亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

これぞコクエキ!中国国営ファンド旗揚げ、そして個人の金取引も拡大

2007年06月28日 21時44分50秒 | 金市場
金市場の話から。3月上旬以来の安値圏突入(・・・・といっても640ドル近辺)に関心が集まっていた一昨日、上海黄金取引所(金取引所)が7月に個人を対象に全国規模での金の取引を拡大するというニュースがあった。中国では中堅行となる興業銀行(上海証取上場)と組んで同行の支店を通じて取り扱うというもので、100グラムが最低ロットとなる。中国では国有商銀の中国工商銀行上海支店が2005年7月から1キロの地金を試験的に扱っていたが、さすがに手軽にという規模ではなかった。それで昨年12月から単位を100グラムに引き下げている。100グラムの取引ということでは同じ国有商銀の中国銀行と中国建設銀行が取り扱いをしているものの、こちらは銀行に開いた口座を通した証書取引で現物を手にできないのがネックとなっていた。今回、興業銀行が始めるのは地金現物を引き取れると伝えられている。使う価格は上海金取引所の前日の終値と伝えられている。じつは現時点で当方は興業銀行の支店網は把握していないが、各店舗で地金を用意するとなると、そのデリバリなどインフラが必要となるため相応の準備をしてきたと思われる。・・・ないしは、なお準備中ということか。開始日は7月とあるだけで、7月のいつからかは不明。

中国では、昨年から「プーアール茶」への投資も過熱しているとされ、すでに高級プーアール茶の価格はバブル化し、崩壊が伝えられている。この辺りは、昔読んだオランダのチューリップ・バブルを思い起こさせるのだが、金余りの矛先を金市場に向けたほうが健全であろうし、また金に資金を向けることで余剰資金に対するある種の「不胎化」政策となることから、金融当局も賛成に回っているのだろう。ちなみに興業銀行につづき中国工商銀行なども追随の予定という。なぜ、最初に興業銀行なのかワカラン?

そういえば同じ中国関連で今朝の日経も報じていた外貨準備運用機関だが、ここで以前、上海の大手証券系列の投信会社幹部から聞いた運用規模は2500億ドルと書いたことがあったが、報道では2000億ドルになっていた。当時聞いた時は驚いたが、あの情報はおおむね正しかった。State Fund いわば国営ファンドが立ち上がるわけだが、こうしたニュースも金市場のセンチメントにはプラスであるのは、いうまでもないでしょう。

それにしても外貨準備の運用益は、これぞ正真正銘の“国益”といえる。笑ってしまうね。すごい世の中になってきた。金市場は小さいね。

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2 コメント

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金が原点 (小さな愛犬家)
2007-06-28 23:51:10
 お疲れ様です。
 「金市場は小さい」けれども、経済の「老舗」であるわけです。金(きん)は金(かね)です。いくら経済が複雑になっても、金の世界を勉強していると何か見えてくる。
 そう「金が分かれば世界が見える」のデス。
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転換点・・・ (ぱろ)
2007-06-29 09:57:20
中国の現物解禁ですか・・新たなる歴史の始まりと言ってしまうにはオーバーでしょうか?私の資産も相応に金現物を組入れていますがある意味ヘッジなので不胎化と同じです。資本主義が猛威を振るいすでに裏付け無き紙幣と資源が組み合わさり実態が不明な世界ですが先生がおっしゃるように、確かにその受け皿としての金市場は小さすぎますね?10年後とか20年後とかはいったどうなっているんでしょうね?息苦しい世界でないことを望むのですが・・・・
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