MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

騒音です

2007年09月29日 | Weblog
それが、どんなに演奏が上手な人のものであっても
 練習は騒音
という言葉を聞いたことは ありませんか?

同じ曲ばかり、何度も聴かされるから、
というわけでは ありません。
(まあ、もちろん そういう時もあるでしょうが
どちらかというと、その本当の理由は
「完成した状態でばかり聴けるわけではないから」です。

というのも
練習というのは、弾けていても尚さらにこだわって
より良い演奏を目指すためのものですから
短い曲ならともかく 長い曲で
気になる部分・表現にこだわりたい部分があれば
その部分のみを取り出して 弾き込みます。
効率よく集中して練習できますからね。

たった一ヶ所のために、
毎回 一から丸々1曲弾いているのでは
効率が悪すぎます。

例えば
ある一ヶ所の和音の響きが気に入らない、という場合
(↑ 注:音を間違えている という事ではない)

♪― う~ん、バランスがよくないなあ、もう一度

♪― 上声だけ芯のある音色に変えてみようか。

♪― 今度は内声を もっと柔らかい音色にしてみよう

♪― どうも思った通りの音にならないから指を変えてみよう

といった調子で、延々、その和音だけを弾くことに。

ささいな変化ですので、わからない人には
「何であの人、ずっと同じ和音ばかり弾いているの?
  イライラするなあ。」
と思われても仕方ないのです。

で、先日 こんな調子で 新しい曲の練習を始め
部分練習をしていたところ
同居の母に
「1曲通して弾けないわけ?下手になったんじゃないの?」
と 言われました。

ピアノが弾けない母にとっては
雑でも無表情でも、「止まらず通して演奏すること」
         =「弾けている状態」 であり

表現のために ある部分にこだわって
時間をかけて弾きこむ練習の価値は
わかってもらえません。(T T)
(同様に 「指が速く回るのが 上手い演奏」
       と思っているフシもあります。)

確かに聴いていて楽しいものでもないので
仕方ないのですが
長年練習を聴いてきての、このセリフでしたので

一瞬 ぐれてやりたくなりました。

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