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Discover 奄美大島!

かんつめと岩加那

2007-01-16 10:35:28 | 奄美-あれこれ
~朝日新聞 1月13日「土曜 be」より~

先週末の朝日新聞、be on Sunday Entertainment (通称赤be)には驚いた。

1~2面はいつも「愛の旅人」と言って『■古今東西の名作、ベストセラーに描かれた男女の関係から、文人才人たちの夫婦愛まで、愛のかたちをたどる写真紀行』(←このシリーズの単行本のコピー。asahi.comより)なのだが、今回のテーマが奄美大島・宇検村(うけんそん)の「かんつめと岩加那」の物語だったのだ。

朝日新聞1月13日 赤be1,2面の記事全文は→こちら
バックナンバーを見るとわかる通り、これまでは架空の人物、実在の人物、いずれにせよ男女のうち少なくとも一人は全国的にも名の知れた人が多い。

にもかかわらず、今回は「かんつめと岩加那」。奄美の人以外で、かんつめのことを知っている人っているのだろうか...

唐突感がいなめなかったが、文を書いている人の名前を見て合点がいった。

Ws000004_1神谷裕司氏。
この方は、もちろん朝日新聞の方だが1994年4月から97年5月、奄美に赴任されていた時に奄美に魅せられ、「奄美、もっと知りたい」という本まで書かれた方だ。
1997年の本なので、もう10年前の情報が元になっているため、細かい点でずれてきていることも多いものの、新聞記者の方らしい無駄の無い文で、奄美の色々な分野のことをあれこれを教えてくれる、奄美初心者の私にはありがたい本のひとつ。

かんつめからたどる奄美の旅とは渋い。暗い物語であるけれど、美しい宇検村の風景とともに奄美の歴史・文化をたどれて通な旅となること請け合いかも...。

この記事を読んで真っ先に思い出したのは、以前このブログにいただいたコメント。
いつもコメントを下さる義志直さんが、このかんつめの物語の詳細とそれをテーマにした旅を提案して下さっている。

昨年4月に書いた奄美三味線の記事の中のコメントだ。でも記事そのものはかんつめとは全く関係ない下らないものだし、コメント欄も長いので、義志直さんのコメントについては→こちらのリンクからどうぞ。かんつめの物語についても、大変詳しく書かれている。ぜひ、ご覧下さい。

義志直さんが勧めて下さった「かんつめコース」は、
 ○名瀬⇒古仁屋⇒久慈⇒碑(峠)⇒名柄⇒名瀬(もちろん逆もOK)

まさに、今回の朝日新聞のコースのよう。

私はまだこのドライブに行っていない。もうすぐ教えていただいてから一年経ってしまうのに...。

朝日新聞のbe一面を飾っているのは、義志直さんもお薦めのティダヌウティマグレ(=日没)。さすが、やっぱりこの記事には、夕景ですよね!
今年はぜひこのドライブを実現させたいなぁ...。



(※話はずれるが、以前各新聞のHPは大抵トップページのみリンクが許されている状態だったと記憶しているが、少し前に南日本新聞が各記事へのリンクを許してくれているのを発見したし、今回朝日も色々条件はついているものの、OKになっていた。やっぱりネットで配信している以上こうでなくちゃ!...でも、メール連絡は面倒だわぁ、朝日さん。)




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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 宇検のかんつめ伝説,龍郷のじょうご伝説,瀬戸... (てふてふ)
2007-01-16 11:42:50
 宇検のかんつめ伝説,龍郷のじょうご伝説,瀬戸内の今女伝説,子どもの頃聞いた昔話の中でも強烈に残っている話です。子どもの頃は,交通手段もなく,近寄ることはできませんでしたし,怖ろしくて近寄ろうとも思っていませんでした。
 島唄を習い始めて,初めて坪山さんの「かんつめ節」を聴き,感動したのでその跡地を訪ねてみました。瀬戸内を回ると時間がかかるのと,西古見からの夕陽を眺めたかったので,義志直さんのルートとはすこし違いますが,
宇検→名柄→かんつめの碑→久慈→西古見→屋鈍と回ってみました。西古見の砲台跡,屋鈍の美しい海を眺めるにはこのルートもお勧めです。
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★てふてふさん★ (FORTUNE)
2007-01-16 14:15:26
★てふてふさん★

早速地図を見てみました。
西古見→屋鈍はやはり海沿いですよね?地図では道が狭そうですが...いずれにせよ、龍郷から日帰りでこのルートに行かれたとはさすがてふてふさん!

