フォルクスワーゲン・アウディーを中心に車に魅せられた中澤寛のホンネワールド!
僕の心の中をちょっと見せちゃう?!
横浜のノンビリ社長ブログ---My private time(Blog)
新型ゴルフ:7 世代目に突入 (5)

新型ゴルフ:イノベーション
安全性をさらに高めた新しいドライバー支援システム
マルチコリジョンブレーキを採用した最初のフォルクスワーゲン
標準装備のマルチコリジョン ブレーキにより二次衝突の被害を低減
プロアクティブ乗員保護システムとプログレッシブ ステアリング
ウォルフスブルグ/パリ、2012 年9 月
新型ゴルフは、コンパクトクラスにおいて、快適性と安全性が明確に向上しているにもかかわらず、最大100kg もの重量削減を実現した最初のモデルです。この事実は、フォルクスワーゲンが先進的な自動車の大量生産という取り組みに成功していることの、何よりの証でしょう。同時に、このモデルに採用された数々の新テクノロジーは、コンパクトクラスにおけるフォルクスワーゲンの技術革新力を表しています。新型ゴルフにおいて、そうしたテクノロジーは、かつてない程に人々にとって身近なものとなりました。
新しいシステム:さらに向上した安全性と利便性
新型ゴルフに採用された新しいドライバー支援機構には、マルチコリジョンブレーキ(フォルクスワーゲングループは、コンパクトカーにこうしたシステムを標準で搭載した世界で唯一の自動車メーカーです)、プロアクティブ乗員保護システム、標準装備化されたXDS エレクトロニック ディファレンシャル ロック(先代のゴルフGTI に採用されていたものと同様)、フロントアシストとシティエマージェンシーブレーキの機能をプラスしたACC アダプティブ クルーズコントロール、車線維持支援機構の「レーンアシスト」、疲労検知システム、交通標識認識システム、OPS(360 度ディスプレー)を含めた最新世代の自動駐車支援システムである「パークアシスト」、自動照明機構の「ライトアシスト」および「ダイナミック ライトアシスト」などが含まれます。そのほか、プログレッシブ ステアリング(クルマの運動性能と快適性をともに向上させる)、5 つのモード(「エコ」、「スポーツ」、「ノーマル」、「インディビデュアル」、およびDCCとの組み合わせによる「コンフォート」)が設定されたドライビング プロファイル選択システム、電動パーキングブレーキ、新開発のエルゴノミック スポーツシート(「エルゴアクティブ シート」)、ディーゼル車への間違った燃料補給を防ぐためのガード機構、このセグメントでは初採用となる耐候フロントウインドー、新世代の情報&エンターテイメント システム、といった新しいテクノロジーも用意されています。
ドライバー支援機構:オートマチック プロテクション
マルチコリジョン ブレーキシステム
新型ゴルフに搭載された革新的な機構のひとつが、ドイツ自動車連盟(ADAC)によるセーフティ イノベーション アワードを受賞したマルチコリジョン ブレーキシステムです。このメカニズムが誕生した背景には、実際の事故に関する調査結果がありました。それによれば、人身に関る交通事故の4 分の1 が、多重衝突を伴っていたのです。それは、最初の衝突の後に、2 番目の衝撃が発生することを意味しています。
マルチコリジョン ブレーキシステムは、万一事故に巻き込まれた場合、クルマに自動的にブレーキをかけて、残存する慣性エネルギーを大幅に減少させる仕組みです。マルチコリジョン ブレーキシステムの発動は、エアバッグセンサーによって検知された最初の衝突が引き金となります。また、マルチコリジョンブレーキシステムによるクルマへの制動は、ESC のコントロールユニットにより、最大減速度0.6G 以内に制限されています。
ドライバーはこのマルチコリジョン ブレーキの作動をいつでも「オーバーライド」(ほかの操作をすることで解除)することができます。例えば、もしシステムが、ドライバーが加速しようとしていることを認識すれば、ブレーキは即座に解除されます。ドライバーが、さらに大きな減速を生み出すようなハードブレーキングを行った場合にも、自動ブレーキは作動を中断します。マルチコリジョン ブレーキシステムは、最終的に車速が10km/h になるまで、クルマにブレーキをかけ続けます。この速度であれば、ブレーキングプロセスの後、ステアリング操作によりクルマを安全な場所に導くことができるからです。
