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VW XL1の歴史

1960年代後半から度々制作された実験研究車両
「ESVW」や「IRVW」シリーズは、
安全とエコを課題にしたフォルクスワーゲンですが、

本格的に大金を投入して一から作り始めたのは、
1981年にドイツ政府の援助により制作された
21世紀の小型車「VWオート2000」でした。



3ドアスポーツカーと思われがちですが、
列記としたエコ小型車として企画。


大人4人には十分なスペースを持つ内装に、
軽度のクラッシュでも損傷の少ないプラスチック製プロテクター、
空力を考えたフラットなボディーシェイプにローグリル。
そして3気筒ディーゼルエンジンを搭載しています。

モックアップではなく全開走行可能な
ワンオフ試作品として真剣に製造されました。
残念ながら一般販売はされなかったものの、
多くの技術がその後のフォルクスワーゲンに
反映されました。

ちなみに、アウディーの製造したオート2000は、
その後のアウディー100・200シリーズに影響を与え

メルセデスの製造したオート2000は
W126のベースとなりました。



1998年に発売された「ルポ3L」は、
ドイツの燃費評価方式で言う
「3リッターの燃料で100kmの距離を走る」
究極のエコカーとして発売されました。
通常のルポをベースにしながら、
3気筒直噴ディーゼルエンジンに、
アルミやマグネシウムを多用したパーツをふんだんに使い、
燃費と実用性を追求した革新的な車でした。
ダッシュボード中央にある「ECO」スイッチを入れると、
超エコモードになり、アイドリングストップやエアコン停止など、
現在のエコカーより苦痛をもたらす物となります。
そのストイックなエコモードを、当時の経営者と比喩して
「ピエヒスイッチ」と呼ぶ人も多かったそうです。
少量生産の実験的車両という事もあり、
電気系統のトラブルが多く発生した事でも有名です。
日本へは並行輸入の他、
VGJがプレス試乗用を含め数台(5台?)
正規並行輸入したもののトラブルの多さに、
ひっそりと放出されています。



2002年、ルポ3Lの究極版として企画されたのは
”1L”
「1リッターの燃料で100kmの距離を走る」
という夢を現実にしたモデルでした。




カーボンを多用したボディーに、ハンモックのようなシート。
バイクのようなタンデムシートは、燃費重視に割り切っており、
快適装備の一切無い車両でした。
その姿に、現代のバブルカー(超小型自動車)とか、
メッサーシュミットの再来とも言われました。

しかしフォルクスワーゲンはその後も
真剣に走行テストを行っており、
多くのデーターを得たそうです。



2009年に突如発表された1Lの進化版モデル。
既に生産を意識しており、快適装備も追加されましたが、
多くの人がタンデムシートにアレルギー反応を起こしたと言われています。




この時、既にXL1の基本設計(左右二人乗り)は
出来ていたという話もあり、
サプライヤー内では、2011年頃正式発売の噂も
出ていました。



「VW XL1 2012(最終プロトタイプ)」
2011年春のカタールショーで
デビュー&プレス試乗会の行われた最終試作車。



最初は「アップ!」と同じNSFシリーズの
コンポーネンツを使い製造される予定でしたが、
「0.9リッターの燃料で100kmの距離を走る」
を現実化させるため、1LやL1と同じように、
専用カーボンフレームを採用。

大きく発展したこのモデルは、ついにタンデムシートの採用を諦め、
快適装備も充実しました。

こうしてXL1は、販売を前提にした究極のエコカーとして
製造に至るのです。


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