雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

050618 題詠マラソンから

2005-06-18 20:13:35 | 題詠マラソン2005から
【17215】064:科学 科学から空想へゆく個にむかひ天動説のごとくもの言ふ(常盤義昌)

 「科学から空想へ」。どこかで聞いた科白だと思えば、これは「空想から科学へ」の逆でした。
 とすれば、「科学から空想へゆく個」とは、科学を自称した社会主義の惨めな崩壊に幻滅し、その手の「科学」から離れて文学や芸術、宗教などの「空想」に惹かれているような個人、ということでしょう。
 そういう個人に向って未だに「天動説のごとくもの言ふ」誰かがいるのです。
 かつてガリレオに地動説の放棄を迫った異端審問官たちは、ローマカトリック教会という強大な権威をバックに、絶対不動の真理として「天動説」を振りかざしました。
 20世紀に登場した共産主義(スターリニズム)の異端審問官たちも、反共(マッカーシズム)の異端審問官たちも、同様でした。
 21世紀の現代においてこの誰かは、いったいどんな権威をバックに「天動説のごとくもの言ふ」のでしょうか。

【17194】013:焦 迷い来し犬の瞳の焦茶より夜は滲みてわが庭に落つ(水須ゆき子)

 迷子の子犬の焦茶色の瞳。
 きっと久しぶりに人の親切に出会ったのでしょう。
 「よしよし、どこからきたの?」「おお可愛そう、おなかが空いてるよねえ」などと子犬は頭を撫でられ、尻尾をふって見上げる瞳には心なしか涙が滲み、そこに夜の空が映っています。
 「夜は滲みてわが庭に落つ」。
 まるで映った夜ごと涙が零れ落ちたかのようですね。とても素敵です。
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2 コメント

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天動説 (ときわ)
2005-07-03 21:55:07
丁寧な読解、ありがとうございますm(_)m

空想から科学へ、科学から空想へ、なんとも

妙な感じです。多くの社会的事象を説明する

言葉が自然に対するものであるかのように、

変化していて、みんな個に閉じ込められて

いるような気がします。
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ホッとしています (謎野)
2005-07-04 17:20:00
常盤さん

書き込みありがとうございました。

ひょっとしたらとんでもない誤読をしたのではないかと、一抹の不安を感じていました。

お蔭さまでホッとしています。

ありがとうございました。
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