フォルクスワーゲン・アウディーを中心に車に魅せられた中澤寛のホンネワールド!
僕の心の中をちょっと見せちゃう?!
横浜のノンビリ社長ブログ---My private time(Blog)
ルポ1.4 (ノーマル)

注:この報告はノーマルの「ルポ 1.4リッター 日本仕様」を中心に記載しま
した。あくまで中澤が見て触れて感じた事を書いています。
<総括>
Car: ルポ1.4(ベースモデル&コンフォート)GH-6XBBY
Year: 1999-2005(日本仕様は2001年から)
Good : 小さくても安全なボディー。
Bad : 割高な価格。内外装のカラーチョイスの少なさ。
Total: ★★★★★★☆☆☆☆6点(10点満点) ※価格が星を落とした!
Comment: 本当の意味での現代版シティーコミューターのはしり。
5人乗れる事や、VWレーベルという安心感がある。
高速も全く問題無いが、長距離はあまりお勧めしない。
残念ながら今年生産を終了し、日本も06年モデル(2005年後期)販売で終了。
<誕生秘話>
この車の誕生についてはあまり語られていない。しいて言えばヨーロッパの「Aセグメント」の為に作られ、アウディーグループのセアト・アローザと完全な兄弟車という事のみだ(アローザが先にデビュー)。しかし、ドイツの有識者によればこの車の生い立ちは、10年以上前に「ヨーロッパのシティーコミューターとして超小型サイズでで安全な乗合自動車的コンセプト」として企画されたという。それと共に某企業とのコラボレーションも考えられていたとか。しかし、このポロベースに作られた超小型モデルも、企画立案した某企業が、あまりのコスト高と、何の前ぶれも無く手を引いてしまったので、立ち消えになりそうになり、落胆(一部では激怒という噂)したVW社のピエヒ元会長が、復活させたのだという。
その後、手を引いた某企業はダイムラークライスラー社と手を組み「スマート社」を立ち上げ、企画・立案・製造を行なうが、「こんなに自動車を作る事に金がかかるとは思わなかった」という名言を残し、某社は持ち株を売却し自動車業界から、元々の時計業界へ戻っていったという。
要するにこの「ルポ」こそが初期のスマートだったと考えれば、この車の長所が良く分るのだ。但し、初期のアイディアから大幅に変わり完全な5シーターになっている。1999年ドイツ発売、2001年日本正式発売。
<試乗記>
荒っぽく書けばポロのシャシーを切って作ったモデルである。最初から新型シャシーを設計したのではなく、手元にある部品を利用して作られたので、ある意味オーバークオリティーな面と、そうでない所の混在した、多少アンバランスな面を持つ面白い車である。ドイツ情報が正しければ、欧州で販売されている日本の軽自動車(輸出仕様は800~1000ccが主流)と比較すれば判り易いようだ。
ナチュラルなハンドリングはVWそのもの。セアト・アローザも殆ど同じだ。1.4リッターは日本の道路では十分だが、一部オーナーからは「日本の軽自動車はもっと少ない排気量で結構走りますよ」と言われた事がある。ドイツの車はアウトバーンでの走行も考えているので排気量が大きい方が燃費も良く安定している。確かに本国にはもっと小さいエンジンもあるが、エアコンからパワーウインドー、そしてATミッションを持つこの日本仕様車に1.4リッターは大変妥当な考えだと思う。定員は5名だが、現実は大人2~3名くらいが丁度良いと思う。
この車で山道のコーナーを普通に走っても怖く無いが、お買い物専用車としての走りは高得点をあげたいと思う。
追記>特殊モデル「ルポ3L」(日本には輸入元がメディアテスト用に数台輸入)は、完全に燃費重視のモデル。シフトスケジュールからエアコンの効きまで、日本には適さないという。
<リアシートインプレッション>
企画初期の段階では、リアシートはもっとテンポラリーな物だったらしいが、フォルクスワーゲン社が自社ブランドで販売する事が決定後、安全性を考慮に入れ、再設計されたと言う。
日本人の大人でもリアシートに3人乗るのは辛そうだが、それでも移動だけなら問題ない。ましてや子供だったら全然問題無いだろう。この辺の考え方はさすがにフォルクスワーゲンである。
さすがにトランクはミニマム。でもこのクルマでの使用中に困った思い出は無い。全部リアシートに押し込んでしまったからだ!