プロアクティブ乗員保護システム
プロアクティブ乗員保護システムは、プレミアムクラスからコンパクトクラスに移転されたテクノロジーの典型例のひとつです。フォルクスワーゲンは最初、このプロアクティブ乗員保護システムを、トゥアレグで具現化しました。それを今回、ゴルフにも採用したのです。その結果ゴルフは、こうした乗員保護システムを搭載する、このクラスでは世界でも数少ないクルマの1 台となりました。
もし、プロアクティブ乗員防御システムが、ブレーキアシスタンスが発動するような急ブレーキなどにより事故に陥る危険を検知すると、ドライバーと助手席乗員のシートベルトが自動的にテンションを高めて、その後のエアバッグやベルトシステムによる乗員保護の効果を最善のものにします。もし、ESC が介入するような厳しいオーバーステアやアンダーステアなど、きわめて危機的で不安定な運転状況が検知された場合には、サイドウインドー(わずかな隙間を残して)とサンルーフが自動的に閉じられます。これは、
ヘッドおよびサイドエアバッグが最適な働きをするための処置であり、ウインドーとサンルーフがほぼ完全に閉じられることで、その効果も最良のものになります。
アダプティブ クルーズコントロール
これまで、アダプティブ クルーズコントロール(ACC)が設定されていたのは、フォルクスワーゲンCC やフェートンといった上級セグメントのクルマだけでした。それが今回、新型ゴルフにより、コンパクトクラスでも選択できるようになりました。このシステムは、クルマのフロント部分に設置されたレーダーセンサーを利用しています。ACC が作動するのは、マニュアル仕様のゴルフでは車速が30~160km/h のあいだで、DSG(デュアルクラッチ ギアボックス)搭載のゴルフでは、0~160km/h までです。DSG 仕様の場合
には、ACC により、状況に応じてクルマは停止するまで減速され、交通が流れ出すとふたたび動き出します。ACC は、あらかじめ選択された車速と車間距離を維持し、交通の流れに応じて自動的にブレーキングや加速を行います。システムの働きは、新型ゴルフにオプション設定されたドライビング プロファイル選択システムにより、ドライビングモードを選択することで、任意に変えることができます。
フロントアシスト
フロントアシストは、ACC と同様に、クルマのフロント部分に設置されたレーダーセンサーを利用して、前方の車両などとの距離を常時モニタリングします。たとえACC をスイッチオフにしている場合でも、フロントアシストは、危機的な状況において、ブレーキシステムの対応を準備し、視覚的なサインとチャイムで危険を警告して対応を促すことで、ドライバーをサポートします。警告時に、もしドライバーのブレーキの踏み方が不十分であった場合、衝突を避けるためにシステムが自動的に介入して、最大限のブレーキングを行ないます。もしドライバーが何の対応も取らなかった場合には、フロントアシストが自動的にクルマを減速させ、衝突時のスピードが最小になるようにします。システムはまた、クルマが前方の車両と近づきすぎているような場合にも、警告を発してドライバーをサポートします。新採用のシティ エマージェンシー ブレーキも、このフロントアシストの機能のひとつになっています。
シティ エマージェンシー ブレーキ
ゴルフ シリーズに初めて設定されたシティ エマージェンシー ブレーキは、フロントアシストから拡張された機構のひとつであり、レーダーセンサーを使って、クルマの直前のエリアを監視するシステムです。
