ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『“ガラスの天井”は高かった、第45代アメリカ合衆国大統領選挙』事情

2016年11月08日 | 米国○○事情


今日は、やっとやってきた大統領選挙の投開票の日。
今回ほど、どちらに入れてもろくなことにならないだろうけれども、どちらかというと○○○○の方がマシという気持ちで、投票に臨まなければならない選挙はないだろう、と言われている。

朝から町に出ると、前庭で、クリントンの名前を書いた青いボードを、行き過ぎる大人たちに向かって掲げている小学生の男の子や、
これまたクリントンの名前を書いた布を、首からぶら下げて、通りを歩く中学生たちのグループがいた。
さすがは、東海岸の中でも、特にリベラルと言われている町の子どもたちである。
まあ、クリントンは、彼ら子どもたちの教育予算を圧迫している軍産複合体と、仲良しだということまでは知らないのかもしれない。
それにしても、日本とは違い、投票日当日もがんがんアピールしているのが面白い。
『GO VOTE』と書かれたバッジを付けて、歩いている大人もたくさんいた。
会社も学校(公立)も、投票日はお休み。
投票をしなければならないという気持ちを、社会全体で盛り上げている。

今日の生徒の親たちも、いつもよりちょっとそわそわしていた。
全員が投票を済ませていたけれども、結果が出るのが恐い、と言っていた。

夕飯を食べながらニュースを観ていたら、ブロンクスのある町で、投票を待つ人の列がまだまだ続いていて、もう3時間も待たされていると言っていた。
もうあと40分もしたら投票所が閉まるだろうに、あの人たちは一体どうなるんだろうか…。

オバマが全米を盛り上げた8年前の選挙とは大違いの、まるで、質の悪いリアリティショーを無理やり見せられているような、
なんともゲンナリする、どちらが当選してもろくなことにならない予感が満々の、投票意欲が削がれまくりのキャンペーンだったけれども、
有権者たちの投票に行くぞ、という意志は、それでもどうにか保たれているようだった。

それにしても、ここまでパックリ分断されてしまって、この国はどこへ向かおうとしているんだろうか。
青か赤か。
州ごとに、多数決によって、この国の未来を決める意思が示されていく。
でも、本当か?本当にそうか?

夫もわたしも、開票報道を観るのが恐ろしくて、8時を過ぎてから、テレビをつけたり消したりしている。
州の開票を、どの町が、どちらにどの割合で入れたかまで公表している。
アメリカ合衆国の地図が、だんだん赤く染まっていく。
今のところは、トランプが優勢。
でもまだ、3時間の時差がある、西海岸の開票がまだ進んでいないので、まだわからない。

『NAIL BITER』ー 緊張してつい爪をギリギリと噛む人、という意味なのだけど、今夜はこのNAIL BITERだらけの合衆国なのである。

結果が出るまで起きていることは、多分無理なので、この続きはまた明日。


…などと言って、なんとか眠ろうとしたけれど、やっぱり眠れるはずもなく、まどろんではチェックし、また少し寝てはチェックしていたら、
夜中の3時ぐらいにはもう、トランプの優勢が顕著になっていて、これはひっくり返せないなあと、いろんなことが頭によぎってきて、とうとう全く眠れなくなってしまった。

メキシコからの不法移民は強制送還するだの、国境に巨大な壁を造流だの、イスラム教徒は一時入国を禁止するだの、女はどうにでもなるだの、
全く政治の経験が無い、さらには側近にも外交などの政策に精通した者も見当たらない、ただの有名な大金持ちだという人が、アメリカという国の大統領になった。
この男が、共和党のツワモノどもの傀儡になり果てるのではないか、どんな風に利用されていくのか…そこがとても恐ろしい。

でも、これがアメリカに暮らす人々の『本音』なら、その本音がどういうものを招くのか、それをしっかり受け止めるしかない。
政治家のマネーゲームに疲れ、大企業のグローバルという名の支配から逃れられるかもという期待を、トランプに見い出したのかもしれない。
けれどもそれが、この先どんな結果を招くのかは、誰にも分からないし、予想がつかない。

共和党が牛耳る4年間に、また理不尽な戦争を起こさないよう、そして、行き過ぎた差別や、一国主義にならないようにと祈るのみ。
やはり、ギリギリになって、クリントンが繰り返し言っていた『ガラスの天井』が、思いの外高かったことを、思い知らされた。
黒人の大統領は叶えさせてしまったけれど、女の大統領まで叶えさせてたまるか、というのも、本音の一つだったと思う。
そして、政治屋の政治に絶望し、グローバルでなく、まず自分の周りをなんとかしてもらえるのではないかという期待を持つ人が、思いの外多かったのかもしれない。

マコネル米上院院内総務(共和党)は9日、環太平洋連携協定(TPP)法案について、来年1月の新大統領就任前に、採決は行わないとの認識を明らかにしたそうだ。
日本はすっかりハシゴを外された形になるけれど、それでも安倍政権は、今後もしがみついていこうとするんだろうか…。

トランプは常々、銃の所持や扱いについて、これまた過激な発言を繰り返してきた。
核兵器についてもそう。
これらの件について、共和党の好戦議員の輩が集り、いいように利用していくのではないかと心配でならない。

いずれにせよ、これは夢でもなんでもなくて、本当に起こったことだ。
わたしたちは、これから4年間、トランプ大統領の統治の元、暮らしていかなければならない。
その毎日は、悲観していたよりはマシかもしれない。
悲観していた通りの、トンデモなことが起こり続けるかもしれない。
そしてそれらは、アメリカのみならず、世界にも影響を与えることになるかもしれない。
そのためにまた、アメリカに暮らしているということが、どうにも恥ずかしくてうつむいてしまうような、そんな毎日にならないことを祈るばかりである。

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泡沫と思われた放言王 トランプの勝因は反グローバリズム
【日刊ゲンダイ】2016年11月9日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193506/1

「史上最低の醜悪」などと言われた米国の大統領選は、大接戦の末、共和党のトランプ候補が制した。
この結果に、株式市場が大暴落するなど、世界中が騒然としているが、背景を探れば、そこには必然的ともいえる、米国の闇がある。

確かに、トランプの訴えはむちゃくちゃだった。
口を開けば、「メキシコとの国境に壁をつくる」「中国が雇用を奪っている」と他国を攻撃し、
ワイセツ発言も酷くて、「ピー」音をかぶせて伝えるニュース番組も多かった。
さすがに、大新聞は一斉に、トランプ批判に回り、発行部数上位100紙中、ヒラリー支持を表明したのが55紙だったのに対し、トランプ支持はわずか1紙だけだった。

しかし、それでも、トランプ人気は落ちなかった。
最後の最後で、リードを許していたクリントンを逆転した。
どんなに暴言を吐こうが、スキャンダルが飛び出そうが、あきれるほど根強い支持層に、支えられたのである。
支持率は、終始40%台をキープし、最後は、フロリダなど激戦州で、次々と下馬評をひっくり返した。
ツイッターのフォロワー数は、ヒラリーの1005万人に対し、1280万人と凌駕、
トランプの演説を生中継すると視聴率が跳ね上がる、という現象も起こった。


■疲弊したアメリカ国民が喝采、支持

なぜ、他人の悪口しか口にしない、トランプのような下品な男が、ここまでアメリカ国民から、熱狂的な支持を集めたのか。

トランプの主張は、ハッキリしている。
一言でいえば、「排外主義」だが、それは「反グローバリズム」である。
市場に任せれば経済はうまく回ると、アメリカが、30年間にわたり主導してきた「グローバリズム」と「新自由主義」を、真っ向から否定した。
その訴えが、アメリカ国民の心をとらえたのは間違いない。

外務省OBの天木直人氏(元レバノン大使)が、こう言う。

「もともとグローバリズムは、“勝ち組”の政策です。
格差が広がり、希望を持てない人を増やしてしまう。
アメリカ国民も疲弊してしまった。
一握りの富裕層だけが富み、中産階級が崩壊しつつあります。
だから、以前から、大衆の不満が充満していた。
トランプは、その不満を、上手にすくい上げた形です。
トランプが、『中国が雇用を奪っている』『雇用を奪うTPPを止める』と、自由貿易を批判すると、聴衆は拍手喝采し、熱狂した。
これは、“サンダース現象”にも通じる話です。
ヒラリーと大統領候補の座を争ったサンダースも、新自由主義を否定し、TPPを『破滅的な協定だ』と批判して、支持を集めた。
アメリカ大統領選を通じて分かったのは、行き過ぎた新自由主義とグローバリズムが、限界に達しつつあるということです。
今後アメリカは、大きな転換を迫られると思う。
熱心なTPP推進派だったヒラリーが、国民の強い反発を目の当たりにして、
『今も反対、選挙後も反対、大統領になっても反対』と、TPP反対に宗旨変えしたことが、この先のアメリカを物語っています」

実際、新自由主義とグローバリズムによって、アメリカ国民の生活は、ボロボロになっている。
安い労働力を求めて、企業が海外に進出したために、雇用は減り、その一方、安い商品が海外から流入し、アメリカ製は競争力を失ってしまった。
グローバリズムに対する、アメリカ国民の怒りと絶望が、トランプを押し上げたのである。
大統領選で敗北したのは、新自由主義とグローバリズムだったのではないか。


■TPPに参加したら日本経済は崩壊

グローバリズムへの「反動」は、アメリカだけの現象ではない。
世界各国で、「保護主義」の動きが強まっている。
自由貿易を進めたはいいが、どの国もヘトヘトになっているからだ。

なのに安倍首相は、TPPを筆頭にした新自由主義を、推し進めようとしているのだから、時代錯誤もいいところだ。
もしTPPに参加したら、日本は、決定的な打撃を受けてしまうだろう。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)が、こう言う。

「例外なき関税撤廃、自由貿易が大前提のTPPに参加したら、日本の産業と雇用が、破壊されるのは必至です。
たとえば、日本が強い自動車産業だって、とても全メーカーが生き残れるとは思えない。
まず農業、林業、漁業は、安い外国産に太刀打ちできないでしょう。
第1次産業が壊滅したら、地方経済は成り立たなくなる。
今でもシャッター通りだらけなのに、地方は活気を失い、本当に死んでしまう。
新自由主義とグローバリズムの本質は、一般国民を犠牲にして、グローバル企業を儲けさせることです。
世界的な大企業は潤うが、大衆には恩恵がない。
だからアメリカも、産業界はTPPに賛成し、多くの国民が反対している。
それでも安倍首相は、TPP参加を強行しようとしているのだから、どうかしています。
百歩譲って、もし、メード・イン・ジャパンが世界市場を席巻している時だったら、TPPに参加するメリットがあったかもしれませんが、
国際競争力が低下している今、参加するのは狂気の沙汰です。
日本の富と市場を、アメリカのグローバル企業に奪われるのは、目に見えています」


■グローバリズムをやめ、日本型を探せ

いずれ世界各国に、「グローバリズム」を見直す動きが、広がっていくはずだ。
「保護主義」の動きが強まってくるのは、間違いない。
日本も大急ぎで、行き過ぎたグローバリズムと、一線を画すべきだ。

このままグローバルな競争に突入しても、過激なコスト競争に巻き込まれ、デフレ不況を悪化させるだけである。
アベノミクスが、「異次元の金融緩和」を実施し、経済対策に何十兆円もの税金をつぎ込んでも、物価が上昇しないのは、
過度なグローバル競争によって、国内に、デフレ圧力がかかっているからである。

そもそも、日本のGDPの6割は、個人消費なのだから、一部のグローバル企業を強くし、多少輸出を増やしたところで、景気が良くなるはずがないのだ。

「この20年、アメリカのエージェントのような、経済学者やエコノミストが、
グローバルスタンダードだ、構造改革だと、日本式の経済システムをアメリカ型に変えてきたが、果たして日本国民の利益になったのかどうか。
大失敗だったのは、この20年の、日本経済が証明しています。
今からでも、日本の状況に合った経済システムを、探すべきです。
今振り返っても、年功序列、終身雇用、系列といった日本型経営は、ある意味、合理的なシステムでした。
雇用が守られるので、サラリーマンは、結婚、子育て、マイホーム取得と、人生設計を立てられた。
将来不安が少ない分、消費もできた。
ところが、グローバルスタンダードに合わせるべきだと、雇用を壊し、非正規を増やしたために、将来不安が強まり、消費が増えなくなってしまった。
最悪なのは、社内に、人材と技術の蓄積がなくなったために、商品開発力まで落ちてしまったことです」(経済評論家・斎藤満氏)

アメリカ大統領選でなぜ、「トランプ現象」や「サンダース現象」が起きたのか、日本はよく考える必要がある。
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深まる秋に思うこと

