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MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

きよしこの夜 (ドイツ語)

2009年12月22日 | 音楽
ドイツ語を勉強したのは
大学の4年間だけで、大方忘れていますが

「きよしこの夜」のオリジナル
(ドイツ語)歌詞が気になったので調べてみました。

そうしたら
オーストリアに『きよしこの夜協会』なるものがありまして
実に親切なことに、
オリジナル歌詞と英訳歌詞を載せてくださっているのです。
こちらでご覧になれます

            

1番の歌詞だけ抜き出して、訳してみました

【ヨゼフ・モーアのオリジナル詩】(ドイツ語)
 
Stille Nacht! Heilige Nacht!
静かな夜 聖なる夜

Alles schläft ; einsam wacht
全ては眠る ; ただ目を覚ましているのは

Nur das traute heilige Paar.
親密にして聖なる二人のみ

Holder Knab im lockigten Haar,
愛らしい巻き毛のぼうや

Schlafe in himmlischer Ruh!
お眠りなさい 天上の静けさの中で

Schlafe in himmlischer Ruh!

        
一応、辞書で確認したのですが

trauteは「親しい」の他に「くつろげる」
Heilige は「聖なる」だけではなく「敬虔な」
Paar は基本「夫婦」ですが「一組」とも訳せまして

目を覚ましているのは
くつろげる敬虔な夫婦(ヨゼフ・マリア夫妻)なのか
親密な聖なる親子のペア(イエスと聖母マリア)なのか

幼子イエスに眠れと言っているからには
起きているのは ヨゼフ・マリア夫妻なのかなあ

と、新たな謎も発生しております。

発表会に連弾

2009年12月02日 | 音楽

と言いましても
「生徒さんと先生の連弾」ではなく
「講師演奏の曲」候補ですね

4手連弾の曲は数多くあるのですが
生徒さんには、楽しんで聴いてもらいたいですから
いわゆる『名曲』で、それなり弾き応えのあるものを
と考えて選びます。

ドヴォルジャークの「スラヴ舞曲」や
フォーレの「ドリー組曲」などよく弾かれますから
今回はあえて、あまり連弾で弾かれない「名曲」を。
作曲家別「あいうえお順」で行ってみましょう。
(/○○は出版社)
                

グリーグ
ペールギュント組曲/peters
ノルウェー舞曲Op.35/schott/perters

ビゼー
組曲「アルルの女」/kalmus

ベートーヴェン
交響曲第5番 Op.67/G.Schirmer

メンデルスゾーン
華麗なアレグロ イ長調 Op.92
変奏曲 変ロ長調 Op.83a 
(どちらもpertersから。作曲者オリジナルの連弾曲。)
7つの無言歌集Op.62-1~6・Op.67-1
/ベーレンライターと全音から
組曲「真夏の夜の夢」Op.61/EMB(ブダペスト)

モーツアルト
アイネ・クライネ・ナハトムジーク
/Bachmann編(Schott)と Singer編(peters)があり。

ラヴェル
亡き王女のためのパヴァーヌ」jemain編/ヤマハ
スペイン狂詩曲」 自編/デュラン
リスト
ハンガリー狂詩曲第2番」/Schott

ワーグナー
タンホイザー序曲」Bulow編/デュラン

中級~上級のレベルで弾けると思います。

3人で連弾

2009年11月30日 | 音楽
最近、立て続けにもらった質問
6手連弾で、いい曲を知らない?

4手連弾(つまり2人で弾く)曲は
それこそ数えきれないほど出ていますが
6手は、確かに少ないですよね…。

使えそうだなという曲はリストアップしていますが
6手はまず演奏する機会もないであろうと
大方、記憶のはしに引っかけたままです。

というわけで
整理も兼ねてここにリストアップ
            
【初心者~バイエル程度】
大村典子ファミリーピアノ連弾集(音友)
3手~6手。メリーさんの羊など童謡が多い。
「ファミリー」とありますように
ピアノを習っている生徒さんの、親御さんも加わって
家族みんなで楽しもう、という曲集です。
従って、楽譜が読めなくても弾けるくらい易しいパートもある。
発表会などで、親御さんに参加してもらいたい時に。