このシステムが作動するのは、車速が30km/h 未満の場合です。もしクルマが前方を走行中もしくは停止した車両と衝突する危険が発生し、ドライバーがそれへの対応を怠った場合、フロントアシストと同じように、ブレーキシステムが緊急対応の準備をします。必要ならば、シティ エマージェンシー ブレーキは、衝突の衝撃を和らげるために、フルブレーキを介入させます。さらに、もしドライバーがブレーキを踏み、しかしそのペダルの踏み込みが十分でなかった場合にも、システムが介入して、ブレーキ圧を最大限にします。
ドライバー疲労検知システム“Fatigue Detection System”
現行パサートで最初に導入されたこのシステムは、ドライバーの集中力の衰えを検知して、5 秒間続くチャイムにより、ドライバーに警告を与えます。同時に、メーターパネルにも視覚的なメッセージが表示され、ドライバーに休憩を取るようアドバイスします。もしその後、15 分以内にドライバーが休憩を取らなかった場合には、警告を再度行います。運転をスタートした最初のころに、システムはドライバーのステアリング操作の傾向など、幾つかのポイントについて分析を行います。ドライブ旅行中、疲労検知システムは、常時ステアリング アングルなどの信号をチェックしています。もし、モニタリングされたパラメーターのどれかが、最初に記録されたステアリング操作の傾向から逸脱し始めたと判断された場合、前述の視覚的サインおよび警告チャイムが発せられることになります。
レーンアシスト
新型ゴルフにおいて、このカメラを使った、ステアリングへの介入を伴う車線維持アシスト機構は、アダプティブ レーン トラッキングという、拡張された機能まで備えることになりました。ゴルフとしては初採用となるこのシステムでは、ドライバーが望めば、より便利で快適な、連続的なトラッキング サポートも得ることができます。さらに必要な場合、レーンアシストは、ドライバーのステアリング操作も修正してくれます。
ドライバーがウインカーでサインを出すことなしに、車線を逸脱しようとしたり、また車線のラインを跨いだりした場合には、システムが穏やかにステアリングに介入して、クルマを元の車線に戻します。
コンビニエンス システム:ステアリング、ブレーキ、ヘッドライト関連
プログレッシブ ステアリング
従来型のステアリング システムは、一定のギア比で作動します。しかし、ゴルフに新しくオプション設定されるステアリング システムは累進的なギア比を採用しています。このシステムは、切り返しや車庫入れ時のステアリング操作の負担を大きく軽減します。曲がりくねった郊外の道を走る時や右左折時、ドライバーはよりダイレクトなギアリングによる動的性能の向上を実感することができるでしょう。またハンドルの回転数も少なくてすみます。
プログレッシブ ステアリングと従来型のステアリング システムとの技術的な違いは、ラック&ピニオンのツース(歯)間隔が一定でないことと、よりパワフルな電気モーターの採用にあります。固定されたステアリング比は、つねに動的性能と快適性の妥協点に設定されますが、プログレッシブ ステアリングの場合、ステアリング ラックのツース間隔がステアリング ストロークに従って変化します。ミッドレンジにおける直進性重視の間接的なステアリング挙動と、より大きなステアリング角度を入力する場合のダイレクトなステアリング挙動との間の移行が累進的になるように設計されています。その結果、ダイナミックな走行状況においては、より俊敏なステアリング挙動が実現します。切り返しを伴う駐車作業においては、以前ほどハンドルを回す必要がなくなるため、快適性が向上します。
可変比率は、油圧ステアリング システムにおいては長い歴史があります。しかし、移行時のステアリング挙動によってドライバーの負担が増えないようにステアリング システムを調整することは、きわめて困難です。ゴルフに採用されるプログレッシブ ステアリング システムでは、状況はまったく異なります。新型ゴルフでは、ステアリング ラックの累進的なステアリング レシオと電動パワーステアリング システムの調整が体系的に実施されたため、スポーティでありながらも日常走行における実用性を損なわない、
最適なステアリング挙動が実現しています。
電気式パーキングブレーキ