2016年11月06日 | ひとりごと
今朝2時、まだ真っ暗な中、サマータイムが終わった。
時計を1時間繰り上げるので、日本との時差が従来の14時間になった。
これでまた、日本に暮らす家族との連絡が、ちょっとだけ不便になる。

紅葉がぐんぐん広がり、どこもかしこも落ち葉だらけ。
葉っぱの雨を受けながら、車を走らせていると、必ず「ありがとう」の言葉が口をついて出てくる。
春の瑞々しい若葉が、陽の光に輝く成熟した緑の葉となり、そして様々な秋色に染まって落ちていく。











約7ヶ月の間、いろんな喜びや楽しみ、そして慰めを与えてくれて、ありがとう。


今週の中頃から末は、ひさしぶり息子ふたりと、別々に会うことができた。
長男くんは、先週の木曜日から来週の月曜日まで帰省して、マンハッタン時代の友人に会ったり、クライミングを楽しんだりしている。
次男くんは、昨日の映画を一緒に観て、その後ニュージャージーまで戻り、『いろいろあったけど元気出しな!夕食会』を一緒に食べた。
どちらもアラサーのおっさん(彼ら曰く)なのだけど、家に戻ったらチビ時代そのままに、わたしはせっせと世話焼きをしたくなる。


さて、明日からの1週間は、教えている生徒たちの発表会に向けての最後の週だ。
生徒たちは、夏休みを挟んでの、9月からの新生活の混乱の中、一所懸命頑張っている。
そんな彼らのためにも、わたしもできるだけのことをしてあげたいし、自分自身の練習もしなければならない。
そして発表会が終わったら、ようやく毎年恒例の、と言えるようになった、2週間の休暇を取って日本に行く。

長い間、この2週間の休暇を告げる時、なんだか申し訳ないという気持ちになるのを止められなかった。
様々な国から移り住んでいる人たちで成り立っているこの国の社会では、帰りたい時に、帰る必要がある時に帰るのは、その人の権利であり、当たり前の行動なので、
わたしが遠慮がちに、申し訳なさそうに、ちょっと2週間ほど、日本に旅行に行くと言うと、
生徒の親御さんたちは決まって、パッと笑顔になって、「それはよかった、楽しんできてね」と、誰もが喜んでくれるのに…。

ピアノの教師が休暇を取る。
というのは、わたしが習っていた時代(それはもう、半世紀も前のことなのだけど)には、あまり無かったような気がする。
生徒の方も、レッスンを欠席するなんてことは、よほどのことが無い限り考えられなかったし、許されないと思っていたような気がする。
時代が変わり、国が変わり、文化や、わたし自身の暮らしの経済、そしてわたし自身も変わってきたはずなのに。

まあ今年もまた、1年頑張ってきた自分への褒美、みたいなタイトルをつけて、わたしは飛行機に乗り込むんだろうな。
いつか、そんな褒美でも何でもなく、ひょいっと行きたい時に行ける自分になれる日が、来ることを願いつつ…、

ブログ記事の更新がかなり少なくなるか、もしかしたら12月のはじめまで、ずっとできなくなるかもしれないことを、先にお詫びしておきたいと思います。
今もまた、原発問題、汚染問題、被ばく問題、TPP問題、緊急事態条項問題、豊洲問題、オリンピック問題、米軍基地問題…と、次から次へと起こってくる問題について、書きたいことがいっぱいあるのですが、
いかんせん、体はひとつ、心もひとつしかありません。
だからまず、わたしがわたしであること、心身共に健康を保つことを最優先にするには、あきらめなければならないことが出てきます。

でも、もしよかったら、カテゴリー毎にいろいろと書いてきたものがあるので、読んでいただけたらとても嬉しいです。
なんて言いながら、またせっせと書き込んでいるのを見つけたら、「こら、まず今せにゃならんことをやれ!」と叱ってください。
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ユンカーマン監督「沖縄を『戦利品』としての運命から解放する責任を負うのは、日米両国市民である私たち」

2016年11月06日 | 日本とわたし
ユンカーマン監督の映画『うりずんの雨』(英語タイトル『THE AFTERBURN』)を観ました。

あっこちゃんが書いて持って来てくれた、『ようこそ ジャン・ユンカーマン!」の筆書き。愛が勢いよく伝わってくる、とっても良い書です。


当日受付を手伝っていたら、ユンカーマン氏が、来場者に混じってひょっこり現れました。
うっかりパンフレットとプログラムを渡しそうになったぐらいに、彼は来場者の人々に溶け合っていました。
なんと柔らかな、心を包み込むような眼差しを持つ人なのだろうと、一時彼から目が離せませんでした。



上映の前に、会場になった教会の牧師である高橋さんの、ソプラノサックスによる祈りの演奏、


主催者のひとりである空くんの挨拶と祈り、


そして、中垣上人の読経が行われ、


最後に、ユンカーマン監督が挨拶に立ち、前日に行われたマサチューセッツ州のハーバード大学での試写会や、映画の内容について、軽く語ってくれました。


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「私たちは沖縄のことを、どれくらい知っているのだろう?」

これは、パンフレットの表紙をめくると、いちばんに目に入ってくる言葉です。

「わたしは『沖縄』のことを、どれくらい知っているのだろう?」

原発事故から後、何度も何度も、対象になる『名前』を入れ替えては、自分に問うてきた言葉です。

わたしは『原発』のことを、
わたしは『避難者』のことを、
わたしは『水俣』のことを、
わたしは『被ばく』のことを、
わたしは『米軍基地』のことを、
わたしは『沖縄』のことを、

そして、そういう物事をこの世に発生させてきた、政治家や官僚や軍、もっと言えば国の実態を、
いったいどれくらい知っているのでしょう?

ここ数年、自分なりに、沖縄のことについて学んできたつもりでいましたが、『うりずんの雨』を観て、まだまだ足りないことを痛感しました。
そして、アフターバーン(=炎が消えた後も、火傷が深くなっていく日々)が、沖縄戦の地獄を体験した人たちはもちろんのこと、
元米兵や元日本兵の肉体と精神を、今も傷つけ続けていることを、実感として知ることができました。

沖縄戦は、今も続いている。

監督はまた、1995年に起こった、3人の米兵による小学生女児への暴行事件の犯人の一人に、インタビューをしました。
「このインタビューを承諾してもらうのは、とても難しかった」けれども、
「当時、早稲田大学で教えていたことを活用し、早稲田大学の名称が印刷された封筒を使ったのが、相手の信用を得た理由だと思う」と言って、会場を和ませていました。
このハープ元米兵の、暴行に至るまでの経緯や、その時の彼の心情、そして、被害者の女の子に許しを乞い、心からの反省を語る姿は、わたしの心にたくさんの宿題を残しました。

米軍基地を囲う金網に、ガムテープやリボンで、基地反対の意思を示す住民の人たち。
そのテープやリボンを、ひとつ残らず剥がし取ることで、町の美化が保たれると、誇らしげに言う住民の人たち。
「私たちは、任務を果たし、国のために戦うためにここに居る」と、美化運動に加わる米兵の人たち。

政治的な物言いを極力避けながら、経験者、関係者、そして一般の声無き人々や、残された貴重な映像などによって、どちらかに偏ることなく語られていく沖縄。
ともすれば、非常な差別を受け続けてきた姿に、心が沈み、希望を失いそうになります。

住民の4人に一人が亡くなったという事実。
1945年の4月1日から、12週間にわたって繰り広げられた殺戮の惨たらしさ、当時の市民に対する、徹底的な思想教育の恐ろしさ…。
狭い洞窟の中で数十日も過ごし、死ぬことしか考えていなかった市民たちは、互いに斬首したり刺し違えたりして、命を落としていきました。
日本の兵隊も、死ぬまで戦え、そうすれば勝てると教え込まれ、爆雷を持った生身の若者が、戦車隊に突っ込んでいくというような、異常な行動に出ました。
もちろん、25名全員全滅しました。
火炎放射器は、沖縄戦で使われた主要武器でした。
これに吹かれると、ゴム状のものがベタベタついて、どうしても落ちないので、衣類から何からみな焼けて死んでいく。
それは本当にひどい死に方だから、兵隊の間では、死ぬなら鉄砲の弾か何かで死にたいと話していたそうです。

チビチリガマという洞窟で起こった、83名の集団自決。
今もその洞窟には、その時に使われた包丁や鎌などの刃物が残っています。
石油を自分の体や子どもたちにかけ、毛布にかけして、火が燃え盛り、煙が充満する中で、首を斬り合いしながら死んでいったのだそうです。
何も考えられない。
死ぬ、死ぬ、死ぬだけ。
どうしたら死ねるか、こればかり考えていた。
当時はそういう教えだったと。
沖縄は、捨て石として利用されたのですから、その沖縄に住む人たちもまた、同じ扱いを受けたのだと思います。
更には、戦時中の日本兵のための慰安所から続く、沖縄での兵士による性暴力は、今も女性を苦しめています。

本当に、なぜここまでにひどい差別を、沖縄は受け続けなければならないのでしょうか?

それでも、「我々は負けたことが無い」と言い切る、とてつもなく大きな力に立ち向かう人たちの笑顔や、民謡を歌い踊る姿に、
沖縄に生きる人々の間に、脈々と受け継がれてきた、これほどにも強い精神と希望を、分け与えてもらったような気持ちになりました。

沖縄の年表を、ペリー来航のあたりから現在まで、膨大な資料と取材を重ね、映像にしてくださったユンカーマン監督。
その映画は、静かに、淡々と、けれども確固たる信念を持って、
戦争の愚かさ、悲惨さ、権力者たちが振るう暴力、わたしたちの精神をも狂わせる抑圧と差別について、
わたしたち一人一人が、自分の問題として受け取り、考え、自分なりの意見を持ち、それを行動につなげていくことの大切さ、
抗いようの無いものを相手にしていることを悲観せず、楽観もせず、諦めず、やけにならず、
心を鼓舞してくれる歌や言葉を共に唱い、時には踊り、語り合いながら、これからも闘っていくのだという希望の玉を、
観ているわたしたちの手に、そっと乗せてくれたような気がします。

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購入したパンフレットに、ユンカーマン監督による、沖縄国際大学教授の前泊博盛氏へのインタビューが載っていました。
この内容が本当に素晴らしく、沖縄が抱えている実情のすべてが、とても簡潔に鋭く語られています。
↓以下、部分的に省略しながら、紹介させていただきます。

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沖縄の米軍基地は、沖縄戦による米軍占領後、本土攻撃のための拠点として準備された。
戦後は、朝鮮、ベトナム戦争時の攻撃、戦略基地に変わった。
現在は、アメリカの世界戦略の拠点基地となっている。
サンフランシスコ講和条約発効後、本土と分離された沖縄は、核ミサイルの配備も可能な基地として、戦略的に強化されてきた。
講和条約発効後、本土で高まった反米軍基地運動で、本土各地を追い出された米軍基地の受け皿としても、沖縄は使われてきた。
東アジア全体をにらめる地理的優位性が、『太平洋の要石』という形で、戦略爆撃機の出撃拠点にされた。
日米安保体制の維持のために、在日米軍に、施設・区域を提供しなければいけない日本側の『安保負担義務』を、沖縄に基地を置くことで果たしてきた。

とにかく沖縄に基地を維持しておけば、アメリカも文句を言わない。
そういう政治的バランスを取るためというのも、沖縄に米軍基地が置かれ続けている理由。

沖縄に対する、アメリカの特権的な意識と、それを許している日本の差別意識について

軍事というものが時代とともに変化して、理由を変えながら存続を続けてきた。
沖縄経済はその中で、戦前の主要産業たる農業が、米軍基地に農地を奪われ、いやおうなく基地に依存させられてきた。
しかも、戦後の日本が、1ドル360円の円安固定相場制の時代に、沖縄は、米軍統治下で、1ドル120円のB円(B型軍票)という、超円高の通貨政策がとられ、沖縄の、輸出向けの製造業の多くが、淘汰されていく。
こういう米軍統治時代の通貨政策と産業政策で、沖縄は、どっぷりと、基地経済に浸らざるを得ない。
そんな犯罪的な、経済政策を行われた気がする。

農地を基地に奪われた農民は、もうそこ(米軍基地)しか働く場所がない。
住民が捕虜収容所に入っている間に、基地が建設され、解放されて地元に戻ったら家が無い。
農地も土地もとられている。
沖縄本島の半分以上が、米軍に接収されている。

当時の沖縄の人たちが、戦争で疲弊しながらも、しっかり基地反対してくれたことで、永久的な基地建設は免れた。

沖縄戦は、太平洋戦争の中で、一番犠牲が多いところなのに、ノルマンディーの戦いの方が、はるかに認識されている。
そういうアメリカの意識も、今の沖縄の置かれている現状につながっている。
昔も今も、沖縄は、「記憶に無い」というか、「認識されない島」。
「忘れられた」どころか、「覚えた覚えもない島」なのかもしれない。

