煤越しの金環仰ぐ遠き日に福島で見し日蝕偲びつ
煤越しの金環仰ぐ遠き日に福島で見し日蝕偲びつ
5月21日 金環日食、自宅屋上にて
今朝は金環日食でした。
専用のメガネも買わなかったし、したがって写真も撮れないし、ま、いいかと思って、昨夜も2時過ぎまで夜更かしをしてしまいました。
つれあいは、専用メガネを買ったという近所の義妹の家に行ってみんなで観るために、今朝の6時半過ぎに起きて出かけました。
僕は眠いのでそのまま眠るつもりでしたが、やっぱり気になって眠れなくなってしまいました。
新聞に専用メガネの不良品についての警告が載っていて、蛍光灯がはっきり見えるようなのは危険だと書いてあったのを思い出し、どこかにあるはずの安物のサングラスにロウソクで煤を付けたらどうなんだろうと思いつきました。
戦争直後、生まれた福島県の富岡町夜の森で父がロウソクの煤を付けてくれたガラスで日食を観たのを思い出したのです。
ごそごそ起きだし、何とか目当てのサングラスとロウソクを見つけ、おっかなびっくりやってみました。
蛍光灯がぼんやりかすかに見えるまで、煤を付けました。
7時半ごろ、カメラに望遠レンズと一脚を付けて屋上に上り、ファインダーを覗くと、太陽もほんのかすかにしか見えません。
目を傷めないように細心の注意を払ってシャッターを何回か切りましたが、まともに撮れたかどうかも分かりません。
さっそくPCに落として拡大してみると、晴れていた空が金環日食の真っ最中には幾分雲が出ていたらしく、1、2枚なんとか見られるのがモノクロのような感じで撮れていました。
望遠レンズ用の偏光フィルターは高価なので持っていません。そのためか、光のリングはやや飛んでしまっていて、どんぴしゃりの写真にはなりませんでした。
こんなことなら、もっと事前にちゃんと準備しておけばと後悔しましたが、時すでに遅しでしたね。