パサートやティグアンといったより大型のフォルクスワーゲンに乗るドライバーにとって、電動パーキングブレーキはすでに当然の存在となっています。そして今年、このパーキングブレーキは、ゴルフにも搭載されます。従来のパーキングブレーキ レバーの替わりに、センター コンソールにメインコントロール スイッチとオートホールド スイッチが設置されます。電動パーキングブレーキは数多くの利点を備えています。従来型のパーキングブレーキ レバーがないのでセンター コンソールにスペースが増えることもそ
の1 つです。発進時に、ブレーキは自動で解除されますので、坂道発進も簡単です。また、オートホールド機能は停車状態からクルマが動き出してしまうことを防止します。
ダイナミック ライトアシスト
フロントウインドーに設置されたカメラを経由して、システムが前方および対向車の交通の流れを分析します。そのデータを活用し、ハイビームは車速が65km/h 以上となったときに自動点灯します。ダイナミック ライトアシストの作動は、簡単に解説すると以下のとおりです。カメラが取得した情報により、他の道路ユーザーにとって迷惑になると判断された場合、システムはバイキセノン ヘッドライトのハイビームモジュールを覆い、ダイナミック コーナリングライトのみを点灯させます。これは、キセノン フィラメントのリフレクターとレンズ間に設置された、開口部を備えたマスキングを回転させることで実現しています。ヘッドライトのモジュール全体も水平方向に回転し、左右を別個にコントロール可能です。さらに、マスキング開口部のジオメトリーは、先行車両や対向車に眩惑を起こす可能性があると判断された場合、光源を覆うように設計されています。
ライトアシスト
ダイナミック コーナリングライトを搭載しないモデルには、オートマチック ハイビーム アシスタントが設定されています。ライトアシストは、フロントウインドーに設置されたカメラによって先行車両や対向車の状態を分析、ハイビームのオン/オフをコントロールします(車速65km/h 以上)。
交通標識認識機能
この機能は、フェートンに搭載されてデビューを飾りました。新型ゴルフでは、衛星ナビゲーション システムとの組み合わせで提供されます。フロントウインドーのルームミラー近傍に設置されたカメラが速度制限や追い越し禁止の標識を捉えると、それらの標識をドライバー前方のインストルメントパネルおよびナビゲーション システムのディスプレー上に最大3 種類まで表示します。それには追加情報も含まれ、論理的な順番で表示されます。つねに適用される制限(たとえば制限速度130km/h)が最初に表示され、限定的な場合にのみ適用される標識(たとえば雨天時に80km/h)は2 番目以降に回されます。レインセンサーが降雨を検出した場合、その順番は入れ替えられ、「雨天時の制限」が最初に表示されます。
パークアシスト2.0 (駐車支援システム Park Assist)
パーキングアシスタンス システムの最新バージョンは、道路と並行に停めるだけでなく、直角にバックで駐車する場合にも対応できるようになりました。パークアシスト2.0 はまた、ブレーキおよびパーキングスペースからの出発機能も備えています。このシステムは、最高40km/hで走行している場合、センター コンソールに設置された専用ボタンを押すことで起動します。ドライバーは、インジケーターを使用して駐車するサイドを決定します。パークアシストが超音波センサーを活用して駐車スペースを発見した場合(余
裕は前後それぞれ40cm ずつあれば十分です)、アシスト機能が起動します。ギアをリバースに入れたら、ドライバーはアクセルとブレーキを操作するだけで、クルマが自動的にステアリング操作を行います。ドライバーを支援するのは、マルチファンクション ディスプレーが発する警報音と視覚情報です。もし衝突が起こりそうな場合、システムは自発的に制動も行います。
※2012年9月27日のパリモーターショーで一般公開されたゴルフ7シリーズの日本語版公式資料を分割掲載。
画像などは再構成しています。
安全性をさらに高めた新しいドライバー支援システム
