などを考えればすぐわかります。



要は、努力目標も含めて選挙のときだけのウソをつかないこと、ではないでしょうか。



お互いにだまされないようにしたいものです。
返信する
はじめまして。 (春村蓬)
2005-09-08 22:46:18
お知らせ、そしてご丁寧に拙歌を読んでくださいまして、こころからお礼申し上げます。

今ブログを拝見いたしましたが、溢れるように歌を詠まれていらっしゃるのですね。沢山の輝く歌にこころが揺れました。

ご紹介くださっている、



晩秋(おそあき)の荒野さびしもいのちとはあまたの奇跡たばぬるところ



も忘れられません。

ありがとうございました。これからもがんばって下さい。私もガンバロウと思いました。

ここのお部屋の名前、素敵です。
返信する
春村さん、ようこそ (謎野)
2005-09-08 23:23:12
お訪ねいただき、ありがとうございました。

初心者のオッチョコチョイで3月の6日には完走してしまったぼくなどとは違い、じっくり歌を詠まれて来られたのでしょうね。



006:時 飛ぶ鳥の一瞬の影、屋久杉の千年の影、時は影をひく



007:発見 うつくしくほこり積れる古書店に岩波新書の『ゼロの発見』



010:線路 始まりと終はりと継ぎ目 線路にも人生のやうなしづけさがある



コメントさせていただいた以外に、コメントしたいなと心動かされたお歌です。



『ゼロの発見』はたしか吉田洋一著。ぼくの高校生のころの岩波新書です。

多分お若い年齢の作者を考えると、「うつくしくほこり積れる古書店」と『ゼロの発見』のつながりの解釈がむずかしくて、コメントをあきらめたのです。



これからきっと作りためられたお歌が次々とアップされるのでしょうね。

ぜひ完走をと期待し、楽しみにしています。



ブログの名前は、その通りのきっかけで歌を詠み始めたのですが、大好きな谷川俊太郎の大好きな詩集のパクリくさいですね。

でもおほめいただき、うれしいです。



返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

題詠マラソン2005から」カテゴリの最新記事