―<原発大震災二年目の春に満開の三春滝桜を訪ねて>
花激(ばし)り滝桜咲く千年のいのち継ぎてぞフクシマの地に
4月29日 福聚寺の枝垂れ桜、福島県三春町にて
滝桜で再会した夜の森から単身避難している76歳の従兄の仮設住宅へ行く前に、ネット情報を基にしたつれあいの提案で古刹福聚寺の枝垂桜を観て行くことになりました。
三春の町は至る所に枝垂桜が咲き乱れていましたが、その中でも福聚寺のそれは屈指のものだというのです。
しかも驚いたことに、実はこの福聚寺は、昨年6月に僕がつれあいの息子たちといわきから郡山に向かう途中に、芥川賞作家でもある玄侑宗久さんの寺だというので、わざわざ立ち寄ってみた寺だったのです。
前回、花もほとんどなく人気もなく静まり返っていた広大な境内は、華麗な枝垂桜や染井吉野などが咲き満ちてにぎわい、あまりに様相が一変していたので、しばらくの間、僕はまったく気づきませんでした。
最後にやっとその福聚寺であることに気づくと、何と目の前を玄侑宗久さんが横切ってなおいっそう驚かされたのでした。