マルチコリジョンブレーキを採用した最初のフォルクスワーゲン
標準装備のマルチコリジョン ブレーキにより二次衝突の被害を低減
プロアクティブ乗員保護システムとプログレッシブ ステアリング
ウォルフスブルグ/パリ、2012 年9 月
新型ゴルフは、コンパクトクラスにおいて、快適性と安全性が明確に向上しているにもかかわらず、最大100kg もの重量削減を実現した最初のモデルです。この事実は、フォルクスワーゲンが先進的な自動車の大量生産という取り組みに成功していることの、何よりの証でしょう。同時に、このモデルに採用された数々の新テクノロジーは、コンパクトクラスにおけるフォルクスワーゲンの技術革新力を表しています。新型ゴルフにおいて、そうしたテクノロジーは、かつてない程に人々にとって身近なものとなりました。
新しいシステム:さらに向上した安全性と利便性
新型ゴルフに採用された新しいドライバー支援機構には、マルチコリジョンブレーキ(フォルクスワーゲングループは、コンパクトカーにこうしたシステムを標準で搭載した世界で唯一の自動車メーカーです)、プロアクティブ乗員保護システム、標準装備化されたXDS エレクトロニック ディファレンシャル ロック(先代のゴルフGTI に採用されていたものと同様)、フロントアシストとシティエマージェンシーブレーキの機能をプラスしたACC アダプティブ クルーズコントロール、車線維持支援機構の「レーンアシスト」、疲労検知システム、交通標識認識システム、OPS(360 度ディスプレー)を含めた最新世代の自動駐車支援システムである「パークアシスト」、自動照明機構の「ライトアシスト」および「ダイナミック ライトアシスト」などが含まれます。そのほか、プログレッシブ ステアリング(クルマの運動性能と快適性をともに向上させる)、5 つのモード(「エコ」、「スポーツ」、「ノーマル」、「インディビデュアル」、およびDCCとの組み合わせによる「コンフォート」)が設定されたドライビング プロファイル選択システム、電動パーキングブレーキ、新開発のエルゴノミック スポーツシート(「エルゴアクティブ シート」)、ディーゼル車への間違った燃料補給を防ぐためのガード機構、このセグメントでは初採用となる耐候フロントウインドー、新世代の情報&エンターテイメント システム、といった新しいテクノロジーも用意されています。
ドライバー支援機構:オートマチック プロテクション
マルチコリジョン ブレーキシステム
新型ゴルフに搭載された革新的な機構のひとつが、ドイツ自動車連盟(ADAC)によるセーフティ イノベーション アワードを受賞したマルチコリジョン ブレーキシステムです。このメカニズムが誕生した背景には、実際の事故に関する調査結果がありました。それによれば、人身に関る交通事故の4 分の1 が、多重衝突を伴っていたのです。それは、最初の衝突の後に、2 番目の衝撃が発生することを意味しています。
マルチコリジョン ブレーキシステムは、万一事故に巻き込まれた場合、クルマに自動的にブレーキをかけて、残存する慣性エネルギーを大幅に減少させる仕組みです。マルチコリジョン ブレーキシステムの発動は、エアバッグセンサーによって検知された最初の衝突が引き金となります。また、マルチコリジョンブレーキシステムによるクルマへの制動は、ESC のコントロールユニットにより、最大減速度0.6G 以内に制限されています。
ドライバーはこのマルチコリジョン ブレーキの作動をいつでも「オーバーライド」(ほかの操作をすることで解除)することができます。例えば、もしシステムが、ドライバーが加速しようとしていることを認識すれば、ブレーキは即座に解除されます。ドライバーが、さらに大きな減速を生み出すようなハードブレーキングを行った場合にも、自動ブレーキは作動を中断します。マルチコリジョン ブレーキシステムは、最終的に車速が10km/h になるまで、クルマにブレーキをかけ続けます。この速度であれば、ブレーキングプロセスの後、ステアリング操作によりクルマを安全な場所に導くことができるからです。
プロアクティブ乗員保護システム
