日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

続 上海発! 中国的驚愕流儀

2010-04-19 | 中国関連書籍書評
続 上海発! 中国的驚愕流儀 (講談社+α文庫)
須藤 みか
講談社

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 以前紹介した須藤みかさんの最新作です。

 あ、始めに申し上げますとタオバオ関連の記事もありその中で私も紹介されております。そういう点でちょうちん記事と思われるかもしれませんが、前作に続いて自分にとって面白い情報が幾つかありましたので、お勧め本としてコメントします。

 上海名物?パジャマで外出を禁止するように上海市が命令を出した。これは万博前に上海市民の社会道徳を改善するためのもので、その中には上海で見れる中国人の悪習をかなり指摘している、から始まり、へーっとおもった点を幾つか。

・中国は法律の条文は日本の20倍あるが、守るのは3%しかいない。
・中国人が日本人を説得できても、日本人が中国人を説得するのは100%無理。
・中国メディアの記事のいい加減さ(他人の記事をそのまま転載する)
・学校では親が教師にプレゼント攻勢
・日本酒や焼酎を好む人も増えている
・一方で贋のドンペリなどの贋酒の横行
・カーナビ事情
・中国の幼児教育事情
・上海出産事情

 結構知らない事も多かったです。特に日本のお酒が一部に人気があるということは全く知らなかったですね。こういう案件は全て頭からオミットしていたんですが、現場を見ないとだめだなと思わされました。

 須藤さんご自信が上海で出産されてまだ育児中ということで、有る意味私たちと同じ環境にあるので、その辺は興味深く見させていただきました。私の場合妻が上海人と言うこともあるのか、本に書かれているほど高額ではありませんでした。

 病院は異なるようですが、地元の長寧区中心病院では、外人及びお金持ち向け(外国人の場合は選択の余地が無い)の特需病棟という同じ病院にありながら内装からして全然綺麗なところに入院させられます。その中でも部屋が何種類かあるのですが、1泊500元でしたので、まぁホテル程度の金額で済みました。

 私に関してはタオバオに関する部分に乗っていますが、別途別な名前で上海妻に関するコメントも記載されています。

 奥さんに関しては、須藤さんからも

 「日本人妻の方がほっとするでしょ」といわれたのですがどうだろう?

 正式に結婚はしなかったのですが、有る日本人女性と9年近く同棲していました。実はタイプは今の妻に似ているんです(秘密ですけど)。気は強く自信家(日本の元彼女はルックスも良かったのでその面でも)、インデペンデント、大学でたら総合職でOLやった後、一人で食える専門の世界に入って今も頑張っています。基本私は、男に依存しないタイプで、明るく頭の回転の良い人が好きなので、日本人も中国人も対して変わらないじゃないかと思います。とうか、好きなタイプは上海の方が多いですね。日本女性は総合職系でも男に美味く甘えながら昇進する人結構見てきたので(まぁ、これは男もサラリーマンは同様ですからしょうがないんですけど)。当地の女性の方が良く勉強していると思います。教養レベルも高いように思いますし。

 違いがあるとすれば配偶者の家族との生活関係になると思います。この辺は上海の中堅以上なら資産価格で1億円程度(不動産バブルのおかげですが)は持っているのがごろごろいますし、幸い今の妻もそういう家庭なので、お金に関してせびられる事も全くありません。逆に銀行借入等日本の親でも助けてくれない事を支援してくれますし、短期的な資金繰りで借金をさせていただいた事もあります。家族の一体度が強いので煩わしい面もたまにありますが、日本以上に大きな助けになります。

 お金は制限されると冗談で言いますが、自分の買う書籍雑誌代、日本人との交際費は全然問題ないですよ。相手次第簡素入れませんが。規制が強いのは浮気ですね。之は日本でも同じでしょうが、日本人よりその後の対応は厳しいかなと思います。日本なら離婚で住むところが、こっちだと再婚できない体にされそうで。。後、何かに付け一緒に行動したがるので自分ひとりの時間を作るのは難しいですね。読書量が大幅に減りました。

 相手の家庭環境(経済環境)だけは見極めた方が良いと思います。自分に関していえば、日中国が違えど私の場合は親が公務員という事もあり、正直極端な違和感は無いです。お互いに自国に誇りを持っており、孫の教育に関しては中国系か日本系かで間に挟まれていますけど。

 言葉はしょうがないですが、この国住むなら有る程度は相手の言葉を理解しないと話しになりませんし、一方、喧嘩の時にお互いに意味がわからないのはかえって良い所もあるようにも思います。夫婦って、お互いにお互いを教育しあう面もあるんじゃないでしょうか?少なくとも相手を尊敬できなければ、何人であれ私にはずっと生活を共にする事はできません。国民性の違いより、男女の違いの方が大きいと、アメリカや韓国でも思いました。

