注目の9月の小売売上高は前月比マイナス0.1%となった。市場予想は「変わらず」だったので、下回ったことになる。下回ることになった。しかし、落ち込みの背景が自動車とその部品であり、主要13項目中9項目が増加していたことから、全体の数字ほど弱くはないというのが市場の反応だった。実際に、NY株式は上昇し、NYダウは1ヵ月半ぶりに最高値を更新した。新車販売台数は月初に発表されるが、確かに9月の新車販売台数は前月比でマイナスになっていた。約2年ぶりの前月比マイナスだったが、来週の同じデータが類推の手掛かりになるそうだ。
類推の手掛かりというと、11月8日に延期された10月の雇用統計だが、民間が手掛けるデータは、予定通り本日発表された。給与計算など民間雇用サービスのADPが発表した10月の全米雇用報告では、民間部門の雇用者数は13万人の増加となった。市場予想は15万人の増加だった。合わせて9月の増加数は16万6000人から14万5000人に、8月は15万9000人から15万1000人に下方修正された。懸念された16日間に渡る政府機関の一部閉鎖の
影響がそのまま出たということだろう。となると、労働省発表の雇用統計の予想もそれに沿ったものとなるが、非農業部門の雇用者の増加数はネガティブ・サプライズとなった前月同様あるはそれ以上に低迷することになるのか。
金価格はNYの早朝に発表されたこのデータに鋭く反応し、NYコメックスの通常取引は先週来の戻り高値の更新になりそうな展開となっている。このままFOMC声明文待ちということだが、資産買い取り縮小については見送りと見られるものの、どのように触れるかが市場関係者の最大関心事となっている。いわゆるフォワード・ガイダンス。景況の判断なども、FOMCメンバーの意思を推測する手掛かりとされそうだ。