奄美の伝説は怖いのが多いですね。子供にも伝えたのは、ケンムンの話も加えて「夜遊びするな」という戒めでしょうか。
じょうごは以前義志直さんとvagabond67さんが話されていたのを拝見しましたが、今女伝説とともに、詳細を知りません。一度絶版になった「奄美の伝説」を探して読んでみたいです。
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>「奄美の伝説」 (義志直)
2007-01-16 21:52:06
>「奄美の伝説」
ほんのこの前、私の親の世代までは、他人事ではないまさにわが身に迫るものだったようです。
父は、じょうごで何度か物の怪に襲われそのつど『マエシマユワンじゃ~!!』と叫んで助かったと話していました。(じょうごを通る時のおまじない『マエシマユワン』は昔の北大島人の常識だったはず)
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この記事,興味深いものでしたね。 (vagabond67)
2007-01-16 23:43:24
この記事,興味深いものでしたね。
特に,大正末期から昭和初期にかけて「かんつめ伝説」が当時の世情を背景に変容を遂げたとのくだりには,口伝芸能のダイナミズムと一抹の空恐ろしさも感じました(一つの推論ではあるのでしょうが...)。

昨年4月のエントリーとコメント読み返しましたよ。
1年が経とうとするのに,私も,まだ義志直さんお薦めのコース未訪です(-_-;)
しかも,島唄もぜんぜん上達していません(>_<)
いつか「かんつめ節」を唄いながら夕陽を追いかけて行きたいものですが...

ところで,昨日,テレビで,坪山豊さんのドキュメンタリー番組やってましたね(新曲「ストゴレ節」のできるまで等を追いかけたもの)。
「ストゴレ節」,是非,生で聴いてみたいものです。

ところでところで,てふてふさん推薦コースの西古見から屋鈍って,未舗装の林道でしたよね?
てふてふさん,日没後にダートを行くって流石ですね!

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>西古見から屋鈍って,未舗装の林道でしたよね? (義志直)
2007-01-17 00:26:20
>西古見から屋鈍って,未舗装の林道でしたよね?
私も普通乗用車で踏破しましたよ!てふてふさんのような四駆ならまだしも腹を擦り擦り引き返すには迷い込み過ぎたといった感じで屋鈍の村にたどり着いた時は心底ホッとしました。
>「かんつめ節」を唄いながら夕陽を追いかけて行きたいものですが
いいですねえ!かんつめ節にはいくつかの詞がありますがvagabond67さんはどれを唄いますか?きっとかんつめ姉さんも車の後ろをついて来ることでしょう。♪名柄ぬ佐念山なん 提灯明くゎぬ みとぅどぅり しょうたんち♪(♪名柄の佐念山で ひとだまが提灯の明かりがひゅーひゅーと跳ねるように踊って見えたそうだよ♪)
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★義志直さん★ (FORTUNE)
2007-01-17 16:35:00
★義志直さん★

こういう伝説が伝えられなくなったのは、やはり方言禁止の時期に重なるのでしょうか?
一度途切れてしまうと、口承だっただけにはっきりとした話が(もともと少しずつ集落で違ったのでしょうけれど)残らず惜しいなぁと思います。こうして島唄として残っているものは貴重ですが、他にももっともっとあったのでしょうね。

それから西古見→屋鈍!やっぱり未舗装なのですね。うちの車では無理...そこを普通車で行かれた義志直さんはやはりスゴイ!



