亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

視界開ける・・・はずの1835ドル超え

2021年08月31日 19時53分35秒 | 金市場
週明けのNY金は時間外のアジア時間の早い段階では前週終盤の勢いを保った形で、前週末の取引時間中の高値を上回る1826.50ドルまで買われるなど、買いが先行した。ただ勢いは続かず、さすがに利益確定の売りが優勢になるとマイナス圏に沈んだ。それでもNY午前の中頃まで下値は1815ドルまで。その後、前週末にパウエル講演を受けて売られていた
ドルインデックス(DXY)が戻るにつれて、アルゴリズムのファンドとみられる売りが先行したが、下値は1810.00ドルまで。結果論ではあるけれど、昨日書いたように移動平均線で止まったということか。。。今は日本時間の19時だが、今日もアジア時間からここまで下値は1812.10ドルとなっている。

しかし、ドルインデックスは売られても戻ってくるが、10年債の方は買い優勢で、利回りは前週末比でさらに低下し、1.280%と1.3%割れで終了となった。本日もここまでこの1.3割れで推移している。やはり7-9月期を含め下半期の減速を債券市場は表しているということか。この長期金利の低下が効いて株式市場では高PER成長株に買いが入り、30日のアップルは3%高となり上場来高値を更新。S&Pは過去5営業日中4営業日、ナスダックは6営業日中5営業日、終値での最高値を更新している。運用者は下げない株価に苦労しているらしい。古典的表現だが、まさに「赤信号みんなで渡れば怖くない」状態で、蛮勇ふるうが勝ちの展開が続いている。

市場の関心は6日発表の米8月の雇用統計に移っている。非農業部門の雇用者(NFP、Non Farm Payroll)の前月比増加予想値は、やや幅があるが70万人前後となっている。7月の94万3000人からは20万人以上下回る予想となっている。新型コロナ変異株「デルタ株」の感染拡大の影響を読んでのもの。確かに新規失業保険申請件数も減少が止まっていることもある。一方で、失業率は前月の5.4%から5.2%への改善が予想されている。経済見通しに新たな不確実性が生まれた8月の雇用統計は、FRB関係者も車のダッシュボードにたとえられるが、いろんな計器をにらむことになるのだろう。市場関係者も、テーパリング(量的緩和の縮小)着手時期に関する手掛かりを得ようと注目という状況。

今夜のNYは主要指標の発表はないが、シカゴPMIにコンファレンスボードの消費者信頼感指数がある。8月13日発表のミシガン大学の消費者信頼感指数は大きく落ちて、金の押し上げ材料になったが、コンファレンスボードはどうなるか注目。日本時間の23時発表。

NY金はここからの十数ドルが重そうだが、新規買いが入っているとみられ1835超えられるかどうか。8月も終了。気が付けば日没が早くなっている。。。

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