音符も読める、指番号も把握している。
しかも楽譜には
懇切丁寧に指番号がふってある。
にもかかわらず、
その運指通りに弾くと つっかえ、
『弾きにくくて仕方が無い』と
適当な指に変えて弾く生徒さんがいます。
指番号を自分に合うように変更することは反対しません。
むしろ、どんどん研究して
自分が演奏しやすい指遣いを見つけてほしいところ。
しかし、どう見ても、どう考えても
もとの指番号通りに弾く方が楽と思われるような
【摩訶不思議な指遣い】に変える生徒さんも。
これ、意外と普通の曲より
ツェルニーやショパンのエチュードなど
わりと合理的な指番号がふってある曲で起こります。
レッスンしてきて気が付きました。
合理的な指遣いのはずなのに、
それを弾き難いと感じる生徒さん達の共通点。
音符の配置や小節線にとらわれ過ぎるのです。
例えば、
ショパンのエチュードop.10-12(革命)
左手の16分音符で駆け下りるパッセージは
楽譜で見ると
ラソ ファレミレ シソラソ ファレミレ シソラソ…と、
連鈎(れんこう)で2・4・4・4・4に分けて書かれています。
(連鈎:8分音符などを2つ以上つなげて書く時の横棒)
すると生徒さんは、音楽も「ファレミレ」「シソラソ」…と
そこで切り分けて読み取ろうとするのですね。
ジグザグに動く、いかにも弾き難い動き。
これ、切り分けるポイントをずらして
「ラソファレ」と「ミレシソ」の繰り返しとして読み取れば
4音ずつ下がるだけの、シンプルな動きになります。
1週間、悪戦苦闘して
「全然弾けない~」と嘆いていた生徒さん
視点をずらすだけで、すぐ弾けるようになって
「あれっ?この指遣い、弾きやすい。」と驚いていました。
小節線や連鈎は『音楽を拍子的に整理する』もので
音楽的には、そこで切ってはいけない、と
結構何度も伝えているのですけどねー。
皆、視覚的効果に弱いです・・・。