7月22日日本から来たチングと共に、国立中央博物館へ行ってきました。韓国は2度目
というチング、どこに案内したら喜んでもらえるか・・色々考えて博物館めぐりにしようと
思っていたら、天気予報も丁度雨でした。あわてることも残念がることもなく粛々と想定内
の見学を致しました^^
この博物館正面から見た右側が常設の展示館です。エントランスはそのまま展示棟を
左右に分ける、3階吹き抜けの廊下となって奥まで続きます。左側一番手前の展示室は
古代石器時代から始まります。まずはセオリー通り最初から見ていきます。
興味を惹かれたものは、チングは英語の解説を、私は韓国語の解説をそれぞれ読み
確認し合ったりしながら見ていくうち、彼女の大学時代の専攻が歴史関係だったことも
判明し、こうした遺物を楽しんで見てもらえることが分かりました^^
1階の左側だけで結構時間をとってしまったので、その次は一番見てもらいたかった
仏教美術関係の部屋へ急ぎました。右側3階にあります。
私が敬愛する俳優が美しい生命体と名付け、日本の広隆寺にある弥勒菩薩と合わせ
て3兄弟と称した金銅弥勒菩薩半跏思惟像を、チングに是非見てもらいたかったのです。
ただ単純に美しいものを見せたい思いと、敬愛する人が美しく思うものに共感してほしい
想いと、どうしても欲張ってしまいます^^
2体ある国宝弥勒菩薩のうち、この日は78号が展示されていました。より女性的な
イメージのする方です。この部屋はとりわけ薄暗い照明で、いつ撮ろうとしてもうまく
撮れなかった写真を、今回スマホで撮ってみたらどうにか撮れました^^;
国宝78号金銅弥勒菩薩半跏思惟像(ガラスケースに照明が映り込んでしまっていますがご容赦を!)
ちなみに国宝83号と日本の木造弥勒菩薩もご紹介します。素材の違いはありますが
こちらが日本のものにより酷似していて、兄弟かもしれないという考えに納得できます。
6・7世紀という渡航手段が不自由な時代に、今よりももっと自由でおおらかな交流が
あったはずと想定される兄弟説です。弥勒信仰への期待からこの像が海を越えて、あるいは
日本で作られるきっかけを作ったとしたなら、現代の弥勒は家族が敬愛し期待する彼
その人であることは間違いないでしょう。
国宝83号金銅弥勒菩薩半跏思惟像(ネットから借用した映像です)
日本の国宝第1号木造弥勒菩薩半跏思惟像(ネットから借用した映像です)
とても小さいながら華麗で美しい仏像もあります。
<私の好きな仏像たち>2009年に撮った写真より
金銅仏を作ることができなかった時代にこうした鉄で鋳造された仏像が作られた
そうです。飛鳥寺の仏像に心ひかれる経験をした事があるんですが、その後
韓国を訪れて、博物館で鉄製の仏様たちを見つけた時は、本当に小躍りせん
ばかりに嬉しかったのを覚えています。
展示室に所狭しと展示されたたくさんの像を飽くことなく眺め、私好みの仏様が
いらっしゃらないかと探したりしました。5年前ももう少し多かったような気がします。
鉄製の仏像を現代の人々がありがたがらないのか、今はほんの数体が展示されて
いるだけなのが寂しかったです。