嘉手納飛行場は、4千メートル級の滑走路が2本ある、成田空港の倍の面積、機能でいうと1.5倍の、アジアでも最大級の規模の空港。
明日返還されてもすぐに使えるので、その経済効果は、1兆円くらいになる。
滑走路が2つあるので、青森県の米軍三沢基地や、山口県の岩国基地のように、『軍民共用』『軍軍民共用』で使えば良い。
共用している三沢基地や岩国基地は、滑走路が1本しかないのにできているのだから、2本ある嘉手納基地にできないはずがない。
有事には、那覇空港や離島の空港すべてを使うので、戦略上、平時に嘉手納を独占しておく理由が無い。
大きな戦争が起こった時に、というが、いつまでそういう備えをするのか、なぜ、軍事力にいつまでも依存していくのか、
過去の戦争の歴史を振り返り、反省をし、教訓として学ぶことが、主要先進国には必要である。
殺戮のための基地に、どれだけのコストを、今後も払い続けるのか。
『軍産複合体』の危険性が、戦後70年経った今も、アメリカ経済を縛り、戦争を続けなければ存続できない国家にしている。
軍事産業依存、軍依存経済から、どうやって脱却するか。
沖縄の脱基地経済、脱軍事経済を考えることは、アメリカ経済が抱える同じ問題の処方箋にもつながる。
だから、基地を経済基地に変えていく。
あるいは、世界経済、アジア経済の貢献拠点、軍事基地から経済基地に変える。
それが、新しい安全保障の形を、生み出す契機になる。

沖縄経済全体に占める、米軍基地経済の比率は、4兆円のうちの2000億円。
5%程度まで、貢献度は落ちている。
ヨーロッパのように、経済的に運命共同体になること。
アジアにもAU(亜州連合)を作り、経済共同体になることによって、域内の対立や戦争は意味を失う。
軍事基地は、富を生まない。
脅威を生み、破壊を生み、殺戮を生む。

基地がなくなると、沖縄は経済的に困る。
基地がなくなると、沖縄と日本の平和が危なくなる。

この二つの神話、基地経済の呪縛から、どうやって解き放つか。

フェンスの内と外にある「受益者と被害者の分離」の問題がある。
基地から利益を得る人たちと、被害を受ける人たちは別である。
(*利益を得る人たち)
フェンスの内側に土地を持っている軍用地主には、年平均約200万円(沖縄県民の平均的な所得と同額)支払われている。
軍用地主は43228人、年間の借料は832億4千万円。
基地従業員は8800人。

今現在、民間経済がものすごくパワフルになってきていて、基地返還後の後利用で、失敗したところは一件も無い。
ミサイルや核兵器の開発で、沖縄の軍事的地理的優位性は、すでに喪失している。
しかし、沖縄の経済的な地理的優位性には、アジア中の企業がものすごく注目している。
「嘉手納飛行場を軍事だけに使わせるのはもったいない」「もっと金になる仕事やろうよ」となり、
アメリカにとっても、アジア経済の拠点化は、安全保障にもつながる。

軍事での紛争解決では、勝者と敗者が生まれる。
でも、経済安保は、win-winの関係が重視される。
経済は敗者を作らず、勝者と勝者を作る。
そういうwin-winの安全保障の時代に変えてほしい。

戦後70年使って、老朽化した基地を返して、最新鋭の基地に更新する。
それを、普天間返還と絡めて、日本政府に全部負担してもらう。
辺野古新基地には軍港機能があり、整備地区機能があり、兵站(貯蔵・補給)機能、そして飛行場まで備えている。
近くには、核ミサイルも配備されていた、辺野古弾薬庫もある。
これほどフルセットで、使いやすい最新鋭の基地が、アメリカにすればタダで手に入る。

「普天間を返す」というフェイクだけで、日本政府は応じてしまう。
一部は、別基地に新基地を建設して移転する。
その基地建設の大金を、負担させられる日本国民の多くも、
「なぜ沖縄は拒否するんだ」と、移転・新設を応援してくれる。

そんな矛盾に誰も気づかない。
辺野古新基地も含め、沖縄の米軍基地は、本当に必要なのか、役に立っているのか。
なぜ十分に検証しないのか。

沖縄は、米軍基地がなくてもやっていける経済を目指している。
それが成功すると、基地依存度の高い米国経済の、脱基地・軍事経済の処方箋にもなる。
脱基地で発展する沖縄の姿を見た時に、アメリカ自身が、基地依存経済の呪縛に気づき、
アメリカにとって沖縄は「忘れられない島」に変わっていく。


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1945年4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸、12週間に及ぶ沖縄地上戦では、4人に一人の住民が亡くなりました。
本作では、当時、同じ戦場で向き合った元米兵、そして沖縄住民に取材を重ね、米国立構文書館所蔵の、米軍による記録映像を交えて、沖縄戦の実情に迫ります。

また、戦後のアメリカ占領期から今日に至るまで、米軍基地をめぐる負担を、日米双方から押し付けられてきた、沖縄の差別と抑圧の歴史を描き、
現在の辺野古への基地移設問題につながる、沖縄の人たちの深い失望と怒りの根を、浮かび上がらせます。

『老人と海』で、与那国島の、荒々しくも美しい自然と風土を捉え、
『映画日本国憲法』で、日本の平和憲法の意義を訴えた、アメリカ人映画監督ジャン・ユンカーマンが、
真の平和を求め、不屈の戦いを続けている、沖縄の人々の尊厳を描いた、渾身のドキュメンタリー。



小嶺基子(詠み人):
うりずんの 雨は血の雨 涙雨
礎の魂 呼び起こす雨


『うりずん』とは、『潤い初め(うるおいぞめ)』が語源とされ、
冬が終わって大地が潤い、草木が芽吹く3月頃から、沖縄が梅雨に入る5月くらいまでの時期を示す言葉。
4月1日から始まった沖縄地上戦が、うりずんの季節に重なり、戦後70年経った現在も、
この時期になると、当時の記憶が甦り、体調を崩す人たちがいることから、
沖縄を語る視点のひとつとして、本作のタイトルを『沖縄 うりずんの雨』とした。



ジョン・ダワー(歴史家):
この世界に、沖縄ほど、過酷な第二次世界大戦の遺産はない。
そして、平和と平等を求めるどんな声も、沖縄の人々が語る言葉ほど雄弁ではない。

映画『沖縄 うりずんの雨』を観ると、そんな思いにさせられる。
この映画は、沖縄の人々に寄り添いながら、けっして抑制を失わず、私たちの心をしっかりとつかむ。
そして、1945年の沖縄戦から、戦後の米軍による植民地化、現在の闘争まで導いていく。

日米間の戦争の悲惨さや、冷戦時代のアメリカによる権力の乱用、
そして、冷戦後も続いた、東京の政治家たちの背信…。
これらを証言するのは、沖縄の人々だけではない。
アメリカ人たちも、率直な言葉で語る。
さまざまな視点から捉えた映像の中には、戦場でアメリカ軍が撮影した、引き込まれるような記録映像もある。

この映画を観ることで、私たちは、沖縄の人々が体験してきた抑圧と差別の歴史を、直視させられることになる。
それでもなお、彼らが語る言葉は明快で、威厳に満ちているため、
観る者に、理解や賞賛だけでなく、希望すら抱かせる。
この映画の、最もすばらしいところである。



ジャン・ユンカーマン(監督):
1975年、大学を卒業した私は、沖縄を訪れ、6ヶ月間、コザのバー街で、反戦兵士(*1)たちの支援活動に関わりました。
ベトナム戦争が終わった直後で、其処此処に、きな臭い雰囲気が残っていました。
沖縄戦の終結からは30年が経っていましたが、島の至る所で、焼け野原になった跡が見られました。
高い樹木はありませんでした。
トタン屋根を乗せただけの建物が、たくさんありました。

占領は3年前に終わったはずなのに、沖縄はまだ、基地だらけでした。
米軍による支配が、続いていたのです。
「基地の中に沖縄がある」と、言われたとおりでした。

私は、アメリカをはじめ、世界中の人々に、沖縄の実態を伝えることが、自分の人生の仕事の一つだと考えるようになりました。

沖縄の実態の一つは、この映画の英語タイトル"The Afterburn"が象徴しています。
『アフターバーン』とは、炎が消えた後にもやけどが続く。
やけどが残るんじゃなくて、時間とともに、火傷がより深くなっていくことです。
沖縄戦を体験した人々は、まさに、そうしたトラウマと共に生きてきました。
元米兵もそうです。
元日本兵もそうです。
そして特に、4人に一人が亡くなった沖縄の人々にとって、沖縄戦は今も続いているのです。


想像もつかないほどの戦争体験をした、沖縄の人々は、一貫して、戦争を拒絶してきました。
米軍も、沖縄戦では、同じ血を流しました。
しかし米軍は、沖縄を『戦利品』として扱い、膨大な基地を建設。
それらを拠点として、朝鮮、ベトナム、中東での戦争を続けてきました。
平和を求める沖縄の文化と、戦争を選ぶアメリカの文化ーー。
対極にある二つの文化が、狭い島に共存せざるを得なくなったのです。

何の武器も持たない沖縄の人々が、世界でいちばん強大な軍隊を持つアメリカに対して、反戦・反基地の戦いを始めました。
そして、1950年代の島ぐるみ闘争から、普天間基地の辺野古移設反対闘争まで、不屈の精神で戦い続けています。
私は、1975年に、初めてその精神に触れ、深い感銘を受けました。
そして、強い尊敬の念を抱きました。
以来、40年が経った今、不屈の精神はいっそう強固となり、さらに広がりつつあります。
まさにそれこそが、私が世界に伝えたい、もう一つの沖縄の実態です。
私はそれを、この映画の日本語タイトル『うりずんの雨』に込めたつもりです。

米軍基地を撤廃するための戦いは、今後も長く続くでしょう。
沖縄の人々は、決してあきらめないでしょう。
しかし、沖縄を『戦利品』としての運命から、解放する責任を負っているのは、沖縄の人々ではありません。
アメリカの市民、そして日本の市民です。
その責任をどう負っていくのか、問われているのは私たちなのです。


(*1)
米軍の中で、反戦の意志を持って抵抗していた兵士のこと。
ベトナム戦争当時、反戦米兵の支援運動を続けてきた。
PCS(パシフィック・カウンセリング・サービス)という米国のグループがあり、ユンカーマン監督は、その沖縄事務所のスタッフとして、法律相談などの活動をしていた。


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企画と実行を担ってくれた歩美ちゃん。




今回もまた、素晴らしい広告パンフレットを手がけてくれた、デザイン神の金魚さん(中央右)。彼の後方には監督が。


人間は素晴らしい。愛すること、祈ること、人の良いものを引き出すこと、そして繋がることを説いてくださる純さん。



すっかり日が暮れていた。


実は今回初めて、次男くんが参加した。
「沖縄のことをよく知らないでいるのは、いけないと思うから」と言って。
「映画を観て、どうだった?」と尋ねると、「観て良かった。知らないことが多過ぎた」と言った。
ものすごく嬉しかった。
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TPPの『毒素条項』に、日本はじわじわと殺されていく。そんなことをさせてたまるか!