<内装>
ダサいと言われるドイツだが、この車の本国仕様などを見ると、結構面白い柄があったりする。価格帯を考えれば当たり前だが、しっかりと出来ている内装にはフォルクスワーゲンのポリシーを感じ、共感出来る。またコストとお洒落を融合させた鉄板の見える内装は、ニュービートルをイメージさせており、コストダウンを感じさせない。この方式はその後、他社の低価格車両を追従させたほどだ。
トランクはミニマムなものの、FFなので全然積めない事は無い。リアシートを倒せばそれなりに荷物は詰める。しかし家族持ちや、距離を乗る方には、ポロ以上の車種を強くお勧めする。
<試乗結論>
VWが1969年の初代ゴルフプロトタイプEA276(FF仕様)を製作したが、その車にそっくりな所があり驚いた(2000年に乗車経験あり)。色気が無いが、それでもワーゲン色が強い車だ。その生い立ち、そして歴史的にもAセグメントが不安定な頃に設計されたので、日本ではその存在意義がわかり難い状態だったようだが、大変真面目に作ってある。
この車の使い方は、完全なサードカーであり、街中でのお買い物や、企業の営業連絡車としての扱いがふさわしい。素晴らしいのは、そういったシティーユースなコンセプトであっても、高速安定性に全く問題が無い事だ。初期のスマートなど、真っ直ぐ走る事は大変難しかった(現在はサスペンションが変更されているが・・・)
割り切って乗るにはこれ以上の車は無いのではないだろうか?
唯一惜しいのはその価格設定かもしれない。120万円程度なら最高の足車や小型外車のエントリーカーになれたのに。
元々無機質なセカンドカーなので、日本でも販売されている純正オプションのエアロキットなどで飾り付けると可愛さは倍増。オーナーのオリジナリティーを追求出来る面白さがある。
<END>
残念ながらルポの生産は終了した(日本仕様は2005年中で販売終了予定)。さすがに高額な価格設定がドイツでは競争力を無くしてしまったのだ。しかし、この車の功績は大きい。フォルクスワーゲン車は、いつも時代の先端に居ることを久々に痛感させられるモデルだった。
良く最新モデルFOX(ブラジルVW社企画、2005年ドイツ発売)が後継車と言われているが、企画コンセプトが全然違うのでご注意を。FOXは同じシティーコミューターでも「安全かつ格安」という形容詞がドイツでは付く。さすがにAT車が無いので輸入は未定だそうだが、AT車やGTI仕様が作られない限り、日本でのFOX輸入は考えた方が良いだろう。クルマ的には最高だが、日本人には勘違いされる可能性があるからだ。
※この文章は2003年に書き2005年8月に加筆修正して掲載。ネット上では初公開。
した。あくまで中澤が見て触れて感じた事を書いています。
<総括>
Car: ルポ1.4(ベースモデル&コンフォート)GH-6XBBY
Year: 1999-2005(日本仕様は2001年から)
Good : 小さくても安全なボディー。
Bad : 割高な価格。内外装のカラーチョイスの少なさ。
Total: ★★★★★★☆☆☆☆6点(10点満点) ※価格が星を落とした!
Comment: 本当の意味での現代版シティーコミューターのはしり。
5人乗れる事や、VWレーベルという安心感がある。
高速も全く問題無いが、長距離はあまりお勧めしない。
残念ながら今年生産を終了し、日本も06年モデル(2005年後期)販売で終了。
<誕生秘話>
この車の誕生についてはあまり語られていない。しいて言えばヨーロッパの「Aセグメント」の為に作られ、アウディーグループのセアト・アローザと完全な兄弟車という事のみだ(アローザが先にデビュー)。しかし、ドイツの有識者によればこの車の生い立ちは、10年以上前に「ヨーロッパのシティーコミューターとして超小型サイズでで安全な乗合自動車的コンセプト」として企画されたという。それと共に某企業とのコラボレーションも考えられていたとか。しかし、このポロベースに作られた超小型モデルも、企画立案した某企業が、あまりのコスト高と、何の前ぶれも無く手を引いてしまったので、立ち消えになりそうになり、落胆(一部では激怒という噂)したVW社のピエヒ元会長が、復活させたのだという。
その後、手を引いた某企業はダイムラークライスラー社と手を組み「スマート社」を立ち上げ、企画・立案・製造を行なうが、「こんなに自動車を作る事に金がかかるとは思わなかった」という名言を残し、某社は持ち株を売却し自動車業界から、元々の時計業界へ戻っていったという。
要するにこの「ルポ」こそが初期のスマートだったと考えれば、この車の長所が良く分るのだ。但し、初期のアイディアから大幅に変わり完全な5シーターになっている。1999年ドイツ発売、2001年日本正式発売。