プロアクティブ乗員保護システムは、プレミアムクラスからコンパクトクラスに移転されたテクノロジーの典型例のひとつです。フォルクスワーゲンは最初、このプロアクティブ乗員保護システムを、トゥアレグで具現化しました。それを今回、ゴルフにも採用したのです。その結果ゴルフは、こうした乗員保護システムを搭載する、このクラスでは世界でも数少ないクルマの1 台となりました。
もし、プロアクティブ乗員防御システムが、ブレーキアシスタンスが発動するような急ブレーキなどにより事故に陥る危険を検知すると、ドライバーと助手席乗員のシートベルトが自動的にテンションを高めて、その後のエアバッグやベルトシステムによる乗員保護の効果を最善のものにします。もし、ESC が介入するような厳しいオーバーステアやアンダーステアなど、きわめて危機的で不安定な運転状況が検知された場合には、サイドウインドー(わずかな隙間を残して)とサンルーフが自動的に閉じられます。これは、
ヘッドおよびサイドエアバッグが最適な働きをするための処置であり、ウインドーとサンルーフがほぼ完全に閉じられることで、その効果も最良のものになります。
アダプティブ クルーズコントロール
これまで、アダプティブ クルーズコントロール(ACC)が設定されていたのは、フォルクスワーゲンCC やフェートンといった上級セグメントのクルマだけでした。それが今回、新型ゴルフにより、コンパクトクラスでも選択できるようになりました。このシステムは、クルマのフロント部分に設置されたレーダーセンサーを利用しています。ACC が作動するのは、マニュアル仕様のゴルフでは車速が30~160km/h のあいだで、DSG(デュアルクラッチ ギアボックス)搭載のゴルフでは、0~160km/h までです。DSG 仕様の場合
には、ACC により、状況に応じてクルマは停止するまで減速され、交通が流れ出すとふたたび動き出します。ACC は、あらかじめ選択された車速と車間距離を維持し、交通の流れに応じて自動的にブレーキングや加速を行います。システムの働きは、新型ゴルフにオプション設定されたドライビング プロファイル選択システムにより、ドライビングモードを選択することで、任意に変えることができます。
フロントアシスト
フロントアシストは、ACC と同様に、クルマのフロント部分に設置されたレーダーセンサーを利用して、前方の車両などとの距離を常時モニタリングします。たとえACC をスイッチオフにしている場合でも、フロントアシストは、危機的な状況において、ブレーキシステムの対応を準備し、視覚的なサインとチャイムで危険を警告して対応を促すことで、ドライバーをサポートします。警告時に、もしドライバーのブレーキの踏み方が不十分であった場合、衝突を避けるためにシステムが自動的に介入して、最大限のブレーキングを行ないます。もしドライバーが何の対応も取らなかった場合には、フロントアシストが自動的にクルマを減速させ、衝突時のスピードが最小になるようにします。システムはまた、クルマが前方の車両と近づきすぎているような場合にも、警告を発してドライバーをサポートします。新採用のシティ エマージェンシー ブレーキも、このフロントアシストの機能のひとつになっています。
シティ エマージェンシー ブレーキ
ゴルフ シリーズに初めて設定されたシティ エマージェンシー ブレーキは、フロントアシストから拡張された機構のひとつであり、レーダーセンサーを使って、クルマの直前のエリアを監視するシステムです。
このシステムが作動するのは、車速が30km/h 未満の場合です。もしクルマが前方を走行中もしくは停止した車両と衝突する危険が発生し、ドライバーがそれへの対応を怠った場合、フロントアシストと同じように、ブレーキシステムが緊急対応の準備をします。必要ならば、シティ エマージェンシー ブレーキは、衝突の衝撃を和らげるために、フルブレーキを介入させます。さらに、もしドライバーがブレーキを踏み、しかしそのペダルの踏み込みが十分でなかった場合にも、システムが介入して、ブレーキ圧を最大限にします。