★vagabond67さん★

奄美に限らず、日本の昔話も政治的背景に曲げられたものとかありそう...昔話って、それに色々なものが隠されていたりして面白くて大好きです。
奄美の物語は家人とか本土とはまた違う歴史背景があるので、興味深いです。

それはさておき、「かんつめ節」を唄うのって怖くないですか? 義志直さんのコメントではありませんが、かんつめ姉さんがついてきそうで...(^^;;

坪山さんの番組、もちろん見ました!この頃の坪山さん、ますますのご活躍ですよね!!vagabond67さんの島唄もファイト♪
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 てふてふです。 (てふてふ)
2007-01-17 17:48:17
 てふてふです。
 皆様の答えていらっしゃる通り,未舗装です。普通車でもこすりながらなんとか踏破できます。(去年は大丈夫でしたが・・)西古見の砲台跡から夕陽を眺め,宵闇の中を走るのはけっこう楽しいものです。途中放置された重機が,ラピュタの城の機械たちを思い起こさせてくれます。そして屋鈍から夕闇の焼け内湾もいい雰囲気ですので,ぜひ堪能されてください。
 坪山さんとは,縁があり,うちの家族は,いっしょに鹿児島に出向き,舞台で歌ったこともあるのです。生で聴いた「綾はぶら」に感動したので,三味線も一生懸命やっているのです。もちろん歌いたいのは「かんつめ節」もです。以前は宇検村では唄われなかったそうですが,坪山さんが供養するということで唄われるようになっているそうです。ただし,正月等のめでたいときは控えたほうがいいそうですが。3月には生で聴く機会を持つことができたので,楽しみにしています。来られませんか?
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★てふてふさん★ (FORTUNE)
2007-01-17 23:06:14
★てふてふさん★

坪山さんが!
ぜひ我が家も聴かせていただきたいです。お願いします。
それにしても、ご家族で坪山さんと一緒に唄われたとはこれまたすごい~

屋鈍への道は...無鉄砲者の私なら皆さんのコメントを拝見してすぐにでも行ってみたいものですが、私一人の車ではないのでどうしましょう。この一年で舗装して下さらないかしら...(^^;
(風情がなくなってしまうでしょうか。)
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てふてふさん,坪山さんと舞台で唄うとは素晴らしい! (vagabond67)
2007-01-17 23:25:54
てふてふさん,坪山さんと舞台で唄うとは素晴らしい!
坪山さんの唄は,大和田葉子さんのフルートの夕べで一度聴きましたが,胸に滲みました。
是非とももう一度生でお聴きしたいものです。

FORTUNEさん かんつめ節,確かに,何かゾワゾワッとした雰囲気がありますよね。
でも,その緊張感が溜まらなかったりして!?

義志直さん かんつめ節の歌詞,それほど知らないのですが,「あかす夜や暮れて 汝きゃ夜や明けろ...」という哀歌も好きですし,「死じゃる人や 仕方やありょんな...」(死んだ人は悔やんでいても仕方ないから せめて線香を手向け 墓石を頑張って立ててあげなさい)という歌詞も,妙にドライで,却って,当時はそういった悲恋が日常茶飯事だったのかと思わせて,深い諦観のようなものすら感じて,味わい深く思います。
書いているうちに「かんつめ節」も練習しなきゃ!ってますます思いました(^^ゞ
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★vagabond67さん★ (FORTUNE)
2007-01-18 07:53:23
★vagabond67さん★

確かに島唄は哀し気な唄、噂話的唄で本領発揮するのかもしれないですね~ かんつめとか坪山さんがTVでも歌っていた嘉徳なべ加那節みたいに。
でもそういう昔からの島唄は私には言葉も節回しも難しくて、なかなか身につきません(^^;)
坪山さんの作る曲は「新しい島唄」だけあって、とっても歌いやすいですがー。ストゴレもすぐ覚えられそう?
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