 まぁ自分のことが多くなりましたが、上に紹介した以外に私自身がビジネスに利用しようと思った物が幾つもありました。少し落ち着いたら、本に書かれた場所を見に行くつもりです。今現在の上海事情と幾つかのビジネスチャンス。そして、当地でビジネスをやるなら当然に知っておくべきこと。前作に続き、読み流しても面白いし、ちゃんと読むと為になる本です。

 最近中国ブームですよね。昨日お会いした方も

「日本ブランドを表に出せばいけると思っていた。でも今回上海でヒアリングして見てそんなに簡単ではない事が解った」とおっしゃっていました。

 中国進出を推進する人たちは、中国は宝の山だと見せようとします。確かに今及び今後の日本を考えた場合、中国の市場はビジネスチャンスの山です。おそらく、有る意味では日本より楽でしょう。しかし、やっぱり外国で、ルール無用の世界です。本当の中国人の消費動向はどうなのか?所得と購買行動?しっかりした情報は無いんですこの国。だから、様々な情報と自分の体験を通して仮説を立てて組み立てながら、PDCAしていく。之しかないと思っています。でも、バイアスかかった情報が多すぎすので、落とし穴がアメリカより多いかなと。市場の厳しさは実はアメリカより中国の方が優しい面もあると思いますけど。

 中国関連の本って、へんな本も多いのですけど、マーケティングの観点からすると彼女の本は多分全部読んだ方がよいですよ本当。それぞれが現場視点で書かれているので、「へー」とか読み過ごしちゃうでしょうが、ちゃんとビジネス開拓の視点でみるともっと突っ込んでみると面白い情報の取っ掛かりがあふれていますから(少なくとも私には)。

 大企業駐在組の方の本の多くは、自分が高い位置から中国を見ていますので、中国の現場感や生活観の支店が全く無い(あっても2次情報から)。政府関係とかマクロ視点、社会学的に有意義な情報がありますが、商売の参考にはほとんどならないんです(失礼、でも私見としては事実です)。

 この前見た有るメディアの方は、日中韓3ヶ国のカラオケ覚えるのが趣味でそのレパートリーを誇っていました。この人ちゃんと仕事していると思います??そんな連中結構いるんです。中国事情専門家という方々の仲には。。
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米国企業は中国戦略見直し

2010-04-19 | 欧米企業の中国戦略
 アメリカ商工会議所が加盟企業に対して行ったアンケ-トによると、下実系企業が政府の購買からはずされる事が多くなっているようです。従来米系の企業は米国政府から中国政府に対して積極的にロビ-活動を行っていたようですが、人民元のかかる米中の議論の中で、今後益々アメリカ企業はフリになるのではないかと恐れているそうです。

 そして、グ-グルの撤退も話題になっていますが、多くの多国籍企業が中国向けの戦略を見直しており、中国以外の国への投資も考え出しているそうです。

 調査によれば、中国企業と競合する分野で、アメリカ企業が不利になってきたと回答した企業は昨年の26%から38%に上昇。昨年10月に中国政府が政府購買リストへの登録をする製品にかかる事前認可制を出したそうですが、その対象商品の多くが米国をはじめとする外国製品だった。アイテムとしてはサ-バ-、携帯電話基地、セキュリティやファイナンスのソフトウェア、風力発電機など。

 さらに、この事前承認には、中国の知的財産と独占ブランドを持っている事、海外の組織や個人から独立している事、などを要求する上、数週間の時間しか与えられず。多くの外国企業が足を踏み込めなかった。マイクロソフトやアドビ、シスコシステムズ等も外国企業が参入できる市場じゃないとこぼしているそうです。

 現段階では中央政府のみに適用されるのか、国営企業で対象になるのかは不明ですが、地方政府の中には既に自分の好む購入先を選定する動きもあるようです。また、こういう保護主義的な動きはハイテク関係だけでなく、製造分野やサ-ビス業の分野でも発生しているようです。

 多くのハイテク企業は、新たな購買プログラムが中国企業と技術をシェアする事を求めていると感じており、中国に研究開発機能を設立した企業も悩んでいるようです。

 今後研究開発を中国では行わない、投資先も多様化する、そして多くの人が中国戦略を再考する。

⇒中国での研究開発拠点の設置、その他欧米系企業の動きは日本企業より遥かに早かったのですが、最近では日本企業にそういう動きをしだしているところもあります。

 さて、不動産投資関連では、バブルが大体一定期間おきに発生するのですけど、大体のんびりした日本企業はピ-ク時に遅く参入し、結果損害を出す事例をたくさん見ます。一方、あまりにも遅すぎて投資し損ねて失敗を免れた企業もいます。機を見て稼ぐ企業は、ごく一部の個人企業以外では余りありませんね。

 中国市場。。にわかに昨年から注目されています。

 消費者市場。これはたしかにある程度豊かになっているので、いけると信じています。
 
 研究開発拠点の見直し(撤退?)、国営企業などの購買の撤退。

 この辺は中国と言うか、社会主義リスクなのでしょうね。日本企業は欧米が拡大しない事で恩恵を得るか、もしくは大損害をかぶるのか。 
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