―<原発大震災二年目の春に満開の三春滝桜を訪ねて>
花激(ばし)り滝桜咲く千年のいのち継ぎてぞフクシマの地に
4月29日 満開の滝桜、福島県三春町にて
4月29日、品川から迎えに来た義妹夫婦の車で早朝4時半に出発して、一路三春をめざし東北自動車道を走りました。
幸い、渋滞もなく、郡山JCで入った磐越自動車道を郡山東ICで降り、7時半ごろには指示された迂回路を滝桜の5キロ近くまで来たところで、滝桜の大駐車場に続く大渋滞が待っていました。
義妹の咄嗟の機転で、その列を離れてUターン。さくら湖の湖畔に小さな駐車場を見つけ、そこから桜や菜の花の咲く道を20分ほど文字通り遊歩して、無事8時過ぎには会場に着くことができました。
出発前にも書きましたが、僕は三春の滝桜を見たい見たいと思いながら、とうとうこれまで一度も見たことがありませんでした。
原発事故でふるさとの富岡町夜の森の桜をおそらく永久に見ることができなくなって、今度こそ本気で滝桜を見てみたいと思うようになったのです。
今回ついにそれが実現できたのは、つれあいや義妹夫婦が僕のそうした事情や思いに応えて同行してくれたおかげです。
三春には故郷の富岡町から避難している方が多いことは、先日放映されたNHKの滝桜特集でも報道されていました。
僕たちの曽祖父が植えた夜の森の桜並木の入り口に住んでいた、75歳になる従兄もその一人です。
携帯電話で連絡を取り合いながら、この従兄とも大混雑の滝桜会場でなんとか再会することができました。
この日は朝から気温が急上昇して、まるで真夏のような暑さでした。
そのためか、来る途中、あちこちで濃い霧が発生していましたから、抜けるような青空にはなりませんでしたが、それでも快晴の空の下で、例年より1週間ほど遅く27日に満開となった滝桜は、緩やかな傾斜地に樹齢千年を超えるいのちをたぎらせるかのように咲き激(ば)しっていて、それは見事でした。
僕にとってはこれが滝桜との一期一会の出会いとなるかもしれませんが、まさにそれにふさわしい出会いであったと深く満足しました。