【バイエル~ソナチネ程度】
大村典子 連弾ピースセレクション(音友)
A・B・Cと3つのレベルに分けられていますが
このうちAに2曲、Bに1曲6手連弾が載っています。
「メルヘンとファンタジー B」の場合は
メンデルスゾーンの『歌の翼に』が6手連弾。
1番下のパートが易しくなるよう編曲されています。

【レベル不明の曲・曲集】
『Valse』ラフマニノフ
『ロマンス:6手のための連弾』ラフマニノフ
(原曲は4手のためだったと思うのですが
 6手連弾が全音ピアノ連弾ピースにあるらしい。未確認。)

『Gavotte in B fur Klavier zu 6Handen』モーツアルト
(編曲Bunemann Emmerich)
『Lied ohne Worte op.19Nr.6』 メンデルスゾーン
(たぶんオリジナル)
『リリック・ピアノ 四季のうた』小原 孝(音楽之友社)
『組曲ボクのおもちゃ箱(お話入り)』中森智佳子(全音)
『Bachへの手紙/ピアノで語る音楽 第2集』中村佐和子(春秋)

その他(大学に資料としてあったもの)
『British folk-music settings, Ye banks and braes o’Bonnie Doon:
 Scottish folksong:set for 3 pianists at one piano』
 Grainger Percy
『Dancing puppets』Scher William (Presser社出版)


たまには真面目に『研究所』らしい内容で。

新内節

2009年11月19日 | 音楽

アニメソングに対抗すべく
いろいろなCDを聴き続けているところですが

手持ちのCDでは
クラシックとJAZZと民族音楽に偏っていますので、
図書館も利用して新規開拓しています。
(主に邦楽関係)

                
そんなある日 ふと
義太夫節と新内節って、どう違うの?』(どちらも浄瑠璃)
という疑問がわきまして
とりあえず
「笑えるかもしれない」というだけの理由で借りてきたのが
おもしろニッポン 「新内」「琵琶」編
新内節による「道中膝栗毛」が聞けます。

まずは「道中膝栗毛・赤坂並木の段」。
謡い出しの1節は
いでやこの、春の景色もうららかに
 往さ来るさの客人も 袖振り映えて面白や。

普通に読み上げれば10秒の1節ですが
新内節で謡われますと
「うららかに」に到達するまで およそ50秒
1節終わるまで、なんと2分弱。(三味線の前奏は除きます)

登場人物のセリフ以外は
解説書を見ないと何を言っているのかわからない。
それくらい遅いのです。
(単語のど真ん中で息継ぎしているし。)
もしや、人選が悪かった?いやそんなはずは…

               
「新内」の名前は、美声で人気を博した
二世鶴賀新内からきているそうですが
『美声』優先で、こういう謡い方になったのでしょうか。

これだけで固定観念を持ってしまわないよう
他のスタンダードな演目も聴いてみようと思います。
(どうも心中話が多いらしいのですが)

【義太夫との違い】
三味線が中棹なので、義太夫より音が高い
(義太夫は「太棹」という
 津軽三味線なみにドスのきいた低音の三味線を使います)

五人囃子に三味線(長唄)

2009年10月17日 | 音楽

去年の秋はバロックモードだったのに
何故か今年の秋は邦楽ブームの私
もっとも
秋の気候と三味線・箏などの和楽器の音色は
すごくピッタリはまるので、あまり違和感が無いのですが。
(やはり日本人だからでしょうか。)

          
それはさておき 都都逸(どどいつ)・小唄と聴いてきて
現在聴いているのは長唄

長唄の有名どころ』を調べてみると
「勧進帳」の名前があります。あれ?
勧進帳って、確か歌舞伎ですよね?