<試乗記>
荒っぽく書けばポロのシャシーを切って作ったモデルである。最初から新型シャシーを設計したのではなく、手元にある部品を利用して作られたので、ある意味オーバークオリティーな面と、そうでない所の混在した、多少アンバランスな面を持つ面白い車である。ドイツ情報が正しければ、欧州で販売されている日本の軽自動車(輸出仕様は800~1000ccが主流)と比較すれば判り易いようだ。
ナチュラルなハンドリングはVWそのもの。セアト・アローザも殆ど同じだ。1.4リッターは日本の道路では十分だが、一部オーナーからは「日本の軽自動車はもっと少ない排気量で結構走りますよ」と言われた事がある。ドイツの車はアウトバーンでの走行も考えているので排気量が大きい方が燃費も良く安定している。確かに本国にはもっと小さいエンジンもあるが、エアコンからパワーウインドー、そしてATミッションを持つこの日本仕様車に1.4リッターは大変妥当な考えだと思う。定員は5名だが、現実は大人2~3名くらいが丁度良いと思う。
この車で山道のコーナーを普通に走っても怖く無いが、お買い物専用車としての走りは高得点をあげたいと思う。
追記>特殊モデル「ルポ3L」(日本には輸入元がメディアテスト用に数台輸入)は、完全に燃費重視のモデル。シフトスケジュールからエアコンの効きまで、日本には適さないという。
<リアシートインプレッション>
企画初期の段階では、リアシートはもっとテンポラリーな物だったらしいが、フォルクスワーゲン社が自社ブランドで販売する事が決定後、安全性を考慮に入れ、再設計されたと言う。
日本人の大人でもリアシートに3人乗るのは辛そうだが、それでも移動だけなら問題ない。ましてや子供だったら全然問題無いだろう。この辺の考え方はさすがにフォルクスワーゲンである。
さすがにトランクはミニマム。でもこのクルマでの使用中に困った思い出は無い。全部リアシートに押し込んでしまったからだ!
<内装>
ダサいと言われるドイツだが、この車の本国仕様などを見ると、結構面白い柄があったりする。価格帯を考えれば当たり前だが、しっかりと出来ている内装にはフォルクスワーゲンのポリシーを感じ、共感出来る。またコストとお洒落を融合させた鉄板の見える内装は、ニュービートルをイメージさせており、コストダウンを感じさせない。この方式はその後、他社の低価格車両を追従させたほどだ。
トランクはミニマムなものの、FFなので全然積めない事は無い。リアシートを倒せばそれなりに荷物は詰める。しかし家族持ちや、距離を乗る方には、ポロ以上の車種を強くお勧めする。
<試乗結論>
VWが1969年の初代ゴルフプロトタイプEA276(FF仕様)を製作したが、その車にそっくりな所があり驚いた(2000年に乗車経験あり)。色気が無いが、それでもワーゲン色が強い車だ。その生い立ち、そして歴史的にもAセグメントが不安定な頃に設計されたので、日本ではその存在意義がわかり難い状態だったようだが、大変真面目に作ってある。
この車の使い方は、完全なサードカーであり、街中でのお買い物や、企業の営業連絡車としての扱いがふさわしい。素晴らしいのは、そういったシティーユースなコンセプトであっても、高速安定性に全く問題が無い事だ。初期のスマートなど、真っ直ぐ走る事は大変難しかった(現在はサスペンションが変更されているが・・・)
割り切って乗るにはこれ以上の車は無いのではないだろうか?
唯一惜しいのはその価格設定かもしれない。120万円程度なら最高の足車や小型外車のエントリーカーになれたのに。
元々無機質なセカンドカーなので、日本でも販売されている純正オプションのエアロキットなどで飾り付けると可愛さは倍増。オーナーのオリジナリティーを追求出来る面白さがある。
<END>
残念ながらルポの生産は終了した(日本仕様は2005年中で販売終了予定)。さすがに高額な価格設定がドイツでは競争力を無くしてしまったのだ。しかし、この車の功績は大きい。フォルクスワーゲン車は、いつも時代の先端に居ることを久々に痛感させられるモデルだった。
良く最新モデルFOX(ブラジルVW社企画、2005年ドイツ発売)が後継車と言われているが、企画コンセプトが全然違うのでご注意を。FOXは同じシティーコミューターでも「安全かつ格安」という形容詞がドイツでは付く。さすがにAT車が無いので輸入は未定だそうだが、AT車やGTI仕様が作られない限り、日本でのFOX輸入は考えた方が良いだろう。クルマ的には最高だが、日本人には勘違いされる可能性があるからだ。
※この文章は2003年に書き2005年8月に加筆修正して掲載。ネット上では初公開。
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