2016年11月02日 | 日本とわたし


山本農相「冗談を言ったらクビになりそうになった」
【NHK】2016年11月3日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161102/k10010753201000.html

山本農林水産大臣は、1日夜、都内で開かれたパーティーで、
先月撤回した、TPPの国会承認を求める議案などの審議をめぐる、強行採決に関する発言について、
「冗談を言ったらクビになりそうになった」などと述べました。
山本大臣は、2日朝、「ご迷惑をおかけします」と述べました。

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の、国会承認を求める議案と、関連法案の衆議院での審議をめぐって、
山本農林水産大臣は、先月中旬、佐藤・衆議院議院運営委員長のパーティーで、
「強行採決するかどうかは、佐藤委員長が決める」などと発言し、その後、衆議院の特別委員会で、発言を撤回して、陳謝しました。

これについて、山本大臣は、1日夜、都内で開かれた自民党の衆議院議員のパーティーで、
「冗談を言ったらクビになりそうになった」などと発言しました。
また、山本大臣は、パーティーの参加者を前に、
「JAの方々が大勢いるが、明日でも、この衆議院議員の紹介で農林水産省に来てくれれば、何かいいことがあるかもしれません」とも述べました。

民進党などは、
「撤回した発言を『冗談』としたのは、国会をばかにしている」などとして反発し、山本大臣の辞任を求める声も出ています。
こうした中、山本大臣は、2日朝、農林水産省に入る際に、記者団から、
「昨夜の発言について、野党からは反発が出ているようだが」と質問され、
「ご迷惑をおかけします」と述べました。

官房長官「辞任するようなことでない」
菅官房長官は午前の記者会見で、
「閣僚は、発言に気をつけなければならず、緊張感をもって発言すべきだ。
昨夜、山本大臣から、『申し訳ない』という電話を受け、私からは、
『発言に気をつけ、緊張感をもって国会にあたるように』という厳重注意をした」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は、国会運営への影響について、
「国会で決めることなので、政府からコメントすることは差し控えたい。
TPP協定は、わが国の成長戦略にとって、極めて重要であり、その効果を速やかに発現するために、協定と関連法案の1日も早い成立が必要だ。
政府としては、速やかに審議を進めていただけるよう、緊張感をもって丁寧に進めていきたい」と述べました。

また、菅官房長官は、記者団が、
「再び問題となる発言をしたことで、大臣の資質の面で問題はないか」と質問したのに対し、
「そこは問題ない。軽率な発言をしたことを本人は深く反省していて、辞任するようなことではない」と述べました。


参院自民幹事長「断じて許せない」
自民党の吉田参議院幹事長は、党の参議院議員総会で、
「あのような発言は、断じて許すわけにはいかない。
TPPの国会承認を求める議案などが、参議院に送られようとしているが、非常に日程が厳しいので、
われわれも緊張感を持って、言動には気をつけながらやっていきたい」と述べました。


公明 漆原中央幹事会会長「猛省を促したい」
公明党の漆原中央幹事会会長は、記者会見で、
「緊張して厳しくやろうと言っているにもかかわらず、山本大臣の発言が止まらず、残念だ。
しゃべってわびるなら、しゃべるなと言いたい。
こういう不誠実な言動の積み重ねが、安倍内閣の体力を奪っていることを、しっかり認識してもらいたいし、山本大臣には猛省を促したい」と述べました。

また、漆原氏は、記者団が、「山本大臣は辞任すべきと考えるか」と質問したのに対し、「ご本人がどう考えるかだ」と述べました。


民進 蓮舫代表「審議に影響」
民進党の蓮舫代表は、党の参議院議員総会で、
「山本大臣の謝罪は、うわべだけだったのが明らかになった。
ちょっと理解不能だ。
さらに驚いたのは、山本大臣が、
『あすでも、議員の紹介で農林水産省に来てもらえれば、何かいいことがあるかもしれません』と発言したのは、利益供与ではないか。
当然、委員会審議に影響が出ると言わざるをえない」と述べました。


共産 穀田国会対策委員長「大臣としての資質に欠ける」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で、
「山本大臣は、反省したはずなのに、それをまた、おちゃらけて話をすること自体、大臣としての資格、資質に欠ける。
また、農業関係者に関する発言は、依然として、古い時代の利益誘導型の政治に、どっぷりつかっている神経で、
時代錯誤もはなはだしく、二重の意味で、大臣に値しないことは明らかだ」と述べました。

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この山本農水相、米の売買同時入札(以下、SBS)を巡る不正取引問題で、
農水省の調査対象となっていた輸入業者や卸売業者から、資金提供を受けていたのですよ!
(*SBS:外国産の米について、国が輸入商社から一旦買い取り、さらに金額を上乗せして、米の卸業者に売り、国産米との価格差を無くそうとする制度)

農水省は、輸入商社と米の卸業者がグルになって、不正取引を行っていたことを、2014年から把握していて、放置していたのですよ!
そして、その省のトップであるこの男が、その不正取引の当事者である、輸入業者と卸売業者から、資金提供を受けていたのですよ!

そんな男だからこその、
『あすでも、議員の紹介で農林水産省に来てもらえれば、何かいいことがあるかもしれません』、なのではないでしょうか?

もう許せませんよね。
認められませんよね。

辞任もちろんですが、まともな人間(いるかどうかは甚だ疑問ですが)に差し替えて、審議を一からやり直すべきです。
日程をちょっとばかりずらして終わり、なんてお為ごかしは、もう止めさせなければなりません。
今の政権に、このTPPの内容を、きちんと認識できている人がいるのか?
いないです。
いたら、こんなものを承認しよう、採決しようなどと、考えられないのですから。

とにかくこの男は、政治家としてお粗末過ぎます。
大臣の辞任で済まさず、議員を辞めさせるべきです。



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もう今から1年も前に、このような警告を必死で出してくださっていた方がいました。
もう読まれた方もたくさんいらっしゃると思います。
国会の審議で、この『毒素条項』について、一人一人に問い質さなければならないのではないでしょうか。
もう時間がありません。
野党議員の皆さん、どう思われますか?

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TPPについて色々調べてみたら、究極の不平等条約でした。
関税の撤廃による、自由貿易なんて嘘。
米国が、日本の制度やルールを変えるために、「日本の国家主権」を無力化する手段でした。

【TOGETTER】2015年10月21日
http://togetter.com/li/889832

国内産業の保護を目的とする関税以上に、米国が日本に撤廃させたいものがあります。
それが、「非関税障壁」です。
非関税障壁とは、関税以外の方法により、輸入を抑制したり、貿易を制限したりすることですが、
米国が、邪魔だ、障害だ、と感じるものが全て、非関税障壁です。
せっかく日本政府が、日本国民を守るためにつくった制度や法律、規制であっても、
自国の企業が儲けるために、邪魔なものは全て無くしてしまおうというのが、アメリカの狙いであり、TPPの真の目的なのです。
米国は、日本の市場を無理矢理こじ開けるための、新しい道具を用意しましたが、
それが、TPPの『毒素条項』なのです。
TPPは、日本にとって第二の黒船、平成の黒船とも言える一大事なのです。



安倍首相の「TPP反対とはただの一度も言ったことはない」という、4月7日の国会での発言が、物議をかもしました。

https://youtu.be/_TTuFO8ba5w

まあ、実際は何度も言ってますし、そもそもマニフェストに謳っている訳ですから、言っていても何の不思議もありません。

百歩譲って、安倍首相は、『「聖域なき」関税撤廃はしません』と言っていましたから、
「聖域」が有るのなら、TPPの交渉に参加しても、嘘吐きとはならないのかも知れません。
しかしやはり、テレビで全国放送される衆人環視の国会でさえ、平気で嘘を吐きまくってきた安倍晋三です。
TPPに関しても、全てが嘘でした。

TPP国会決議で守ると決めた重要5項目のいわゆる「聖域」。

『「無傷で守られたものはゼロだ」と、農林大臣が答弁』

国会決議違反が明らかとなりました。

衆参農林水産委員会は、政府がTPP交渉に入る前に、
コメや麦、砂糖、牛肉・豚肉、乳製品の「重要5項目」について、「段階的な関税撤廃も認めない」とする決議をしていた
のです。

つまり、「聖域」そのものが無かった、と言うことです。

安倍首相の言うことは、全てが嘘でした。

ここから先の内容は、5か月前に書かれたものです。
まだ批准されてもいないのに、TPPを先取りしたかのような事が、既に始まっています。

今月からは…
『大病院を受診するためには、初診料とは別に、5,000円が掛かるようになりました』

TPPが批准されれば、次から次と同じようなことが起こります。
どうなるのか。
どんなことが起きるのか。
詳しくは、ここから先に書いています。

******* ******* ******* *******

ここから先は、覚悟してお読みください。

テレビのニュース番組を観ていて、不思議に思うことがあります。
TPPについての報道の時に、「TPPについては色々問題があると言われていますが…」と言って、そこから先には決して触れない事です。
問題ってなんだろう、とは思わせても、その問題が何なのかは、決して言葉にはしません
いま、頑張っていると思われる、テレビ朝日の『報道ステーション』や、TBSの『NEWS23』ですらそうです。

Twitterでは、よく目にする『ISD条項』『毒素条項』などの文字。
Twitterでは、140文字という字数制限のため、詳しい内容や解説は、書いてありません。
テレビのニュース番組に期待するのは、その詳しくて解りやすい説明や解説ですが、『毒素条項』や『ISD条項』などの言葉すら出て来ません。

それこそ、池上彰さんが、二時間番組で解りやすい解説をしないのが、不思議です。

TPPに詳しいジャーナリストの堤未果 (@TsutsumiMika) さんによると、

TPP についてのコメントや解説を、求めて呼ばれた場合でさえ、
東京のキー局では、ISD条項などの毒素条項について、話すことが許されないとの事。


今年(2015年)の7月24日の「報道ステーション」に、堤未果さんご自身が出演されて話されていたのが、唯一かも知れません。

そこで、自分自身で、堤未果さんを始めとするTPPに詳しいジャーナリストのみなさんの、ブログやHPを出来るだけたくさん観て、
自ら勉強したことを連ツイし、自らまとめましたので、ぜひご覧下さい。

ちょっとその前に、安倍自民党政権による、TPP参加への経緯を、おさらいしておきましょう。

2013年2月22日、民主党から政権の座を奪い返したばかりの安倍首相と、再選されたばかりのオバマ大統領の、初顔合わせとなる日米首脳会談が行われましたが、
その一月ほど前の、スイスのダボス会議で、カーク通商代表が茂木経産相に、「日本車の輸入関税を続ける」と通告されていたのです。
つまり、「聖域化」は既に決まっていたわけで、さらに重要な点は、

工業品の代表である自動車に、関税を残すというのでは、
政府がうたう、TPPの関税の撤廃や引き下げによる「高いレベルの自由化」が、まやかしでしかないという事がよく判ります。


TPP関連では、安倍首相はひらすら、「交渉に聖域がある」という言質をオバマに求め、
「関税撤廃に聖域」があるかのような表現を、共同声明に入れてもらいました。
国内を説得するためだったのです。

安倍首相が言うTPPは、関税の撤廃による貿易の自由化などではなく、その焦点は、「非関税障壁」なのです。

自由貿易というからには、競争は有ってもかまいませんし、自国や、自国の企業に有利になるように、交渉するのも理解できます。

問題は、非関税障壁を取り払うための、その手段であり、方法なのです。
米国は、TPPに、「毒素とも言える条項」を仕込んでいるのです。


テレビが、TPPが関税の問題であり、農業だけが唯一影響を受ける分野であり、一般の庶民にとっては、輸入食材が安くなり喜ぶべき事であるかのように報道するのは、
この毒素条項から目を逸らすための、印象操作であり、官邸の報道管制と情報統制です。

(*まうみ注・↓以下は、S_Shmizu @cap58020さんが、2015年10月21日にツィッター上で説明してくださった、TPPの『毒素条項』の実態と日本社会への影響について)



TPPの毒素条項は、上記のものだけではありません。
その他にも、以下のものがあります。
・未来の最恵国待遇
・ネガティブリスト方式
・規制必要性の立証責任と開放の追加措置

等があります。
この3つも、恐ろしいものには違い有りませんが、最初にあげた4つは、特に重要、かつ深刻な影響を与えるものですので、この4つに絞って、次から説明していきます。





















次からは、ここまで説明してきた4つの毒素条項が、現実の日本社会にどんな影響を及ぼすか、具体的例を挙げて説明していきましょう。













実は、この程度で済めば、まだマシと言えるかも知れません。
TPPの24分野の中に、知財(知的財産権)というものがあります。
これは、単に映画や音楽ソフトの特許期間の問題だ、と思っているなら間違いです。

日本では、医療方法の特許性が認められていなかったので、連想しづらいでしょうが、
米国では、手術方法(術式)、治療方法、診断方法ともに、特許の対象となっているのです。
ただでさえ高額の手術費用に加え、アメリカで考えられた術式には、さらに高額の特許料が、必要になるかも知れないのです。



知財(知的財産権)で、医薬品の特許期間が延長されるようになると、事実上ジェネリック薬品は市場から姿を消し、さらに薬価が跳ね上がります。
年金生活者などの高齢者や、病気があって働けず、生活保護等で暮らしている人や、働いていても貧困に苦しむ人にとっては、比喩では無く、現実に死活問題です。

さて、ここからは、「世界一の食料輸入大国」日本の輸入食品と、その食の安全に、TPPの『毒素条項』がどのように影響してくるのかについて、解説していきます。

















上記のツイートで、モンサント社製の農薬『ラウンドアップ』を「ネオニコチノイド系」と記していますが、「グリホサート系」の間違いでしたので訂正します。

ついでに、この『ラウンドアップ』について、少し紹介しておきたいと思います。

世界中の庭、農場、公園などで使用されているラウンドアップは、モンサント社が開発し、1970年代から販売されて、長い間一番売れている除草剤です。
しかし今、研究者らは、ラウンドアップの不活性成分(補助成分)のひとつが、ヒト細胞、特に胎芽、胎盤、臍帯の細胞を、殺すことができることを発見しました。

現在まで、ほとんどの研究は、ラウンドアップ中の不活性混合物よりも、主成分であり活性成分の、グリホサートの安全性に向けられてきました。
しかし、この新たな研究で、科学者らは、ラウンドアップの不活性成分が、農場や芝生で使用されているものよりもはるかに希釈された濃度であっても、ヒトの細胞に、有毒影響を増幅することを発見しました。

ある特定の不活性成分、POEA(polyethoxylated tallowamine)(非イオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアミン)は、
ヒトの胎芽、胎盤及び臍帯の細胞に対して、除草剤自身よりもはるかに毒性が強く、
研究者らはこの発見を、『驚くべきこと』と呼んでいるようです。
さらに、
『市場で入手できる、企業秘密のこの混合物は、ラウンドアップ処理された大豆、アルファルファ、トウモロコシなどの作物や芝生、庭などの残留レベルであっても、細胞を損傷し殺すことすらある』とも。

そして、『ラウンドアップ』の主要成分の、「グリホサート」についての最新の情報ですが、
世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)が、2015年3月下旬に発表した報告書では、
ラウンドアップの主要成分であるグリホサートは、5段階ある発がん性分類リストのうち、上から2番目にリスクが高い、「発がん性が疑われる」(2A)カテゴリーに分類されました























本来、検査結果が出るまでは輸入を認めない、というのが、検疫検査のあるべき姿です。
『検査結果が出た時点で、既に食べてしまっていた』というのでは、検疫検査の意味がありません
日本は、「世界一の食料輸入大国」でありながら、食の安全確保のための、輸入食品の水際での検査態勢が、不十分です。

最低でも、検査率を5割にあげるべきで、そのためには、食品衛生監視員を、最低でも約3000人体制に強化しなければ、対応できません。

しかし、安倍自民党政権は、現在の399人から増やす気は、まったく無いようで、
TPPにより、輸入食品が今より5割近くも増えた後も、ほぼ100%を、検査無しで流通させることを考えているようです。















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野菜天国

2016年11月01日 | ひとりごと
前にもここで紹介した、コミュニティ農場。


親友ののりこちゃんが暮らす町の、住民の人たちの支援で成り立っているオーガニック農場。
毎週火曜日と金曜日が、新鮮な野菜をいただく日になっていて、会員の人たちは自分の都合の良い方の日を選んでやって来る。
各野菜に、何パウンドまでとか、何個までという表示が書かれていて、各自それぞれ秤で計っては、せっせと袋に詰めていく。
のりこちゃんは、ここの農場の空気がひときわ美味しくて気持ちがいいからと、火曜日の朝からここに来て、野菜やハーブの収穫の手伝いをする。
そんな人は多分、のりこちゃんだけで、だから農場の人はみんな、彼女のことが大好きだ。

で、そののりこちゃんは今、沖縄にいる。
5年ぶりのウチナーンチュ大会が開かれたからだ。
だからわたしが彼女の代わりに、今週のお野菜をいただきに行くことになった。

******* ******* ******* *******

今日は天気も上々。
さあ出発!と道路に出ると…なんでこんなお山が…。


大きな木が多いので、秋の落ち葉の季節はどこも大変。
毎年、こういう落ち葉の山を見ると、ついつい飛び込みたくなったり、焼き芋がいくつできるだろう、などと夢想する。

高速道路を40分ほど走ってのりこちゃんの町につながる出口から降りると、いきなりのんびりとした牧場や、畑の風景が続く。

あ、新鮮卵の販売?!


残念…もう営業してないっぽいとがっかりしてたら、目の端っこに動くものが…あれれ?あの方々はいったい…?



農場に着いた!


休耕している側の丘。


別の休耕中の広場。


ああ、ほんとに気持ちがいい。


秋の進み具合が、うちの町より2週間ばかり早い。


同じニュージャージー州なんだけども、トランプを支持している人ばっかりで、ちょっとびっくりした。


帰りの道で出会った牛さんや豚さん、とっても気持ち良さそう。







今日の分け前。







こんな素晴らしい野菜をいっぱい、作ってくださった人たちに感謝!
お天道さまに感謝!
そして、すっごくたくさんのお裾分けをしてくれた、のりこちゃんに感謝!
いくらなんでも食べきれないから、柔らかな葉っぱものは、歩美ちゃんに食べるのを手伝ってもらおう。
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日本語正文の無い、国民の暮らしの隅々にまで影響を与えるTPP協定の、承認強行決議を狙う愚かな与党議員

2016年10月31日 | 日本とわたし
昨日は興奮し過ぎて、プチ徹夜をしてしまいましたので、今日は文章や画像をお借りして、緊急の、暮らしを直撃するTPP協定についてお話します。

TPP協定文は、8400ページもあります。
そのうち、日本語に訳されている部分は、たったの3分の1程度です。
当然ながら、自民党・公明党の与党の議員たちのほとんどは、その内容をほぼ、はっきり言って全く、理解できていないことは明らかです。
読もうともしていない、と思います。
そのような、全く理解できていないもの、理解しようとしても不可能なものを、分かったようなふりをして、国会で強行採決しようと狙っています。

でも、巷には、こんなにも、TPPについての問題、恐ろしさについて、情報があふれているのですから、
もし議員がまともな神経を持ち、自分の職務について責任を感じているのなら、せめて日本語で書かれた内容を、読もうとするはずです。
そしてもし読んだら、何が何でも採決を阻止しなければ、と思うはずです。

なので、今の国会には、特に自民党議員には、そういう常識や倫理が、全く存在していないように見えます。
ここまで何でもかんでも右に倣え、上に従えといった政治は、見たことがありません。
本当に、かなり危険な崖っぷちに、日本は追い込まれてしまっていると思います。
強行採決は、明日の11月1日にも、行われる可能性が出てきたと聞いています。
みなさんには、まだできることがあります。
議員事務所に足を運んでください。
電話をかけてください。
ファックスを送ってください。
メールを送ってください。

わたしたちの暮らしを破壊するなと。
自分で理解もできていないくせに、賛成などするなと。



Kenta Ohashiさんが、フェイスブック上でまとめてくださっていた、非常に分かりやすい『TPPについて』を紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ










========
TPPで変わること
========


産地偽装はなくなります。
だって、産地表示がなくなるから。
 
軽自動車はなくなります。
だって、アメリカ車が売れなくなるから。
 
日本の保険はなくなります。
だって、外国の保険が売れなくなるから。
 
地元で仕事、なくなります。
だって、安く移民も雇いたいから。
 
セーフティネットなくなります。
だって、お金にならないから。
 
ぼくらのお金はなくなります。
だって、お金持ちに行くようになるから。
 
全部、仮定の話です。
だって、黒塗り読めないから。
 
だけど、本当の話です。
だって、資本家のための物だから。
 
TPPが話題です。
ぼくはTPPに反対です。
 
助け合うことが必要です。
支え合うことが大切です。

 
 
========
TPPとは
========


◆TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)

TPP協定は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの、計12カ国による包括的な経済連携協定。

  
<メリット>
○ 関税の撤廃により、貿易の自由化が進み、日本製品の輸出額が増大する。

○ 整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては、企業内貿易が効率化し、利益が増える。

 

<デメリット>
○ 海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。
○ 関税の撤廃により、米国などから安い農作物(特に米)が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。

○ 食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。

○ 医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や、医療格差が広がると危惧されている。

 

<問題点>
貿易の自由化により、日本の輸出額が大きくなると言いつつ、米国産業が大量に関税上乗せ無しで入ってくるので、
外需は拡大しても、内需は崩壊する可能性が高い。

将来、国民皆保険が無くなり、民間の保険に入らないと、無保険状態になる可能性がある(オバマケア次第かも)。
それでなくても、日本の民間保険は、外資参入によって壊滅する恐れがある。
セーフティネットの崩壊
所得の少ない人は、病院に通うことが難しくなる

残留農薬、産地表記など、食の安全基準が、各国足並みを揃えることになる。
あくまで企業の利益を大きくする狙いなので、大量生産・大量消費を促すために、経済活動にとって不利益になる安全基準が、軒並み排除される
 
○ 安い人件費を確保するため、移民受け入れが促進される可能性がある。
地元で、地元の人間を雇用する保証制度なども、廃止の可能性がある。
 
地産地消の学校給食は、自由貿易に反するとして、条例を取り消される恐れがある。
結果として、外国産の食品が給食に並び、地方農家が大打撃を被る
 
などなど…。
 
 
========
国際条約は日本の法律よりも憲法よりも上の法。
========


そんな国際条約に、グローバル企業の利益を確約するための条例が盛り込まれれば、
「健康で、文化的な、最低限の生活を営む権利」が、大きく脅かされることになる。
 
更に、一度決まったことは、どんなに国民にとって不利益があっても覆せないという、ISD条項(ラチェット条項)が盛り込まれている
 
「社会のための企業」から「企業のための社会」へ。
 
お隣、韓国では、2012年に、TPPに先行して、アメリカとFTA(自由貿易協定)を締結している。
その結果、韓国で利益をあげたアメリカの投資ファンドに、課税を課したところ、
逆に5000億円の賠償を請求され、更に、「自由貿易に反する」という理由で、63の法律が、改訂に追い込まれている
 
つまり、韓国では既に、FTAにより、企業が国より上に立ち、法律を変えることができる状態になってしまっている

 
******* ******* ******* *******

続いてこれは、狐狸庵居士さんが書いてくださった、国連人権理事会の『独立専門家』の方が発表された、要請文の内容です。
この要請文は、今年の2月2日に出されたものです。
その文章を、翻訳してくださったのが、狐狸庵居士さんです。

↓以下、転載はじめ

署名も批准もするな! 
TPP署名式の直前に、国連が、各国政府にたいして異例の呼びかけ

【百々峰だより】2016年2月24日
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-254.html

国連人権理事会の「独立専門家(Independent Expert)」である、アルフレッド・デ・サヤス氏(Alfred de Zayas)は、
TPPの署名式が直前に迫っている、2016年2月2日に、関係各国政府に、署名も批准も拒否するよう要請しました
 
国連機関が、このような「署名拒否」「批准拒否」の要請をおこうなうことは、極めて異例のことであり、
TPP「環太平洋連携協定」と呼ばれている貿易協定が、いかに人権と国家主権を踏みにじるものであるかを、如実に示すものとなりました。

 
しかも、この協定の正文は、英語・スペイン語・フランス語のみで作成され、5000頁をこえるものなのに、日本語で正文が作成されていません
ですから、与党の国会議員どころか日本政府の閣僚も、ほとんど内容を知らないのです。
にもかかわらず、彼らはこれに賛成し、署名と批准に、狂奔・邁進しています。
 
カナダは、TPP協定書として、英語だけでなく仏語のものも、正文として作成するよう要求しました。
これは、ケベック州が、英語だけでなく仏語を公用語としているからです。
ところが日本は、アメリカに次ぐ巨大な経済力をもち、日本が脱退すればTPP協定が成立しないにもかかわらず、
日本語による正文作成を、要求しませんでした

 
安倍政権は、選挙スローガンとして、「美しい日本をとりもどす」と叫んでいましたが、
日本語による正文なしの交渉では、国益を守れるはずはありません
「豊かな日本を売り渡す」ことになるだけです。
このような姿勢は、大学院博士課程までも日本語で教育できるにもかかわらず、大学を「英語化」しようと狂奔している、文教政策と瓜二つです。
 
それはともかく、以下は、人権・健康・環境に、巨大な悪影響をおよぼす危険性があるとして、TPPの「署名拒否」「批准拒否」を呼びかける、
国連人権理事会「独立専門家」アルフレッド・デ・サヤス氏の声明文を、私が翻訳したものです。
英語原文は、下記URL(国連人権高等弁務官事務所)にあります。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=17005&LangID=E

国連人権理事会「独立専門家」デ・サヤス氏の、TPP 「環太平洋連携協定」に関する声明

Statement by the Independent Expert on the promotion of a democratic and equitable international order, Alfred de Zayas,on the upcoming signing the Trans-Pacific Partnership

貿易は、それ自体が目的ではなく、国際的な人権体制の文脈で見られる必要がある。
なぜなら、それは各国に、拘束的な法的義務を課すものだからだ。
貿易協定は、「孤立的な」法制度ではなく、透明性と説明責任を含む、国際法の基本原則と合致しなければならない。
それらは、人権条約の履行義務を遅らせたり、回避したり、弱体化させたり、実行不能にさせたりするものであってはならない。

私は、世界中の市民社会が、圧倒的に反対しているにもかかわらず、TPPに参加予定の12カ国が、条約に署名しようとしていることを、憂慮している。
なぜなら、それが、多様な利害関係者と民主的な協議をすることなしに、秘密裏の交渉でつくりあげられた産物だからだ。
したがって、TPP(Trans-Pacific Partnership「環太平洋連携協定」)は、根本的な欠陥があり、署名または批准すべきではない。
今のところ条項には、各国による規制や、修正の余地がないからだ。

議会は、 TPP署名の事前と事後に、人権・健康・環境への影響評価が、確実におこなわれるようにするうえで、重要な役割を担っている。
また、TPPから脱退しても、「国家として生き残る」ことができる条項が、条約の中に組み込まれていることを保障させるという点でも、議会の役割は極めて重要だ。

国連「人権理事会」にたいする、私の2015年報告書(A/HRC/44/30)は、
この貿易協定の、時代遅れのモデルの主要な法的問題を説明し、21世紀にふさわしい、総合的な貿易協定をつくりだすよう要請した。
それは、人権と発展を条項のなかに組み込んだ、新しい型の貿易協定だ。
また、報告書には、具体的な「行動計画」も含まれており、人権と発展を犠牲にすることなく、貿易を発展させる戦略も提起されている。
また、その「行動計画」は、そのような貿易が、持続可能となるような指針も、定式化している。

国連総会にたいする私の2015年の報告(A/285/70)では、
「投資家ー国家紛争解決(ISDS:Investor-State Dispute Settlement )仲裁条項」は、根本的に不均衡、かつ不正・不当なものだととして、その廃止を呼びかけた。
なぜなら、この条項によれば、この特別法廷では、投資家は政府を訴えることができるのにたいし、政府は投資家を訴えることができないからだ。
貿易と投資の紛争は、国家の司法権、および国家対国家の司法体制にもとづきながら、法の支配の下で解決することができる。

ISDSをめぐる、最近30年間の憂慮すべき経験は、投資家と国家の間に、重大な非対称性があったことを示している。
これは、将来の貿易協定で、繰り返されてはならないことだ。
いま残されている選択肢は、 市民社会が要求しているように、現状のままではTPPに署名しないか、署名しても批准しないことだ。
それが、民主的に選出された、議会の責任である。

もし、TPPが発効すべきものであるならば、それが国際法に合致しているかどうかは、国際司法裁判所(ICJ:the International Court of Justice)で争われる必要がある。
ICJに要請すれば、ICJは今すぐにでも、勧告的意見を出すことができるだろう。
というのは、貿易協定と国連憲章との間に矛盾がある場合(これには国家の主権、人権、開発にかかわる条項が含まれている)、国連憲章が優先させるべきだと、ICJは宣言しているからだ。

世界中の監視団は、TPPに反対している。
なぜなら、それは、出発したときから、国際人権規約ICCPR(the International Covenant on Civil and Political Rights「市民的および政治的権利に関する国際規約」)の19条、および25条にたいする明確な違反であり、
それがもたらす「規制恐怖」‘regulatory chill’のゆえに、国家が不当な企業活動を、規制できなくなるからだ。
にもかかわらず、今や、企業のロビー活動家たちは、TPPを、署名のテーブルにまで持ち込むことに成功している。

もし、全ての関係12カ国で、TPPの賛否を決める国民投票が実施されれば、満場一致で拒否されることは、確実だ。

各国の貿易大臣が、2016年2月4日、難問山積のTPPに署名する目的で、ニュージーランドのオークランドへ集まってきたが、
署名式を前にして、私は、TPPの当事国政府にたいして、
「人権条約を遵守する義務」、および「持続可能な開発目標(the Sustainable Development Goals)を達成するという当事国の最近の公約」を再確認し、それを公に表明することを、ここに強く要請するものである。


<註1> 
アルフレッド・デ・サヤス氏(米国)は、国連の、「民主的で公正な国際秩序を推進」に関する、最初の「独立専門家」として、
国連人権理事会によって任命され、2012年5月に仕事を開始した。
氏は現在、ジュネーブ外交大学院の、国際法教授である。
詳しくは、下記を参照。
http://www.ohchr.org/EN/Issues/IntOrder/Pages/IEInternationalorderIndex.aspx

<註2>
前述の通り、TPPの協定文には、日本語による正文がありません。
しかも、5000頁をこえる大部のものです。
そこで、山田正彦氏(元農林水産大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)や内田聖子氏(アジア太平洋資料センター事務局長)などが中心となって、「TPPテキスト分析チーム」が起ち上げられました。
この集団によるTPP協定文の詳しい分析は、下記にあります。
アジア太平洋資料センターに掲載されている【TPP協定文分析レポート】
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/tpptext201601.html
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日本からやって来た、すてきな若者たちと語り合い、感じたこと思ったこと

2016年10月31日 | 日本とわたし
もう零時をとっくに過ぎたので、HAPPY HALLOWEEN!!
(この二人が大統領選挙を闘っているってことが、マジでHALLOWEEN?!なアメリカ…)


さて今日は、日本からやって来た、すてきな若者たちに会いに、マンハッタンまで出かけました。







どっきょくん、愛基くん、まなちゃん、塩田くんの4人です!
SEALDs時代からずっと、ずっとずっと、画面の中の彼らと一緒に、怒ったり笑ったり泣いたりしてきたので、
今回、わかちゃんとどっきょくんが作ってくれたこのチャンス、にゃんとしても逃してなるものかと、発表会前の準備もほったらかして行って来ました。

彼らは、あと1週間に迫ってきた大統領選挙の様子を、生で体感してみたいということで、アメリカのあちこちに出かける予定なのですが、
バーニー・サンダーズの選挙活動に参加したわかちゃんの経験談や、こちらの選挙に対する市民の実態を聞きたいということで、
超過密スケジュールの合間を縫って、この食事会&お話会に参加してくれたのでした。

愛基くんもまなちゃんも、そして関西の塩田くんも在米のどっきょくんも、何の土壌も無いところから大きなムーブメントを作り上げた、あっぱれな若者なのだけど、
彼らがあっぱれであればあっぱれであるほど、負のエネルギーを背負った人間がワラワラと寄ってきて、
その背負っているネガティブ玉を、ガンガンと投げつけてくるという、困った現象が起こりやすい社会だから、
彼らの疲弊はもちろん、それでもなんとか立ち上がるんだと、自分を鼓舞し続けなければならない環境の厳しさを思うと、
よくもまあ、とりあえず元気そうで(もちろん時差ぼけで少々眠そうだったけど)、新しいアイディアを形にするために模索する気力を保っていることよと、
多分、彼らのお母さんよりもちょいと年上のおばちゃんのわたしは、嬉しいやら誇らしいやら、彼らの顔を眺めながら、ジーンとしていたのでした。

日本の政治活動には、悲壮感が漂い過ぎている。
考えや思いが、少しでも違ったりズレたりすると、会話がそこでストップしてしまうか、最悪の場合は、それまで培ってきた関係までも絶たれてしまう。
選挙というものに、市民が参加できない、しにくいシステムが作り上げられてしまっている。
政治的な運動に使う映像が、まだまだダサい。
視覚に訴えるものだから、お洒落な、あるいは新しい感覚のビデオを作ると、非難される。
市民活動というものが、まだまだ定着していないので、選挙の時だけ大慌てで活動し、そして選挙が終わったらスーッと消えてしまう。

そういう問題をなんとか解決できないものかと、彼らは戦略を考えている真っ最中なのです。
そこで、アメリカ在住組の女子たちと、オキュパイ運動に参加している人たちを撮り続けてきた黒田さん、そして内田くんが、こちらの様子を語りました。

まずは貴重な経験をしたわかちゃんから。
彼女は、バーニーのラリーを見たことから、彼に興味を持ち、ボランティア事務所に出向いたのだけど(ここが彼女の"まずは体当たり"のすごいとこ)、

でも、選挙権を持っているわけでもないし…と、さすがに中に入る勇気がなくてウロウロしていたら、
中にいる人から声をかけられて話をしているうちに、ボランティアすることになったそうです。

やることになったのは、ボランティアをまとめている事務所の手伝い。
なので、ボランティア運営方法を間近に見て、やり方を理解できるようになったわかちゃん。
ウェブサイトで何回となく見てきた、バーニーのボランティア運営の実際を、細かく知ることができたその話は、とても興味深かったです。

彼のウェブサイトの最初の画面に現れてくるのは、まず募金です。
金額はなんと5ドルから。
もちろん上はいくらでも大歓迎なのでしょうけれども、あなたがしようと思う金額はいくらですか?と、直球で聞かれます。
わたしは(金額的にちょっとトホホなのですが)、この5ドル募金を何度もやりました。
その募金をやった後に出てくるのが、ボランティア募集のページ。
そこには、事細かに、どのようなボランティアがあるのかが書かれてあって、そこから選べるようになっています。
電話かけには、シンプルで分かりやすいマニュアルが用意されていて、それを元にして話を進めます。
でも時には、話がうまく進まないような場合が出てきます。
そうすると、ボランティアの前に設置されたモニターに、こう言ってごらんと、答える言葉が打ち出されてくるのだそうです。
余計な事は一切言わない。強制もしない。
電話かけをする時間割は、1時間ごとに区切られていて、そこから自分のやりたい時間を選べるのだそうです。

そして(これはわたしの経験談なんですが)、一度でも募金をしたり、名前を登録したりすると、
『近所のスタバの前で募金活動するけど、来る?』とか、
『どこそこのお家で、支援ポスター作るけど、来る?』、みたいな調子で、
毎日のように、知らないけれども結構近所に住んでる、別に運動員でも何でもない人から、メールが送られてくるようになります。
行きたかったら行く、やりたかったらやる、やれる時間が合えばやる、というノリで、だからちっとも重荷にならないのです。

アメリカも(というか、特にアメリカは、とも言える)てんこ盛りの問題を抱えている国だけども、
政治が毎日の暮らしに染み込んでいる度合いは、日本のそれよりもうんと高いです。
小学校の低学年のクラスで、『大統領への道』なんていうテーマで、候補者になるにはどうするか、などということを、ちびっ子たちが学んでいます。
中学高校では、討論クラブというものがあり、自分が望んでいない意見を自分の意見として会話を進めたりしながら、
どのような状況でも、気持ちをブレさせず、冷静に最後まで討論を続けることができる能力を競う大会があったりします。
だから、当然のように、政治のこと、議員のことなどが、子どもから大人まで、普段の会話にガンガン登場します。
選挙が近づこうものなら、毎日の挨拶代わりに、候補者の名前や政策について、短い会話を交わします。
「今日は天気がいいよね〜」と言ってるぐらいの気軽さで。

そして何より、討論をしている間に、違う意見、納得がいかない意見が相手の口から発せられても、
それはそれとして聞き、だからといって感情的になったり、拒否したりせずに会話を続けることができます。
たとえ感情的になるようなことがあっても、すぐに切り替えることができます。
そしてその、討論能力は、家庭の場で、学校で、職場で、まだ小さい子どもの時から、繰り返し繰り返し習得されていくものなので、
それが色々な場で、色々な人種の間で、色々な文化や言葉や立場の違いを乗り越えて、会話の終わりに、いい話ができたねと、にっこり笑って別れることができるのです。
だから、最終的に同じ思いである、同じ方向に進もうとしている、同じ目標を目指しているのならば、
性質ややり方や考え方や計画に、ズレがあったり相違があっても、いい関係やつながりを保っていけるので、
運動の幅や深さが、どんどんと大きくなっていき、人の動きも多様性を増していくことになります。

そういう運動の一部として、町や市の議会に頻繁に足を運び、議会を監視する人が多いし、それは有権者として当たり前の行動だと思っています。
そうかと思えば、自分たちの考えや要求を聞いてくれと、自分たちの家に議員を呼び、話をし、それについて議会で話し合って採決してくれと迫ったり、
その採決の行方をめぐっては、もちろん議会に足を運び、それに反対するような議員は、次の選挙は無いものと思えとばかりに鋭い視線を注ぎます。
その迫力たるや…何回も目の当たりにしましたが、議員がとてもナーバスになっているのがよく分かります。

などなどの話をしているうちに、これってはっきり言って、日本会議がこの50年もの間、コツコツと積み重ねてきた運動じゃん!という結論に至りました。
日本会議は、とても民主的な運動でもって、非常にひん曲がった方向に、日本を動かそうとしてきました。
方向は間違っているけれども、方法はお手本にできる。
日本会議にできることは、わたしたちにもできる。
わたしの中に、そんな希望が、ふつふつと湧いてきたのでした。

「体が少なくともあと5つ欲しい」と言った愛基くん。
「ひどい言葉や、卑猥な画像を送り付けられたりして、SNSを閉じました」と言ったまなちゃん。

SEALDsの中心に立っていた若者たちの中には、そういった度を越した中傷や言葉や映像の暴力を受け、心を病んでしまったり、活動を一切止めてしまった人もいます。
さらには、就職活動を妨害されたり、運動を理由に、採用を拒否された人もいます。
なんて悲しい社会でしょうか。

それでも、いや、だからこそ、まだまだやっていきたい、やり続けなければならない。
結果は、自分たちの世代では出ないかもしれない。
自分たちの次、いや、その次でも、出ないかもしれない。
でも、やり続けなければ、誰かが始めなければ、それは永遠に出ないまま、どんどんと国は弱り、困り果て、いずれは消えて無くなってしまうかもしれない。
だからやる。
その誰かになる覚悟をした若者たちの目は、見つめれば見つめるほどに愛おしく、まだこちらが励まされるような力が宿っていました。

市民運動に積極的に関わっている若者にこそ、良い就職先が見つかりやすく、生活の基盤をしっかり保ちながら、さらに運動を盛り上げていける環境がある。
そういう社会を実現させなければなりません。

なぜならば、世界の問題解決よりもまず、自分を取り巻いている問題を解決しないと、何も始められないし考えられない。
自分が生活していけるかどうかもわからないのに、そんな世界の問題について考えるような、そんな余裕なんて無い。
これは、愛基くんが沖縄時代に過ごした、彼と同年代の若者の言葉です。
だから動けない。
まずは今日、明日の暮らしを成り立たせないといけないから。
高江や辺野古に、沖縄の若者の姿が無いと、不満や疑問を投げつけてくる人がいるけれど、そういう現実があることも知って欲しい。

若者の閉塞感、貧困を、まずなんとかしなければなりません。
そういうところに目を向け、素早い政策を実行し、結果を出せる人を、政治の舞台にどんどん上げていかなければなりません。
政治家の政策を待つのではなくて、こちらから政策を政治家に与え、それを実行させる。
困っている若者が、自分たちの暮らしの向上を実現するための政策を政治家に与え、それを実施させる。
それぐらいの強い態度を見せていかないと、政治家はどんどんこれからも劣化していってしまいます。

公職選挙法も、世界一高額な供託金制度も、学校の教育も、国会での質疑応答の猿芝居方式も、記者クラブ制度も、
どれもこれもが、市民を政治の世界に近づけないようにしよう、近づきにくくしようというものばかり。
もう国ぐるみで、あえて言えば国策で、政治をどんどん質の悪いものに、非民主的にしていこうとしているのですから、
そんなものを相手に闘おうというのは、相当な根気と体力と楽観力が必要になってきます。
だから、ひとりやふたりにお任せ、というふうにしてはいけない。
責任者にならせてはいけない。
いったい誰が、どこで、どんなふうにやってるのかもあやふやな、だけでも誰かが、どこかで、何かをやってるというような、
良い意味での『顔無し』『名無し』が、いろんな思いや願いを抱えながら、同じ目的に向かって協力し合っていく。
そんな多様多彩なムーブメントが、日本全体津々浦々で、じわじわと広がっていく様を、
わたしはこれからも、強く願いながら、彼らのような素敵な若者たちを、心から応援していこうと思います。

今日は、逢えて本当に嬉しかった。
楽しい時間をありがとう!


食事のあと、次の訪問先へのフライト待ちを使って、チェルシーマーケットまで出かけることに。




せっかくだから、記念写真!
どっきょくん、荷物デカ過ぎ!




チェルシーマーケットは、思いっきりハロウィーン仕様。






さて、ニューヨーク組は、「ダコタパイプライン建設反対アクション・マネキンモブ」をすることになりました。
12月最初の週末ということで、その頃わたしは日本から戻ったすぐで、マネキンやってる間に、目が白目になってしまうかもしれないけれど、がんばるぞ!


*おまけにしちゃってごめん!
どっきょくんの、アメリカ大統領選のリポートです。
彼が自分の目で見て、足を運んで、参加者へのインタビューもして、感じたこと、考えたことを書いてくれています。
↓以下の各写真をクリックしてください。リポートが出てきます。


http://sealdspost.com/archives/4660

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忙しい時こそ心に栄養を!

2016年10月30日 | 音楽とわたし
うちから車で15分のところにあるNJPAC(NEW JERSEY PAFORMING ARTS CENTER)。
ここに来るたびに、ああ、もっと来るべきだよねーという気持ちになる、とてもいいホールだ。
今夜は、ずぅっと楽しみにしていたYuja WangとLondon Symphony Orchestraの共演。
ワーグナーの Overture to Die Meistersinger とショスタコーヴィチの Symphony No.5 をオーケストラだけで、そしてラヴェルの Piano Concert in G を共演で、というプログラムだった。

この日演奏されたワーグナーとショスタコーヴィチの曲は、偶然にも、高校から始めたブラスバンドの、コンクールや演奏会の演目だった曲で、
難しくて吹けなくて、それがまた悔しくて、唇を何度も何度も切りながら練習をしていた自分がぐんぐんと蘇ってきて、別の意味で感無量だった。
お味噌汁を飲むのが辛くて、ストロー使ってたよなぁ…。
このフレーズのあの部分が、朝練しても昼練しても夜練しても吹けなくて、家に帰って掛け布団被って練習したっけ…。

特にショスタコーヴィチのシンフォニー5番は、
すでに「体制への反逆者」として貶められていた彼が、スターリンの大粛清によって、友人・親類たちが、次々に逮捕・処刑されていく最中に作曲されたもので、
そのために、思想の発露は抑えめに、または隠して、それでもなお溢れ出る思い、願い、怒りや悲しみが込められている。
演奏していた時は、そのような話を聞いてもピンと来ず、ただただ必死に、曲の難しさに挑戦していたのだが、
社会の歪みや問題が、毎日毎晩、これでもか、これでもかというように現れてくるのを目の当たりにして、
この世にはなぜ、どう考えても間違っていること、存在してはならないことが、堂々とまかり通っているのだろう、
自分はそれらのことに対して、あまりにも無力だけれども、でもどうにかして対峙できる力を身につけたいと切に願うようになったわたしには、
この曲のメロディそれぞれが、各パートが奏でるハーモニーが、パーカッショニストが打つ響きが、
体制に虐げられている、あるいは虐げられていることにも気づいていない人たちのいろんな感情となって、わたしの胸の奥深くにまでしみてきて、何度も涙ぐんでしまった。

ユジャは、またまたさらに進化していて、もうほんとに、言葉で言い表すのが大変。
今回は(も)、三階席の真ん中($25)だったのですが、彼女の恐ろしいほどに美しいピアニッシモを、十分楽しませてもらった。
ただ弱いのではなく、そよそよと吹く風のようであったり、木霊のささやきのようであったり、月の光のようであったり、深海の闇のようであったりする。
そしてもちろん、あの超絶技巧をふふん♪♪と軽く弾いて見せるテクニック…ほんと、マジで人間とは思えない。
オーケストラとの共演が終わった後、休憩に入る予定だったのですが、アンコールを切望するわたしたちに、なんと3曲もサービスしてくれた。
ユジャ、また追っかけするからね!


撮影禁止なのですが、係員がいなくなった隙に携帯でこっそり。
ワーグナーの演奏前。


ラヴェルの演奏前。


ショスタコーヴィチの演奏前。


至福の時を過ごさせてもらった。
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過労死と日本社会

2016年10月29日 | 日本とわたし
先日、こちらの友人と話している時に、「カローシってほんとなの?」、と聞かれて驚きました。
その人はある日、ウォールストリートジャーナルの紙面上に、"KAROUSHI=DEATH BY OVER WORK"という言葉が載っていて、
それを読んで、その言葉の意味は分かったものの、「だから余計に訳ががわからないの」と、聞いてきたのでした。

「ほんとだし、それも少ないとは言えない数の人が、自殺や自殺未遂を起こしてる」
「なぜ?」

その時に、雨宮処凛さんのエッセイを、英語に訳して紹介したのでした。
するとその友人は、目に涙をためて、
「絶対に間違ってる。こんなことを許す社会であってはいけない」と、かすれた声でつぶやきました。

息子たちが小学生の頃、PTAの執行部の役員になったことがあります。
その時に、いろんな案件が議題に上るたびに、次の役員の人が、今より快適に勤めることができるよう、無理の無い程度の改善策を提案したのですが、
すると必ず、
「そんな、これまでの先輩や私たちが、大変な思いをしてやってきてるのに、その人たちだけ楽になるなんて許せない」
「最近の人は甘やかされてるから、少しぐらい辛い目に遭った方がいい」
「私たちだって、介護や仕事や家事をやり繰りして、必死にやってるんだから、できないなんて言わせない」
などなど、楽にさせてたまるか!という、とても強い意思の塊が、ビュンビュンこちらに向かって飛んできました。

ああ、なんて発想なんだ…これでは全く変わらないはずだ。
わたしは驚き、憤慨し、抵抗を試みたのですが、そんなある夜のこと、エンドレスのファックスが送られてきたのです。
送り主は、2枚の用紙をテープでつなぎ、輪っかにして、こちらのファックス機が根を上げるまで、延々と送り続けられるようにしたのでした。
これはもう病んでいる。
わたしはその時初めて、恐ろしくなったことを覚えています。

マガジン9に掲載された、雨宮処凛さんのエッセイを、以下に転載させていただきます。

******* ******* ******* *******

電通過労死認定から、この国の非常識な「普通」を考える。の巻
【マガジン9『雨宮処凛がゆく!第391回』】
http://www.magazine9.jp/article/amamiya/30620/
 
また起きてしまったか…。
 
電通に勤めていた24歳の女性・高橋まつりさんの死が、労災認定された報道を受け、最初に浮かんだ言葉だ。
 
東大を出て電通に入社し、わずか1年足らずで奪われてしまった命。
生前に発信されたTwitterを見ると、睡眠時間2時間という超長時間労働や、上司によるパワハラなどの、過酷な実態が浮かび上がってくる。
そうして昨年クリスマス、彼女は寮から飛び降り、還らぬ人となってしまった。
 
報道などでも触れられているように、電通では、1991年にも、入社1年5ヶ月の24歳の男性社員が自殺している。
この事件について、私は20代の頃、裁判記録を読み込んでいる。
そうして、当時の自分が書いたものを、改めて読み返すと、今回の事件とのあまりの類似性に、頭がクラクラしてきたのだった。
 
例えば、長時間労働。
 
亡くなった高橋まつりさんは、SNSで、
「もう4時だ 体が震えるよ… しぬ もう無理そう」
「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」と書いている。
 
一方、91年に亡くなった男性社員の、長時間労働も凄まじい。
男性は、91年8月に自殺したのだが、4〜5日に一度の割合で、深夜2時過ぎまで残業し、
亡くなる直前の7月、8月は、3〜4日に一度の割合で、朝6時半までの残業を強いられている。
連日の睡眠時間は30分から2時間半という、状況が続いていた。
 
そんな過労状態によって、男性は追いつめられ、「自分は役に立たない」「人間としてもう駄目かもしれない」などの言動が見られるようになる。
また、無意識に蛇行運転をしたり、パッシングをしたりといった行動もあり、「霊が乗り移った」などといった言動も見られるようになった。
顔色も悪く、痩せて、顔に赤い斑点ができるようになり、喉やコンタクトレンズの不調を訴えていたという。
 
翻って、高橋まつりさんの死を巡っては、上司による、「君の残業時間の20時間は、会社にとって無駄」などの、パワハラ発言も問題となっている。
一方、91年に亡くなった男性も、壮絶と言っていいパワハラを受けていた。
資料を読み込んでいて、私がもっとも衝撃を受けたのは、宴席でのハラスメントだ。
その内容は、革靴にビールを入れて飲ませる、というもの。
飲まなければ、靴の踵で叩くのだという。
上司は、「面白半分に」やっていたと、証言している。
 
この事実を知って、私は、日本の企業社会が、心の底から怖くなった。
信じられないほどの幼稚さと、信じられないほどの陰湿さが同居した、部下いじめ。
 
ハラスメントは、過労死・過労自殺に、必ずと言っていいほどつきまとう。
ここまで書いて、以前取材した、過労自殺事件を思い出した。
99年、30代で、自宅マンションから飛び降り、亡くなったXさん(男性)。
彼が勤めていたのは、大手機械建設メーカー。
成果主義と裁量労働制が導入されてから、長時間労働が常態化した職場で、Xさんは、月に300時間近い労働を強いられ、弱音を漏らすようになっていく。
 
「人間には限界がある。しかし、僕の場合、もうとっくに限界を超えてしまっている」
「自然に還りたい」
「僕は自転車をこいでいるようだ。疲れていてもこぎ続けなくてはならない。もう、疲れた」
 
