壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

一票の価値について

2012年02月24日 | かんがえる


一票の格差の問題。一種の思考実験です。非難覚悟で、あえて書きます。

地方の票が重く、都市が軽くてもいいのでは。自分の票の価値を高めたい人は、居住は自由なんだから、地方に引っ越せばいい。

地方への移住者が増えると、新たな文化が加わり、ハイブリッド化された文化が芽生える可能性がある。長野県東御市にワイナリーを作った、東京出身の玉村豊男さんのような例もある。もっとも彼は、一票の価値の高い地方に、と考えて移住したのではなく、単に自然が豊かで、ワイナリーができる場所を求めて移住したのだろうけれど。

ところが一人一票が実現すると、都市型の政策が取られ、人口の都市集中が加速し、ますます地方は衰退する。道路を通すから立ち退けなど、公共の福祉のために私権が制限されることがある。これと同じで、国土の均衡ある発展のため、一票の価値の制限もある、というのも有りでは。

富山市では、ダム機能があると中山間地の田んぼに水を張るだけでも補助金を出しているとか。国土の均衡ある発展とは、童謡『ふるさと』の環境を守るということ。このために、地方に都市より重い一票があってもいいのでは。

小学生の手紙を載せた『僕のお父さんは東電の社員です』には、「電気を浪費する都市の人は悪いと思います」「原発受け入れを金で釣った政府は悪いと思います」といった二元論が目立つ。二元論で問題は解決しないとはいえ、地方は原発を受け入れ、都市は電力を享受する、というのは事実。都市型政策では、ますます二元論が深まりそうと心配なのだ。

薄利多売。都市の意見は一票の価値(粗利)は軽くとも、数を売る(人口が多い)ことで政策に反映できるのでは。二重生活。半年は都市で仕事し、半年は地方で別荘暮らし。そんな生活が実現できるとして、やはり『ふるさと』の環境でないと別荘を建てようという気にならないのでは?

『ふるさと』の環境を守るためにも地方重視(箱物でなく、環境維持・人口維持)の政策は必要と思う。

かくいう自分は東京在住で、都市のメリット・快楽を十分に享受しています。僕の一票が地方在住者の10分の1しか価値がないとショックだが、5分の1くらいなら許容範囲と思います。

要はバランスの問題。そのバランスが、現代は「より厳密に」を求められるようになったということ。これって、デキる子もデキない子も受ける同じ難度の授業、一斉にゴールする運動会の駆けっこと同じでないか。

長くなりました。失礼します。


通いつめ

2012年02月24日 | あじわう

寒いので下の子ちょっとひざに乗せ 日立 小雪

レジ嬢に話しかけられ通いつめ 岡山 よしと

地球上ゴミは移動をしてるだけ 新発田 白うさぎ

維新の会職員辛抱おしんの会 中間 哀路兄

●以上、本日(2月24日)の毎日新聞、万柳より。

第一句。いいなー。やっぱり家族は、いい。楽しみは妻子睦まじくうち集い頭並べて飯を食うとき、ですね。

第二句。告白します。以前、スーパーのレジ嬢に「ステキです」と言われて、通いつめました。(ステキですと言われた経緯は、以前ブログに書きました)

第三句。焼却しても、埋め立てても、地球物理学の立場からは、何ら変化していないんだそうですね。

第四句。橋下さん以外の人(政治塾生、事務スタッフら)は、維新の会の中で、どんな役回りなんでしょうか。「橋下、やれ、やれ」と囃し立てるか、「ちょっとやり過ぎでは」といさめるか。組織にはアクセルとブレーキ、両方が必要でしょう。辛抱ばかりでなく、必要とあらば、爆走橋下号のブレーキを踏む。参謀はそうでないと、ね。

今日の東京は、まるで4月の陽気です。温かい。自転車に乗っていても、めちゃくちゃ気持ちいいです。皆様も、サイクリングor散歩を楽しんでみては。


神泉から日本橋へ

2012年02月23日 | あるく

今朝9時から、京王井の頭線の列車を神泉駅で降りて、道玄坂、六本木、銀座八丁目、日本橋と歩きました。

雨の降る寒い日でしたが、時間だけはたっぷりある。靴もズボンのすそがビチョビチョに濡れてしまいました。但馬の菓子メーカー、播磨屋が、虎ノ門に東京店を出していると知りました。

幕末の志士たちは、これくらい平気で歩き回っていたんでしょうね。しかも草鞋で。『椿寺まで』(浅田次郎著)には、そんな様子がいきいき描かれています。

日本橋着は12時ころ。さすがに疲れ、地下鉄で市ヶ谷へ向かいました。なぜ外回りをしたかって? それは秘密ということで、勘弁してください。

午後は晴れ上がりました。こんな日もあります。


『名スカウトはなぜ死んだか』(六車護著)

