先の報告が失敗談中心だったので、今日は28日の国宝展鑑賞のその他の事について
お話ししたいと思います。
この日ご一緒いただいたのは、ペヨンジュンファンの友人二人(以下ヨン友を省略させて
いただきます)です。ペヨンジュンさんの日本の公式ホームページを通じて、親しくお付き合い
させていただくようになった方々です。
10年を超える年月、出演作は映画・ドラマそれぞれ1本という寡作の俳優、その作品への
登場をひたすら待ち続ける私たち、いつしかヨン友とのお付き合いも、ヨンジュンさんの応援に
劣らず大切なものになっています。
期待に胸を膨らませ出かけた三日ぶりの上野の森、JR公園口からやや右寄りに園内に入ると
西洋美術館がまず目に入ってきました。世界文化遺産入りを目指しているとか、建物として何か
由緒があるのでしょうか、何の情報を持たない私にはわかりませんが、特に印象に残る物にも
見えませんが・・・・。
園内に入りすぐの通路を右に折れて国立博物館の方へ向かうと、たくさんの文化施設があるのに
気がつきました。こうしてみると上野の森って広いですね。少し行くと科学博物館、こんなオブジェ?
を見つけて思わず写しました。甥が幼い自分の娘を連れて上野の科学館へ行って来たと我が家へ
寄った日が思い出されました。その子も来年は大学生です。
科学館の向こうはもう博物館の敷地です。
入口にはミュージアムショップもありました。11時待ち合わせのチケットブースには、既にHさんが
いらしていました。程なくCさんも来られてチケットを購入した後は、観覧の前に食事をしながら
お喋りを楽しむことにしました。場所は土曜と同じコリアンカフェ青鶴洞、Cさんによると割合知られた
お店のようで、名前をご存じだったそうです。
Cさんと私は海鮮純豆腐チゲ(¥950)Hさん温麺(¥950)。美味しく頂いた食後のコーヒーはプラス
¥100。昨年の来日時の話など、いつまでもお喋りが続きそうだけど肝心の国宝展にも行かなければ・・・
とおしゃべりは適当に切り上げ観覧に向かいました。
しかし、年齢差干支で一回りとちょっとの私たち、好きな俳優が同じというだけでいつまでも盛り上る
ヨンジュン家族って不思議です。
国立博物館
国宝展は正面入り口を左方向へ進んだ奥の平成館で開催です。去年神社展があったのも平成館
でしたから、平成館は特別展用の建物かもしれません。ところでどうしたことか先程は左程混んで
いるとも思えなかったんですが行列が・・・。後で聞いたら、午前中にテレビで国宝展が現在開催中
と放送され、それを見た人々が午後になって出かけてきたとのことだそうです。
並んで待つ私たちに博物館の会場整理の方が教えてくださいます。丁度ここからスカイツリーが見えるんですよ・・・
平成館前から浅草方面を
展覧会がお好きで色々事情に詳しいCさんからは、博物館には素敵な日本庭園があって
現在無料公開中との情報もお聞きして、終わってから是非見ましょうとも~~
東京国立博物館で展示作品全てが、国宝だという国宝展が開催されるのは3回目だそうです。
従来は分野別にただ展示する方式だったのを、今回は「祈り」をのテーマに構成されたそうです。
日本の文化財の多くは、仏や神への信仰を背景に制作されたものが多く、技術の粋を凝らし
美を尽くした工芸品が捧げられたそうです。「日本における信仰のありようは、地域・時代において
じつに多様であり、その所産もまたきわめて豊かであった。本展では、信仰が最も濃密に凝縮し
卓越した形として国宝をとらえ、国宝によって日本文化や精神の形成を再確認する。」
展示品を記憶に残っているものから少しご紹介します。まず第一章「仏を信じる」として薬師寺から
仏足石、法隆寺から玉虫の厨子、玉虫の厨子は彫金の透かし彫りの下に、玉虫の羽が敷き詰め
られている事でこの名前がついていますが、わずかに往事の色彩を残す部分があります。終了
間際再度入場し係員の方に教えていただいたその場所は二層になった上部の屋根の下横に三本
梁のように渡された物の真ん中の右の方の部分、四面あるうちの「施身門下図」の面でした。正面
から見るよりは斜めから見るとその箇所が光って見えました。
そんなものが・・・と思われるものまでもありました。法隆寺献物帳―法隆寺に献納されたものの
品目等が書かれたリスト、所謂目録というものだと思いますが、竹ひごと立派な錦織物で作られた
素材の貴重性でしょうか?
第二章「神を信じる」では縄文のビーナスと呼ばれる土偶が紀元前3000年から2000年の作だと
云うのが信じがたいほど素敵でした。滑らかな土の肌や安定した下半身の体型にとても共感!
縄文のビーナスとはよくぞネーミングしたものだと思います。
第三章「文学、記録にみる信仰」では漢字で書かれた日本書紀を漢文ならばお任せとばかり
年長のHさん目を見開いて~~、漢文だけど読みはレ点でなく、送り仮名も漢字でみたいと。
千代姫婚礼調度からは初音蒔絵見台、経を読む時の広げて置く台なのですが、さすが徳川家の
姫君、日常の調度品にも贅が凝らされています。
第四章「多様化する信仰と美」では大井戸茶碗が大好きなヨン友が、大井戸茶碗 銘 喜左衛門を
見つけて、ここで見られるとは思わなかった!と大喜び。朝鮮で日常雑記として大量に作られた
井戸茶碗、焼くときに重ねた痕なのか茶碗に色の濃くなった部分(何かついたように黒くなった)が
あります。それは茶碗同士がくっついた痕だけれど、むしろそれが景色となってそのお茶椀に
風情を与えているのだと見方を解説してくださいます。
第五章「仏のすがた」では居並ぶ仏様たちのなかで、お顔の雰囲気が若干違う仏様を見つけました。
何となく法隆寺の百済観音に似たものを感じて説明を見たら法隆寺の広目天でした。今まで法隆寺で
百済観音だけが異質な仏像だと思っていましたが、法隆寺自体がまだ仏教を取り入れ始めたばかりの
伝えてくれた国の仏像のイメージを色濃く残したのではないかと思います。
特別出品の正倉院宝物からは、紅色に彩色された象牙の撥、小さな面に描かれた模様はクッキリ
残っているが、実際に演奏に使用された証に端が擦れて白い色が表れていました。
鳥毛立女屏風(6面あるうち第一扇、三扇)何十年前かに教科書で見たあのふくよかな天平美人の
お顔がそのまま~~に感動!そして螺鈿琵琶、螺鈿の施された裏面には東大寺の銘がしっかり刻まれ
ていました。
閉館時間で名残を惜しみつ外へ出たら、既にうす暗く空にはくっきりお月さまが登っていました。
(デジカメで綺麗に撮れずスマホで撮りました)
長い文章、お読みいただきありがとうございました。