神楽坂で居酒屋女将!つれづれ日誌

神楽坂・本多横町で50年続く、いざかや「甲州屋」。つたないながらも、お客さんに愛されるお店づくりに奮闘中です。

雫とサドヤ見学コース

2013-04-07 22:16:37 | 山梨へGO!
さて、前回紹介したワイン漫画「神の雫」
いままでに何度か日本のワインが紹介されています


今回のストーリーは

主人公の雫が通うワインバーのマスター藤枝さんは
若い時にワインの勉強したいと云ったが
父親に大反対され勘当同然で家を出てしまい
それから父親と合うこと無く、父は亡くなってしまった

ビールと焼酎しか呑まなかった父親が晩年に実はワインを呑んでいたと
弟から聞かされる。遺品のなかにワインがあったと持ち込む弟。
父親が付けていたワイン日記には


このワインはワタシが生まれた1936年の
フランス産ぶどうの苗木で生み出されたワインである
収穫年は1962年、これは妻が亡くなった年である
樽貯蔵2年、一升瓶貯蔵43年の熟成を経て2008年9月ボトル詰めされた
私には縁の深いワインであるに違いない(一部略)


と記されていて、父親が息子にちょっと自慢しながら
一緒に呑みたかったワインであることが書かれていたのである
父親の気持ちを知ったマスターは弟と一緒にそのワインを開けて呑み
味わいとポテンシャルに驚きます。

そのワインが サドヤ・シャトーブリヤン1962  なのです


主人公たちが 一升瓶で熟成ってどういうことだ?!と驚き
それが日本のワインと気がつき、カベルネソーヴィニオンの古木であることに驚き
こんなワインが半世紀前の日本で造られていたなんて と驚くのです



そうなのだ。
実は、かなり昔から山梨は本格的なワインを造っていたのですよ



ワタシが3月に甲府へ行ったのは友人と一緒で
初めてワイナリーを訪れるなら、サドヤが面白いかなと思いまして。
その時、見学コースに参加して聞いたお話と写真を基に紹介していきますね


サドヤは明治42年に江戸時代から続いた油屋「佐渡屋」から
ビール洋酒をあつかう「サドヤ洋酒店」に転業しました。
当時の油屋は主に照明用に使われていたのですが
電気の普及により商売替えを余儀なくされたそうです。

明治時代、山梨ではワインが新しい時代の産業だったのでしょう。

(明治10年ワイン醸造法習得のため、日本人として初めて土屋龍憲(りゅうけん)、高野正誠(まさなり)の2人がフランスに留学。帰国後、この2人に加えた宮崎光太郎は国産最初のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」でワイン造りに努力しています。)


サドヤでは昭和の初期(1936年頃)にはワイン用苗木を植えはじめます


この写真はサドヤに飾られていたものですが写真の右上に(赤い矢印のとこ)あるのが甲斐善光寺。
男たちが急斜面に立ち、畑を起こす様子と大きな石が転がっているのがわかります。

フランスから取り寄せたワイン用苗木はたくさんの種類がありましたが
日本の地に根付いたのはカベルネソーヴィニオンとセミヨンだったそうです。
シャトープリヤンは昭和21年(1946年)に誕生した銘柄。


つまり本格的なワインは半世紀以上前から日本で造られていたんです


しかし、悲しいかな。本格的なワインは当時の日本人の味覚に合わなかった。。。



写真は当時の新聞広告。サドヤの「甲鐵葡萄酒(こうてつぶどう酒)」ですよ。
甲州の「甲」に古い漢字の「鐵」、つまり鉄のように強い飲み物で
当時のワインは強くなる飲み物、滋養強壮剤のようなモノだと宣伝していたようです。


戦争中はワインからできる酒石酸の結晶が潜水艦のソナーの原料になることから
「ぶどうは兵器」と呼ばれワインの生産が続けられます。

甲府は空襲にあい、一面の焼野原となりましたが
ワインの貯蔵庫は地下蔵だったので、ワインは無事だったそうです。
が、戦後復興の為に残ったワインをすべて売り払ったので
戦前のワイン、現在は全く残ってはいないそうです。。。




写真はサドヤの見学コースで入る地下の醸造蔵。
昔はワインを造ってた場所を現在は博物館の様に見学することができます



天井や壁もタイルが貼ってあるタンク?、大きなお風呂のような所。
昔はこの中にワインがたっぷり入っていたと思うと、驚きです。

左のスーツのおじさまが案内してくださるのですが
なかなかウィットに富んだ説明で楽しいですよ。



このハッチはタンクの中に人間が入る為の扉
掃除をする為の出入り口で、スマートな人しか掃除ができない仕組みです


サドヤではタンクで醗酵させたワインを樽で熟成させた後、一升瓶でさらに熟成させています。

フランスのワインは樽で熟成の後、マグナムボトル(1500ml)で熟成させていたことから
当時、日本で入手しやすかった日本酒の一升瓶(1800ml)で熟成させたそうです。

この方法は現在も行われていて、蔵にはたくさんの一升瓶が横になっていました。
(・・・写真撮り損ねました。スミマセン



シャリーブリヤンは年代別で価格も変わります。
2002~2009年なら5000円ほどの価格になりますが


シャトーブリヤン ミュールは2100円で購入できます!



サドヤ・ロゼは善光寺北原のカベルネソーヴィニオンをセニエでつくる本格的ロゼ。1500円ほど。
毎年新酒まつりで合えるのが楽しみなワインです



こんなヴィンテージワインもありました



何度も書いてますが、
サドヤさんは甲府駅北口から歩いて5分の好立地!
是非一度訪れて、日本のワインの歴史を感じてみてください



コメント (4)
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甲府のサドヤ

2013-04-07 18:20:03 | 山梨へGO!
桜の花をイッキに吹き飛ばす春の嵐がきましたね。
みなさま強風に煽られて怪我等していませんか?

さて、4月4日発売の週刊モーニングに掲載されている
ワイン漫画「神の雫」でサドヤのシャトーブリヤンが紹介されています

いつも読んでる話の中で行ったことのあるワイナリーに逢えると
いち読者としても、ワインファンとしても嬉しいものです



サドヤは甲府駅北口から徒歩5分のワイナリー
明治42年にワインを造りはじめ、昭和の初期に欧州品種の栽培に成功しています。


ストーリーの説明は端折りますが
今回のお話の中で登場するシャトーブリヤンは1962年物
・・・スゲー! 張り切ったな~!!と驚いてしまいました


写真にあるのはシャトーブリヤン1967年  26,250円
(シャトーブリヤン白は1970年物で18,900円です)

お話の中のワインは1962年物ですから。。。かなり良い値段のハズ

まあ、値段にこだわる訳ではないのですが
本当に売ってるんですか? 漫画の中の話なんでしょ?!
と思う方もいらっしゃると思うのでワタシが補足説明をしなくては と。


実は、3月に日帰りのドライブでサドヤに行ってまして。。。
なかなかそのときのレポートを書くことが出来なかったのですが
合わせて、この機会に紹介しておきましょう。

と、書きながら。スミマセン、続きは次回です
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