もともと歌舞伎踊りの伴奏には
能と同じような楽器編成
大鼓(おおつづみ)・小鼓・笛・太鼓】による
お囃子が付いていました。
これに三味線が加わり、唄が物語を進行させていくようです。

つまり、長唄の編成
【唄・お囃子(大鼓・小鼓・笛・太鼓)】+三味線
な~んだ、要するに
五人囃子メンバーに三味線が加わったと思えばいいわけです。
(↑たいてい、お雛様の飾りで三人官女の下の段にいます)

歌舞伎って日本式オペラだと思うのですが
本来、役者さんが舞台に立って演技するところを
演技だけ抜き取ったものが「長唄」なのでしょう。

先ほどからずっと、(これを書きながら)
BGM代わりに流しているのですが
歌っている内容を一生懸命聴かなくても、
音楽として聴けるので、
邦楽の中では、かなりとっつきやすい部類だと思います。

しかも
“ピィ~~”という笛の音
“テレツクトッタン”と太鼓の音
“ポポポポ”と鼓の音
『よぉっ』『はっ』と掛け声
【鳴物】による お囃子が賑やかなものですから
だんだん楽しくなってくるのですよ。

何だか 能や歌舞伎を観たくなってきました。

早回しで聴きたい

2009年09月04日 | 音楽
以前、生徒さん達に
「世界一長い曲は?」というネタをふりまして

その時候補にあがったのが

E.サティの『ヴェクサシオン』
(さして長くないフレーズを
 「非常にゆっくり840回繰り返せ」という指示があり
  実際演奏すると18時間くらいかかるらしい)

ヨハン・シュトラウス2世の『常動曲
(終わりになったら「初めに戻れ」の指示しかないので
  放っておくと終われない)


だった のですが

『4分33秒』で有名なジョン・ケージも
そういう曲があったのですね。
最近『演奏されている最中』であることを知りました。

『As slow as possible』と指示された
Organ/ASLSP  演奏時間639年
(現在ジョン・ケージ・オルガンプロジェクトという
 ファン団体による取り組みで、自動オルガンにて演奏中)

2001年より始まり、終演は2640年の予定。
(インターネット上で、現在の音が聴けます)

サグラダ・ファミリアといい
ヨーロッパの人って気が長いのだろうか・・・


ウィキペディア考

2009年08月08日 | 音楽

インターネットのおかげで
図書館まで出かけていかなくても
ある程度までは自宅で調べられるようになり
便利な世の中になったなあと思います。

ウィキペディアも参考に利用していますが
あれって、誰が編集しているのでしょうね?
一つの項目から他の単語へとリンクして
1人1人の興味の方向の違いで
全然違う項目へたどり着いていくのでしょうから
面白いなと思います。

        
先日、フォーレの項目を見てみたら
音楽辞典の記載を簡潔にまとめたような内容が
ずらりと並んでいて感心しました。

あれ~?と思ったのは
フォーレが「ロマン派音楽」にジャンル分けされていたこと。
フランス近代だろうと思っていたので意外でした

ピアノ指導者協会のコンクールでは
フォーレの作品、近現代スタイルに入っていますが
フォーレは歌曲をいっぱい作曲していますから
そちらの方でジャンル分けされたのかな?
歌は専門外なので、よくわかりませんが

と、そんなところに引っかかったウィキペディア。

数日後。

音大前の楽譜売り場にて
生徒さんのための楽譜を物色していましたら
現役音大生らしき3人連れが入店してきまして
楽譜を見ながら
あれは弾いた」「これは難しかった」などと
にぎやかに話しています。

ああ音大生らしいなあ、と思って聞いていると
そのうちの1人が、フォーレの楽譜の前で
フォーレって、あれやろ、タラシやろ?」。
どこで仕入れた情報?
ウィキで見た。」「出た、ウィキ~

気になるポイントは人様々…

フォーレ

2009年07月30日 | 音楽

名曲好きな生徒さんから
「きれいな曲が弾きたい」というリクエストをもらい
じゃあ、これはどうかしらと渡してみたのが
フォーレの『シシリエンヌ』でした。

        
フランスの作曲家フォーレは
1845年に誕生、1924年にパリで亡くなっています。

同時代に活躍していた作曲家は
リスト・ワーグナー・ブラームスから
ドビュッシー・ラヴェル。
私の大好きなラヴェルのお師匠さんでもあります。

ロマン派からフランス近代への橋渡し的存在
といえるかもしれません。

        
実は私自身、フォーレはそんなに弾いていなくて
ピアノ組曲「ドリー」を連弾したくらい。
その連弾の時も、
「聴きやすくていい曲だな」とは思ったものの
「他の作品をもっと弾きたい」とまでは何故か思わず
あまり仲良しにならないまま10年