ドライバー疲労検知システム“Fatigue Detection System”
現行パサートで最初に導入されたこのシステムは、ドライバーの集中力の衰えを検知して、5 秒間続くチャイムにより、ドライバーに警告を与えます。同時に、メーターパネルにも視覚的なメッセージが表示され、ドライバーに休憩を取るようアドバイスします。もしその後、15 分以内にドライバーが休憩を取らなかった場合には、警告を再度行います。運転をスタートした最初のころに、システムはドライバーのステアリング操作の傾向など、幾つかのポイントについて分析を行います。ドライブ旅行中、疲労検知システムは、常時ステアリング アングルなどの信号をチェックしています。もし、モニタリングされたパラメーターのどれかが、最初に記録されたステアリング操作の傾向から逸脱し始めたと判断された場合、前述の視覚的サインおよび警告チャイムが発せられることになります。
レーンアシスト
新型ゴルフにおいて、このカメラを使った、ステアリングへの介入を伴う車線維持アシスト機構は、アダプティブ レーン トラッキングという、拡張された機能まで備えることになりました。ゴルフとしては初採用となるこのシステムでは、ドライバーが望めば、より便利で快適な、連続的なトラッキング サポートも得ることができます。さらに必要な場合、レーンアシストは、ドライバーのステアリング操作も修正してくれます。
ドライバーがウインカーでサインを出すことなしに、車線を逸脱しようとしたり、また車線のラインを跨いだりした場合には、システムが穏やかにステアリングに介入して、クルマを元の車線に戻します。
コンビニエンス システム:ステアリング、ブレーキ、ヘッドライト関連
プログレッシブ ステアリング
従来型のステアリング システムは、一定のギア比で作動します。しかし、ゴルフに新しくオプション設定されるステアリング システムは累進的なギア比を採用しています。このシステムは、切り返しや車庫入れ時のステアリング操作の負担を大きく軽減します。曲がりくねった郊外の道を走る時や右左折時、ドライバーはよりダイレクトなギアリングによる動的性能の向上を実感することができるでしょう。またハンドルの回転数も少なくてすみます。
プログレッシブ ステアリングと従来型のステアリング システムとの技術的な違いは、ラック&ピニオンのツース(歯)間隔が一定でないことと、よりパワフルな電気モーターの採用にあります。固定されたステアリング比は、つねに動的性能と快適性の妥協点に設定されますが、プログレッシブ ステアリングの場合、ステアリング ラックのツース間隔がステアリング ストロークに従って変化します。ミッドレンジにおける直進性重視の間接的なステアリング挙動と、より大きなステアリング角度を入力する場合のダイレクトなステアリング挙動との間の移行が累進的になるように設計されています。その結果、ダイナミックな走行状況においては、より俊敏なステアリング挙動が実現します。切り返しを伴う駐車作業においては、以前ほどハンドルを回す必要がなくなるため、快適性が向上します。
可変比率は、油圧ステアリング システムにおいては長い歴史があります。しかし、移行時のステアリング挙動によってドライバーの負担が増えないようにステアリング システムを調整することは、きわめて困難です。ゴルフに採用されるプログレッシブ ステアリング システムでは、状況はまったく異なります。新型ゴルフでは、ステアリング ラックの累進的なステアリング レシオと電動パワーステアリング システムの調整が体系的に実施されたため、スポーティでありながらも日常走行における実用性を損なわない、
最適なステアリング挙動が実現しています。
電気式パーキングブレーキ
パサートやティグアンといったより大型のフォルクスワーゲンに乗るドライバーにとって、電動パーキングブレーキはすでに当然の存在となっています。そして今年、このパーキングブレーキは、ゴルフにも搭載されます。従来のパーキングブレーキ レバーの替わりに、センター コンソールにメインコントロール スイッチとオートホールド スイッチが設置されます。電動パーキングブレーキは数多くの利点を備えています。従来型のパーキングブレーキ レバーがないのでセンター コンソールにスペースが増えることもそ
