日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

人民解放軍、大卒を優遇

2009-11-29 | 中国の社会・文化・歴史等
 日経ビジネスに、中国人民解放軍が大卒を積極的に雇用しだしたという記事が載っています。日本では、中国の軍備拡張の脅威が騒がれていますし、一方地方軍部で社会格差を起因とする反乱が起きる可能性を取り上げる一部の意見もあるようですが。。
 
 この記事の著者の遠藤先生も、大卒者の失業増加が農民工と合わせて社会不安の要因になるというご意見をお持ちです。確かにそういう面はあるのだろうと思います。

 それに対し、中国政府が大卒者の人民解放軍入りを促進する政策を採り、応募者が殺到している。具体的には2年勤務すれば過去の学費を免除、幹部登用の機会の供与、除隊後の進学に対する優遇。

 元々中国では兵隊になることが恥ずかしい文化だったが、職がないために軍隊入りを希望する人が急増。

 しかも、80后といわれる、甘やかされて育った女子大生の応募が非常に多い。

 入隊希望者の増加には、先日の国慶節の軍事パレードの影響も多い。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091116/209809/

 日清戦争、満州事変以降の戦争と、日本と中国は長い間戦争をしていました。一部苦戦するときもありましたけど、共産党のゲリラ活動にはかなり苦労をしたようですが、国民党の正規軍の戦いではほぼ日本軍が圧倒していたように思われます。今の中国人は、装備を初め日本軍のほうが技術的に優れていたことがその原因としているようですが、従軍兵士の記録などを読んでみますと、日本陸軍は日露戦争当時の村田銃を使い、一方ドイツに応援されていた(意外ですが)国民党軍はチェコ製のサブマシンガンを持っていて、決して軍備という点で国民党軍が日本軍より劣っていたとは思えない面があります(航空兵力は日本の方が数段上だったのでしょうが)。

 兵隊になるのは、最低ランクの人間という中国人の見方がそういう軍隊の弱さに影響していたのでしょう。国共戦争で勝った共産党は農民兵が多かったんじゃないのかな(よく知りませんが)。台湾に入った国民党軍を見た台湾人が、あきれたそうですから、規律なんてない軍隊だったんでしょう。

 今の人民解放軍の中堅幹部以上は、相当に腐敗しています。尉官クラスでもマンションを複数もち、ゴルフを楽しんでおり、給与はともかく隠れた収入がかなりあるそうです。兵隊はどういう水準かしりませんが、これから入隊するという今の大学生を見る限り日本以上に甘やかされて育っています。今の日本人の20代のひ弱さもよく効きますが、それを数段上回る甘やかされ方をして育っています(都市部では)。大学に入学して職業がない学生=2流以下の大学=大学生を3倍にした影響で学力も低い=家は大学進学ができる経済力はある。その質は想像がつきます。

 戦争当時の日本軍は、経済的に豊かな大阪は弱兵、東北や九州などの兵隊が強いと言われていたそうですが、軍隊の強さには技術的な面もあるにせよ、精神的なものも大きく影響するのだろうと思います。

 中国人民の愛国心自体もかなり日本とは異なるものがあり、こういう大学生の大量入隊は、人民解放軍をますます弱体化に導くのじゃないかなと思います。技術的にも先進国レベルとは相当な格差があり、中国脅威論に反して益々張子の虎の軍隊になっていくんじゃないでしょうか。そして、軍隊主導の反乱なんて、まず起きない。軍人が恵まれた階層の出身で占められたら、利権は山ほどあるだけに誰も現体制を変えようとはしないでしょう。

 日本人としては好ましい傾向ですかね。
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