2012年02月23日 | よむ

『名スカウトはなぜ死んだか』(六車護著)読了。オリックスの名スカウト、三輪田氏が、沖縄水産の新垣渚獲得を巡って悩み1999年秋、自殺。その懊悩を、三輪田氏と早稲田大野球部の同期で、毎日新聞記者の著者が追う。

三輪田氏の先輩スカウト、山本氏の言葉。「三ちゃんにはもちろん新垣にもすまないことをしてしまった」。「ドラフトが悪い、皆で作った制度なのに約束を守らない」。

約束とは何か。契約金や年俸の上限です。誰が約束を守らないのか。明確には書かれていませんが、新垣を巡ってオリックスと競っていたダイエー(現ソフトバンク)ホークスでしょう。

こんな趣旨のことも書かれていました。選手本人のあずかり知らないところで、ブローカー(選手の縁戚など?)が間に入ってきて、球団と交渉することもある、と。闇金が横行してるんです。

魚市場のセリや、オークションと一緒ですね。金があるチームが落札額をどんどん吊り上げるから、平均額が高騰する。そのチームばかりに有望選手が集まり、強くなる。それでは、野球全体が面白くなくなる。だから、みんなで、上限を決めたはず。その約束を守らない、というわけです。

三輪田氏は、愛工大名電の2年生、イチロー(当時は鈴木一朗)を見出し、卒業後、オリックスに入団させました。その後の活躍で、一躍「イチローを発掘した男」と注目の的になったのです。イチローがプロ1~2年目は相談にも乗っていたようですが、そのうちイチローは一軍に定着します。

「イチローは俺の手の届かないところに行ったよ。それでこそスカウト冥利に尽きる。俺も、いつまでもイチローを発掘した男でいいわけがない。せめてジローくらいは発掘しないと」と得意のシャレを発していたそうです。

(以下引用)「ドラフト会議では、制度の中にさまざまな矛盾を抱えながら70人を超える新人選手がリストアップされる。矛盾を「ゆがみ」と言いかえるなら、そのゆがみを知りながら背負っていくのがスカウトということになる」。酸いも甘いも味わった、清濁併せ呑む男。それがスカウトってわけです。

同書は、犯人や悪役を追う、ドラフト制度の矛盾に真っ向から異を唱える、というスタイルではありません。大学野球のチームメイトが、自分との個人的な関係も前面に出しながら、三輪田氏の人となりを紹介するというスタイルの本です。だから正義感に燃えた、三輪田氏の死に義憤を感じる(犯人探しをしたい)という読者には物足りないかもしれません。

三輪田氏の死後も、2004年には、明治大学の投手だった一場選手の事件などがありました。野球界は、三輪田氏の死から何を学んだのでしょうか。そして現在も、表沙汰になると困ることが横行しているのでしょうか?

プロ野球は、子どもに夢を与える仕事です。しっかりせい、野球界といいたいです。


世の流れ

2012年02月21日 | あじわう

自治会はボランティアです国会も 熊本 坂の上の風

松坂とダルで円高説明す 堺 とらりあん

大寒を越えきれないか通夜続く 佐賀 吉川ヒデ子

この党じゃ主役になれんので新党 宝塚 忠公

松坂がかすんでくのも世の流れ 長野 三枝二六

成金の裏はやっぱり歩のまんま 伊東 大野セブン

●以上、本日(2月21日)の毎日新聞、万柳より。

本日は豊作だと思います。さて、
第一句。そのとおり。もともと政治ってボランティアですよね。本業で余力のある人が、ボランティアでリーダーを買って出た。それが集団(村、職業団体、国政)の始まりでしょ。

第二句。頑張って欲しいものです。四十路になって、野球に目覚めました。見るほうでなく、やるほう。スポーツはやっぱりいいですね。

第三句。もう何十回も見たであろうけど、桜を見せてあげたいなぁ。

第四句。この場合、主役と何か。みんなの注目を浴びる人でなく、政党交付金の配分を決める権限を持つ人、ですね。

第五句。確かに世の流れです。楽天ゴールデンイーグルスが誕生した年、一場投手が入団したんだよね。2004年です。もう8年も前。光陰矢のごとし。

第六句。確か、映画『七人の侍』には、三船敏郎演じる侍が家系図を買うシーンがあったと記憶しています。系図買いです。平家物語も、娘を天皇に嫁がせますね。いつの時代も血統を求める。歩は金になりたがる。これを揶揄するのが、ガバいばあちゃんの「うちは先祖代々貧乏たい」という言葉でしょう。

人間はほんとうにバカです。金には金の、歩には歩の分がある。分をわきまえる。歩はつい金に憧れますが、自分の分を全うする。たとえ歩でも、その働きを見ている人はいる。歩のない将棋は負け将棋。メッキははげる。地金を鍛える。それが王道ってもんです。

本日の東京は、まるで4月のような陽気です。仕事を休んで、日向ぼっこしたいな。「あるくみるきく」読者の皆さまも、よい一日を。