の1 つです。発進時に、ブレーキは自動で解除されますので、坂道発進も簡単です。また、オートホールド機能は停車状態からクルマが動き出してしまうことを防止します。
ダイナミック ライトアシスト
フロントウインドーに設置されたカメラを経由して、システムが前方および対向車の交通の流れを分析します。そのデータを活用し、ハイビームは車速が65km/h 以上となったときに自動点灯します。ダイナミック ライトアシストの作動は、簡単に解説すると以下のとおりです。カメラが取得した情報により、他の道路ユーザーにとって迷惑になると判断された場合、システムはバイキセノン ヘッドライトのハイビームモジュールを覆い、ダイナミック コーナリングライトのみを点灯させます。これは、キセノン フィラメントのリフレクターとレンズ間に設置された、開口部を備えたマスキングを回転させることで実現しています。ヘッドライトのモジュール全体も水平方向に回転し、左右を別個にコントロール可能です。さらに、マスキング開口部のジオメトリーは、先行車両や対向車に眩惑を起こす可能性があると判断された場合、光源を覆うように設計されています。
ライトアシスト
ダイナミック コーナリングライトを搭載しないモデルには、オートマチック ハイビーム アシスタントが設定されています。ライトアシストは、フロントウインドーに設置されたカメラによって先行車両や対向車の状態を分析、ハイビームのオン/オフをコントロールします(車速65km/h 以上)。
交通標識認識機能
この機能は、フェートンに搭載されてデビューを飾りました。新型ゴルフでは、衛星ナビゲーション システムとの組み合わせで提供されます。フロントウインドーのルームミラー近傍に設置されたカメラが速度制限や追い越し禁止の標識を捉えると、それらの標識をドライバー前方のインストルメントパネルおよびナビゲーション システムのディスプレー上に最大3 種類まで表示します。それには追加情報も含まれ、論理的な順番で表示されます。つねに適用される制限(たとえば制限速度130km/h)が最初に表示され、限定的な場合にのみ適用される標識(たとえば雨天時に80km/h)は2 番目以降に回されます。レインセンサーが降雨を検出した場合、その順番は入れ替えられ、「雨天時の制限」が最初に表示されます。
パークアシスト2.0 (駐車支援システム Park Assist)
パーキングアシスタンス システムの最新バージョンは、道路と並行に停めるだけでなく、直角にバックで駐車する場合にも対応できるようになりました。パークアシスト2.0 はまた、ブレーキおよびパーキングスペースからの出発機能も備えています。このシステムは、最高40km/hで走行している場合、センター コンソールに設置された専用ボタンを押すことで起動します。ドライバーは、インジケーターを使用して駐車するサイドを決定します。パークアシストが超音波センサーを活用して駐車スペースを発見した場合(余
裕は前後それぞれ40cm ずつあれば十分です)、アシスト機能が起動します。ギアをリバースに入れたら、ドライバーはアクセルとブレーキを操作するだけで、クルマが自動的にステアリング操作を行います。ドライバーを支援するのは、マルチファンクション ディスプレーが発する警報音と視覚情報です。もし衝突が起こりそうな場合、システムは自発的に制動も行います。
※2012年9月27日のパリモーターショーで一般公開されたゴルフ7シリーズの日本語版公式資料を分割掲載。
画像などは再構成しています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 新型ゴルフ:7... | 新型ゴルフ:7... » |
コメント |
コメントはありません。 |
![]() |
コメントを投稿する |
![]() |
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません |