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鱒釣楽の近況

渓流釣行・散策遊行、そこで出会った魚・花・蝶・人などの記録です

晩春の早川上流域の雨池山横への釣行

2013年05月24日 03時51分36秒 | 渓流釣行
 早川の雪代の増水も落ち着いてきたので、21日夜から南アルプス北東部の早川の奈良田湖の上流のドノコヤ沢出合からカッパ沢出合まで、雨池山横に出かけました。予定では21日夜は山の家で仮眠して、22日は早朝に奈良田まで行き、ドノコヤ沢出合からアザミ沢出合まで釣行し、23日は仙城沢を釣行したかったのですが、出遅れてかつ遡行中に地獄沢出合の傍で浮石に足を取られ転倒して痛みが強かったのでカッパ沢出合から南アルプス公園線r37で引き返しました。散々の釣行でした。

 21日23時に川崎の町の家を出て、中央高速・笛吹ラインr140・みのぶ道R52・南アルプス公園線r37で1時50分に奈良田の早川町営駐車場に着きました。途中の笹子トンネル前で交通事故渋滞に巻き込まれました。晴天で気温11.5℃で星が満天に輝いています。くたくたで眠くて車中泊で寝袋を出して直ぐに寝ました。22日は、5時30分に起きて簡単な朝食を車内済ませて、6時に登山靴を履いて出発しました。駐車所の車は2台で、お互い釣の様子なので立ち話をすると、広河内の大門沢に釣行する言っていました。私は本流ですと伝えて先に出発しました。
 
 
 駐車場前の南アルプス公園線r37の向こうは奈良田湖です。バックウオータは広大な砂礫です。奈良田橋が見えます。奈良田橋のたもと(標高832m)から早川に降りて渓流靴に履き替えて、川通しで雨池山(標高1937m)横に向かいます。広河内の出合を過ぎます。毎年この時期は発電取水導水のオーバフローが勢い良く放流されています。流れは太くて速くて冷たくて笹濁り状態です。ぶっつけ毎の渡渉はかなり危険なので細心の注意が必要です。最初の二段堰堤は大きくてゴルジュで川通しで巻くのはたいへんなので、開運隋道の広河原側に上がって道を通って二段堰堤の上に出ます。道上の放水シェルターの手前に開運隋道の広河原側口に上がれる仙道?があります。流れが笹濁りで水量が多いのはこの放水が原因です。更に昼間は二段堰堤の上に重機が入り河床を整地していますので濁りが酷くなります。発電取水導水は早川の第二の流れで、上流・沢の取水、更には大井川からの回水(内河内川)が葉脈のように配管・配置され本流より水量が多いようです。
 開運隋道の先に上がって広河原側から奈良田側を見るとゲートが昔の低い状態に戻っているようです。車止目的の低いゲートだと人が隙間から入り、隙間からミニバイク・自転車を入れ、越えていると更に高くなり、それを防止(名目は環境保全と人身事故防止)するためにゲート構造が進入を防ぐ目的でいたちごっこで大きく頑丈になっていました。6月25日~11月9日は冬季閉鎖(通行禁止)が解除され南アルプスマイカー規制となり人と公共交通バス・タクシーが5時30分~18時は入れるようになります。でも、その時期は人が多くなるし、流れも汚れますので私は釣行は梅雨前までにとしています。
 仙道付近(流れのぶっつけになっている)に増水で漂着したかもしかの遺骸が一箇所に3頭?あります。獣・鳥に食べられて毛皮と骨が散乱して死臭がしてちょっと気持悪いです。今年は奥沢谷でも流れのぶっつけに漂着したかもしかの遺骸を別個に計3頭見かけました。
 
 
 
 
 
 
 二段堰堤の先に早川に降りれる工事用の道があります。河原に下りて水量をみるために少し戻り二段堰堤を覗き込むと綺麗な虹がかかっています。二段堰堤は大石が転がって越えるのでぼろぼろになっています。遡行を始めます。流れは太くて速くて冷たくて澄んだ状態です。ぶっつけ毎に浅そうなとろ瀬、それでも深さは浅い所でも膝上まであり、安全な場所を見つけて渡渉します。流れに横になりずり足で石を選び流されないことを確認しながら重心を決めてゆくりとちょっと下流に向かって進みます。
 
 
 
 8時にドノコヤ沢出合(標高890m)に着きました。快晴で気温10℃・水温8.5℃です。私はここから毛鉤釣を始めます。増水で変化に富んでいた淵のある大きな石の河原は平坦な河原に変っていますが、増水にも絶えて残った枯れた大木が未だあります(少し前までは大石が挟まっていました)。ぶっつけは増水で激しく崩れています。流れは直進的な瀬が多くて、ぶっつけの淵があるはずの場所には砂礫が堆積して深くても1~2m位に浅くなっています。
 
 
 
 
 
 あまごのポイントに毛鉤を振り込みますが渓魚の出は全くありません。でも、副流のちょっとした落ち込み・取り残された水溜りにこっぱあまごが居るのが見えます。覗き込むと敏感にぱっと右往左往します。場荒れしているようです。本流にも型の良い本流あまごが居るはずです(釣り人の希望的観測)。中尾沢出合を過ぎます。綺麗な渓谷・流れ・青空の低空を滑空しているいぬわし・緑の斜面を滑空している小さな白色の蝶(くもまつまきちょう雌?)・・・至福の遡行時間がゆたりと過ぎていきます。でも、振り込んだ毛鉤への渓魚の出は全くありません。
 
 
 
 
 
 ここであまごを掛けなければとあせりが出てきます。直後、流れが太くて速くて冷たい渡渉・河原の不安定な浮石には注意をしていたのですが、左足をのせた大石がぐらりとして、復元力の落ちた私は宙に浮いて転倒しました。受身の姿勢をとろうとしたことは覚えていますがしこたま左半身を打ってしまいました。うっ・かなり痛い、これはまずい、頭に浮かんだことは動けなかったら・帰れなかったら・かみさんのとほうにくれる顔が、しばらく倒れたままの姿勢でいました。なんとか動けるようになり、まず右手の竿を横に置き(何故か掴んだままだった)、頭が問題ないことを確認し、左手が動くことを確認し、腰が動くことを確認し、左足が動くことを確認し、なんとか大丈夫だ・骨折はしていない(大げさ)、と起き上がり石の上で小半時間、昼食をとりながら安静にしていました。痛い箇所は左足の太股の外側(腫れて硬くなってきた/内出血していた)、左手首の外側の二箇所でした。とにかく駐車場の車に戻らなければと、頭を廻らせて道路に上がれるのはカッパ沢しかありませんので、遡行を続けました。左足外側太股が痛くて引きつっているので遡行時間は3~4倍掛かりました。渡渉は大変でした。でも、あまごのポイントでは毛鉤を振っていました(今考えればさっさと戻れば良かった)。
 
 
 やがて、カッパ沢出合が見えてきました。土石流は去年よりも更に酷い状態になっていました。流れは真ん中から右(上流側)に変っています。本流の増水で洗い流された箇所が地層露頭になっています。高谷山から流れ下る沢の滝(F1)が遠望できる所まで見に行きました(ほんの僅かな距離だが今考えればさっさと戻れば良かった)。
 
 
 
 
 14時に登山靴に履き替えてカッパ沢出合(標高961m)から道・カッパ橋(標高1051m)まで標高差90mの急な河岸斜面の仙道を登りました。途中に鹿捕獲実証調査の捕獲設備がありました。汗だくになり痛い左足をかばってなんとか道に出てほっとしました。道・設備の検査・補修作業をしている人達が大勢いました。でも、ここから奈良田の駐車場まで道を6Km(広河原までは13Km)を歩きます。何時もなら1時間30分弱の道のりを、とぼとぼとおしゃぶりこんぶをしゃぶりながら3時間掛かり、駐車場に着いたのは17時でした。釣果は0(ぼうず)だし、とても疲れました。途中の開運隋道で、奈良田側・広河原側両方に交通整理の人がいて一般の人の南アルプス公園線r37への出入りを厳しく制限しているのですが、人が通過しますと連絡してくれてすんなりと通してくれました。私がとぼとぼと歩いていたので気の毒と思ったのかも知れません。私は咎められたら、重機による補修作業で流れが濁っていて川通しの渡渉が危険だから道を通して欲しいと食い下がろうと考えていたのですが。とにかく助かりました。
 
 
 
 
 かみさんに奈良田に戻ったことを連絡(ソフトバンクも通話できるようになっている)し、保の草塩温泉で心身を休め打撲の痛みを和らげ、鳴沢のガストで夕食(アメリカンフェアーメニュー)を食べ、22時過ぎに富士山北麓の山の家に行きました。かみさんには転倒してたいへんなめにあったことは伏せています。

 23日はゆっくりと休養をして、18時に川崎の町の家に戻りました。往復354Kmのドライブでした。富士山は積雪が少なくなってきました。富士山北麓の天候が不安定で昼間は気温16℃で13時過ぎに雨がぱらぱらっときました。
 


春の道志川の神ノ川への釣行

2013年05月10日 02時12分00秒 | 渓流釣行
 ゴールデンウイークは前半は富士山北麓の山の家で林道散策・山菜採・温泉三昧で過ごし、後半は娘・義理息子・孫達の節句と息子・義理娘の新居建築下調などけっこう忙しかったです。9日はかみさんから釣行の許諾が出て、天候も快晴・気温15~25℃になり、ゆっくり9時に川崎の町の家から道志川の神ノ川上流域に出かけました。

 津久井道・道志道経由で神ノ川林道の長者舎ゲート(車両進入禁止:標高550m)前に11時に着き、渓流釣装備一式をザックに詰め、登山装備に着替え、神ノ川上流の流れを左側に見下ろし、矢駄沢・孫右衛門沢・後坂沢・曲ノ沢・大栂沢・桑の木沢・檜皮沢を越えて上流の広河原に舗装・ダート交じりの林道を急ぎました。空気が澄んでいて美味しいです。林道わきには黄色いにほんたんぽぽが、渓谷・山麓には紫色のふじ、・・・が綺麗に咲いています。檜皮沢橋から広河原と奥に蛭ケ岳(標高1673m)に連なる峰々が見渡せます。蛭ケ岳は神ノ川の源頭(金山沢と仏谷)です。広河原は1965年の大氾濫で埋め尽くされ、檜皮沢・彦右衛門沢は土砂流出防止堰堤群の大工事で大自然は残っていませんが、神ノ川上流の本流とその源流の金山沢と仏谷は大自然(原生林)が残っています。
 
 
 
 
 林道が大きく犬越路(右側)に曲がる所から彦右衛門沢の最初の二段堰堤上に降りる仙道(地蔵新道登山道)があり、堰堤の左右に昇降取手が付いており広河原に降りれます。でも藪・河原の仙道で整備されている状態にはほど遠いと思います。広河原(標高700m)は流れは伏流状態ですが、しばらく遡行すると綺麗な水流が現れます。ここまでゲートから徒歩1.5時間です。
 
 
 渓流釣装備に着替えて、変化の少ない流れにドライ毛鉤を振り込みます。石の向こうに毛鉤を振り込むとゆらゆらと渓魚が出てきて毛鉤を襲います。ひれの白い隈取が鮮やかないわなです。ゆっくり合わせると掛かり竿をしならせます。たも網に取り込み顔写真を撮って元の流れに戻しました。いわなを掛けたので、その後は余裕で渓谷を観察しながら遡行釣を続けます。上着の汗にさかはちょうが来てとまり吸っていました。
 
 
 
 
 しばらく遡行すると、ゴルジュになり魚止めの滝(F1:5m・標高720m)になります。左側を巻けますが、しばらくゴルジュが連続して続きたいへんなのでここで引き返しました。いわなの出は2回で掛けたのは2尾でした。気温24℃・水温11℃でした。往復110.7Kmドライブ4時間・徒歩3時間・遡行2時間・休憩1時間で実質釣1時間で、魚影は少ないですが楽しい一日でした。大都会に比較的近くて渓流釣と沢登の人達も入るので場荒れしていると思います。でもずうっと自然が残っていて欲しい場所です。
 
 
 

 手書記録・国土地理院航空写真(修正有)を付けます(ダウンロードすれば大きく見れます)。