一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

内山興正老師の詩 「生死」

2007年01月17日 | 禅・仏教
内山興正老師(略歴)の『興正法句詩抄』の中の詩を紹介します。
(※kamenoさんのブログから転載させていただきました。)


『生死』

手桶に水を汲むことによって
水が生じたのではない
天地一杯の水が
手桶に汲みとられたのだ
手桶の水を
大地に撒いてしまったからといって
水が無くなったのではない
天地一杯の水が
天地一杯のなかに
ばら撒かれたのだ
   
人は生まれることによって
生命を生じたのではない
天地一杯の生命が
私という思い固めのなかに
汲みとられたのである
人は死ぬことによって
生命が無くなるのではない
天地一杯の生命が
私という思い固めから
天地一杯のなかに
ばら撒かれるのだ



『天上大風』
私はこの詩から、良寛さんが凧などに好んで書いた「天上大風」という言葉を想起しました。
天上を吹き抜ける力強く爽やかな風。
そんな内山老師のお人柄を彷彿させるような詩です。
一生をかけて坐り抜いたご生涯。

天地一杯の生命。
現れ方は変わっても、天地一杯の命であることは変わらない。
天地一杯=尽十方界真実人体。
これに徹したとき生死にまつわる苦しみは越えられるのです。
内山老師の人生がそれを実証されています。


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