        
今年、ピティナC級の課題曲に
フォーレの作品が入っていたため
「あれ?こんな曲もあったの?」と見直しまして
それがきっかけで、最近弾き始めています。

生徒さんに「シシリエンヌ」をお勧めしたのも
それがきっかけですね。
何故か、フォーレを弾き始めたことを知らない
私のお師匠さんからも
「フォーレを弾いてみるといい」と勧められ
そういう時期なのかなと思います。

弾きながら、
さすがラヴェルのお師匠さんだ
と感じています。

綺麗な曲だけど
大変さを隠して弾くのが大変―。

毒グモの踊り

2009年07月13日 | 音楽
『Tarantella』という曲があります。
タランテラ、或いは タランテッラ。

ピアノを習ってきて最初に弾く「タランテラ」は
ブルグミュラー25の練習曲中の1曲でしょうか。
オルガンピアノの本や ギロックの曲集など
探せば、結構あちこちに。

            
では「タランテラ」の名前の由来は?
南イタリアの都市「タラント」の名前からきている
毒グモ「タランチュラ」に関する伝説からきている
さて、どっちでしょう。

実は『どちらも正しい』ようです。

そもそも「タランテラ」は南イタリアの舞曲でして
南イタリア・プッリャ州の都市「Tarant(ターラント)
に由来するといわれています。
そして
そこは「南ヨーロッパ産タランチュラ」の生息地だったとか。

ちなみにタランチュラは体長2~3センチくらいの
その地方では やや大きめのクモです。
クモは見るのも嫌という方もいらっしゃるかと思いますので
写真は載せませんが、見たい方はこちらへ。→


その「ちょっと大きめ」の目立つお姿ゆえの伝説が
「こいつに噛まれたら毒がまわって踊り狂う、
 いわば『舞踏病』になる説」と
「毒にやられてしまわないためには
 必死になって猛スピードで踊るしかない説」。

まあ、その踊りが「タランテラ」というわけでして
「とにかく速く踊る」8分の6または8分の3拍子の舞曲
一時(15~17世紀)は大変流行したようです。

それが一旦すたれて、19世紀に再び楽曲として復活。
今度はそのスピード性ゆえに
「どうだ、速いだろう!」
と、演奏者の腕自慢的な作品が多く作曲されました。

実際のところ、同じ地方に生息する
1センチ弱のちびクモの方が、猛毒を持っており
南欧タランチュラの毒で人が死ぬことは無いそうなのですが

タランチュラくんにとっては
『姿が悪目立ちしてしまったが故』の
濡れ衣的舞曲なわけです

ツェルニーのテンポ

2009年06月10日 | 音楽
ピアノのテクニック用教本としてよく使用される
ツェルニーの練習曲集

「ツェルニー」の名前を見ただけで
 いや~な思い出がよみがえる人もいれば
筋力トレーニングのような充実感を持った人
練習曲であっても音楽を感じて楽しんだ人

…まあ、いろいろでしょう。

たぶん、一番使用される曲集が
「ツェルニー30番練習曲」ではないかと思われますが

この30曲、テクニックをつける為とはいえ
AllegroVivaceが、まあ てんこもり。
(なんとなく、どっちが多いのかな~なんて
  改めて本を見直してみますと ほぼ半々でした。)

              
それにしても
4分音符を1拍としてみた時のテンポが
平均144から200っていうのは
どう考えても異常に速いです。
頑張ればできないこともないけれど、厳しい

考えてみれば、ツェルニーさんの生きていた時代
ピアノの鍵盤って、今より幅が細かったのです。
(ちなみに去年弾いたチェンバロも
 現在のピアノに比べて、ややほっそりした鍵盤でした。)
オクターブなんて、楽々です。

しかも鍵盤が下がる深さも
今より2~3mmくらいは浅かったはず。
そりゃあ、弾きやすかっただろうなあ

        
というわけで、私のところの生徒さんには
「テンポ152」なら「120で」と、
だいたい2割引くらいのテンポで弾いてもらうのですが
他の先生方、どうしていらっしゃるのでしょうね?