そんな中、上司に何度もダメ出しされ、何度もやり直した仕事が、納期に間に合わなくなってしまう。
上司は、みんなの前で、Xさんを激しく叱責。
また、この会社の社員行きつけのパブに、Xさんが行けば、そこでも上司は、Xさんを虐める。
 
このXさんのお姉さんに、インタビューさせて頂いたのだが、印象に残っているのは、以下のような言葉だ。
 
「本当は、はっきり言えば上司なんですよ。
かならず過労死って、3人くらい、上司がかかわっているんですよ。
ダメな上司が3人いると、死んじゃう。
ほかの遺族の話を聞いても、やっぱり3人なんですよ。
弟は、飛び降りる5時間くらい前に、『Bさんに申し訳ない』って言っているんですが、
そのBさんが、弟に、じゃんじゃん仕事を与えていたんです。
それから、『Aさんはイヤだ』と。
Aさんというのは、(Xさんの死後)うちに来た上司です。
もう一人、営業の人で、弟をからかっていた上司もいました。
弟がお客さんに怒られたりすると、みんなの前で、大声で、『お前が怒られるようなことやったんだろう』とか、
弟は、夜しか気分転換の場所がなかったので、お酒を飲みに行くと、そこでもやはり、みんなの前で、大声で辱める。
『こいつは、まだおっぱいが必要な奴なんだから、よろしくな』って。
これってパワハラですよね。
弟としては、人間として許せない上司が、3人もいた職場だった。
上司には、反省してくださいって言いたいです。
どういうことがあったか、逃げないで直視してほしい」
(この事件について詳しく知りたい人は、『生きさせろ!  難民化する若者たち』を読んでください)

 

ちなみにこの会社では、長時間労働が蔓延していたわけだが、裁量労働制という言葉の下、社員の労働時間を、まったくと言っていいほど把握していなかった。
例えば、Xさんの死後、会社は、「亡くなる一週間前に、2回くらい早帰りしていた」と主張していたのだが、
その2日間は、出張していたなどの事実が、明らかになったのだ。
そして恐ろしいのは、この会社では、Xさんの死の半年後、第二の犠牲者が出ていることだ。
Xさんの同僚が、自殺したのである。
 
過労死・過労自殺の問題が、他人事に思えないのは、私自身も、自らの弟の過労死を、本気で心配したことがあるからだ。
本などでも書いているが、2歳年下で、就職氷河期世代の弟は、フリーターを経て家電量販店の契約社員となり、1年後、正社員となった。
正社員になるにあたって、「残業代は出ない、ボーナスは出ない、労働組合には入れない」という誓約書を書かせた会社は、
そこから連日、17時間労働を、弟に強いるようになる。
休憩は、1日30分足らず。
みるみる痩せていく弟を、心配した私は、周囲の友人知人に、状況を説明した。
 
「それ、絶対おかしいよ」という言葉が、返ってくると思っていた。
しかし、私に投げかけられたのは、「正社員だったら、今時それくらい普通だよ」という、妙に冷たい言葉だった。
何人もに、そう言われた。
ほとんどの人に、心配すらしてもらえなかった。
 
弟が過労死するかも、という状況と同じくらい、その言葉は、私にとって衝撃だった。
そして、過労死や過労自殺がなくならない理由が、その言葉に集約されている気がした。
 
その言葉は、おそらく本人が、自分を納得させるために、言い聞かせているものなのではないだろうか。
どんなに長時間労働でも、メチャクチャなノルマを押し付けられても、今時、これくらいのことは普通なのだ。
当たり前のことで、それについていけないなんておかしいのだ。
甘えているのだ。
 
そうやって、ギリギリのところで踏ん張っているからこそ、「辛い」という人が許せない。
弱音を吐く人が、癪に障る。
「ついていけない」とか「無理」なんて、一番の禁句だと、信じ込まされているから。
 
そう思うと、時に部下を死に追いつめる「パワハラ上司」たちも、過酷すぎる労働環境の中、過剰適応の果てに、心が破壊され尽くした存在のようにも思えてくる。
部下に、靴でビールを飲ませるなんて、自らが相当「壊れて」いないと、できることではない。
 
だけど、仕事によって心まで壊され、お互いを追い詰め合う先に、一体何があるのだろう。
有能で従順な労働者になればなるほど、この国の労働環境は、逆に過酷になっている気がして仕方ないのだ。
時に誰かをいじめ殺したり、死者が出ることが前提の、組織や働き方は、絶対におかしい。
どうしてこの国の人々は、それほどに、「仕事」の優先順位が高いのだろう。
 
ちなみに、あまり仕事の優先順位が高くないというイタリアでは、2014年の大晦日、警備の警察官の8割が欠勤したという(朝日新聞2016/9/21)。
驚くが、なんだかちょっと羨ましい話だ。
 
「命より大切な仕事はありません」
 
高橋まつりさんの母親は、会見でそう言った。
日本以外の国で、それはわざわざ言葉にしなくてもいいほどに、おそらく当たり前のことなのだ。
 
15年度に、過労死で労災認定された人は、96人。
未遂も含む過労自殺は、93人。
また、今月、フィリピン人実習生の死が、長時間労働による過労死と、認定されたことが報道された。
 
もう誰一人として、過労死したり過労自殺したりしなくていい社会。
正社員だったら、死にそうな労働環境が「当たり前」なのではなく、過労死や長時間労働がないことが「当たり前」の社会。それを取り戻すためにできることを、改めて、考えている。




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次に紹介するのは、しおしおしいしお…さんが、ツィッターで流しておられた、ご自身の体験談と、その時思ったことを、
漫画にして描いてくださったものです。
わたしはこの、最初のページを読んで、ある時期の自分を思い出し、画面から目が離せなくなりました。

「別に、死にたいと思っていたわけではなかった」

でも、プラットホームの先頭に立っていると、ふと、「今一歩、一歩だけ、前に踏み出したら、もう辛くなくなる」と、
そんな言葉に押し出されるように、ふらりと体が前に揺れたことが、何度も何度もありました。
その時わたしはまだ学生で、過労というのではなかったのですが、
医者に匙を投げられ、余命を宣告され、父の借金の取り立てに励む暴力団からの、脅しの電話を受ける毎日が続いていて、
ほとほと生きているのが辛い、もちろん体もだるくて仕方がない、言いようのない疲れと絶望の中にいたのでした。
だから、疲弊と悲しみがない交ぜになった沼に、じわじわと沈んでいく自分を、どうすることもできずにただただ眺めているしかありませんでした。
そしてその眺めは、少しずつ、気が付かないうちに、暗く、狭くなっていたのです。

もし、少しでもなんとなく同じかもしれないと思うようなことがある人は、どうかお願いですから、一度しっかり休んじゃってください。
そして、寝たいだけ寝る。
異常に眠いはずです。
こんなに寝ちゃっていいのかなって驚くほど、眠るかもしれません。
でも、それでいいのです。
眠りたいだけ眠って、その後は温かいお風呂に浸かったり、温かな食事を食べて、まずは精気を取り戻してください。

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▪️「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由・その1
むかーしの体験談と、そのとき思ったこと。
よければ拡散してください。










▪️「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由・その2
イジメで自殺するような子も、同じような状況に陥ってると思います。
洗脳前に動くのが大事だ!
洗脳されかかってたら、とにかく寝るのが大事だ!








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戦争の罪悪性を説き続けられた三笠宮さま「虐殺とは惨たらしく殺すこと。つまり人数は関係ありません」

2016年10月28日 | 日本とわたし
先日逝去された三笠宮さまが残されたお言葉の数々を、フェイスブック友のHodaka Tateyamaさんが、紹介してくださっていました。
読んでいくうちに、三笠宮さまの勇気と信念に心を打たれ、これはみなさんにも知っていただきたいと思い、紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ







あらゆる面で、真実の証言です。
わたしも以前、別件の取材で出会った、元日本兵から聞きました。

「婦女子を縦に並べ、銃剣で、一度に何人も突き刺す訓練を、肝試しとの名目でさせられた」と。

その老人は、中国に出征していた人でした。

取材は、自宅で行いましたので、彼はまず、妻を居間から下がらせ、泣きながら言ったのです。

「上官からの命令で、逆らえなかった。
やらなかったら、半殺しの目に遭った。
今、初めて告白したんだ」と。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは、帝国陸軍が初年兵にやらせていた、「刺殺訓練」というものです。
事実、第59師団長の、藤田茂中将の証言として、以下のようなものが残っています。

「兵を戦場に慣らせるためには、殺人が早い方法である。
即ち、度胸試しである。
これには、捕虜を使用すればよい。
なるべく早く、この機会を作って、初年兵を戦場に慣らさせ、強くしなければならない


「これには、銃殺より刺殺が効果的である」
(新井利男・藤原彰「侵略の証言ーー中国における日本人戦犯自筆供述書」)

日本が再び「鬼畜」の道を歩まぬよう、「知る」人々は、真実を語るべきです。
命あるうちに。
偽善者の企みを、墜えさせるために。


◆週刊新潮の「三笠宮殿下」特集がすごい件
「罪もない中国の人民に対して犯した、いまわしい暴虐の数々」

【NAVERまとめ】
http://matome.naver.jp/m/odai/2144971574807356901





















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

正直、背中を押していただいたような気持ちになりました。
縁(えにし)があるような気がしてなりません。
日本のいわゆる「古代史」が、狭野尊の実際の史実と違うと、肌で感じておられた。
「その当時」に、おられたのかもしれません。
わたしはこの方に、人間としての深い愛情と、敬意を感じるからです。


↑以上、転載おわり


三笠宮さまが逝去 昭和天皇の末弟、100歳
【日本経済新聞】2016年10月27日
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16HEL_X21C16A0MM0000/

昭和天皇の末弟で、天皇陛下の叔父、三笠宮崇仁(たかひと)さまが、27日午前8時34分、心不全のため、入院先の聖路加国際病院(東京・中央)で亡くなられた。
100歳だった。
宮内庁によると、記録が残るなかで、100歳を超えた皇族は三笠宮さまだけで、史上最長寿だった。
同庁は、葬儀の日取りなどの検討を始めた。

三笠宮さまは、5月16日に、急性肺炎と診断され、同病院に入院。
天皇、皇后両陛下は6月30日、三笠宮さまを見舞われた。
三笠宮さまの症状は、いったん落ち着いたものの、心臓の機能に低下がみられ、治療が続いていた。
宮内庁によると、27日午前7時40分すぎに、容体が急変し、妻の百合子さま(93)が最期をみとられたという。
天皇、皇后両陛下は7日間、喪に服される。

皇位継承順位は5位。
三笠宮さまの逝去で、天皇と皇族からなる皇室は19人に、皇位継承資格者は4人に減った。

三笠宮さまは、第1次世界大戦さなかの1915年(大正4年)12月2日、大正天皇の第4皇子として誕生。
学習院中等科を経て、陸軍士官学校、陸軍大学校に進み、大本営陸軍参謀として勤務されたが、
戦時中の陸軍の戦争指導には、一貫して、批判的な姿勢を示された

戦後は、歴史学者の道を歩み、東大文学部研究生として、古代オリエント史を専攻
海外の史跡調査など、精力的に活動された。
54年には、日本オリエント学会を設立し、会長に就任。
翌年から、東京女子大や青山学院大の講師として、20年余り教壇に立たれた。
テレビ、ラジオの市民講座にも出演し、率直な発言と気さくな人柄で、親しまれた

また、戦後間もないころに、昭和天皇の生前退位や、女帝を容認する意見を表明
神話に基づく紀元節(現在の建国記念の日)復活に反対するなど、歴史学者らしい、合理的な考え方を持たれていた。

41年に、高木正得子爵次女の、百合子さまと結婚。
寛仁(ともひと)さま、桂宮宜仁(よしひと)さま、高円宮憲仁(のりひと)さまと、近衛忠煇・日本赤十字社長夫人の長女●子(●はうかんむりに心に用、やすこ)さん、千宗室氏夫人の次女容子(まさこ)さんの、3男2女に恵まれた。

しかし、高円宮さまは、2002年11月に47歳の若さで急逝。
12年6月には寛仁さま、14年6月にも桂宮さまが、共に66歳で亡くなられ、お子さま方に相次いで先立たれた


三笠宮さまは、01年9月に、軽度の慢性硬膜下血腫で手術を受けられ、回復。
08年6月には、心臓の弁がうまく閉じずに血液が逆流する、持病の「僧帽弁閉鎖不全」による急性左心不全で、入院された。
96歳だった12年7月には、僧帽弁閉鎖不全の手術を受け、順調に回復されていた。
15年12月には、100歳(百寿)を迎えられた。
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