亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

元をただせば自ら撒いた種

2015年09月14日 22時19分32秒 | 金融市場の話題
本日の上海株(上海総合株指数)は前週末比で高寄り(+0.7%)した後に、ジリジリと値を下げ結局前場は3.2%安となった。先週末発表の中国の8月の鉱工業生産指数と固定資産投資が冴えなかったのを嫌気した形。午後になって取引再開後も軟調展開が続いた。これを見て日本株も日経平均は298円ほど安く終了。上海は終盤でやや戻したものの2.67%安で終了。

今週は言うまでもなくイベント週。ロイターは、「株式市場は既に調整局面にあり」、「利上げ開始を決定したとしてもそれほど大きな反応はないとみられる」と報じていた。一方で、仮に今回利上げすると株式市場はさらなる波乱相場に入る、すなわち織り込んでいないという論調も多い。サマーズ元財務長官やIMFなども足元の環境の下では利上げは見来るべしとの論調を以前から張っている。
先月の28日に中国南京を訪れ、現地の経済誌の取材に答えたジム・ロジャーズに至っては、世界の金融危機がそろそろ爆発するとして「私は日本株も投げ打った」としていると伝える記事も。こちらは今回の利上げとは直接関係のない話で、ここまでの超緩和策の結末の話。

しかし、そもそもこうした市場センチメントを気にしなければならなくなったのは、FRBの金融政策自体がセンチメントに働きかける手法を(とりわけバーナンキ時代に)多用した結果ではないかと思っている。当初はコントロール(誘導)していたセンチメントに、今は政策自体が縛られているという印象が強い。以前もここや書籍で取り上げた「FRB議長のアノマリー」に従えばイエレン議長は苦難の議長となる。そして、すでにここまでの経過がそれを示している。

「FRBが利上げを見送る確率は51%」(前PIMCOでドイツの保険大手アリアンツの首席経済顧問モハメド・エラリアン)。FOMCも割れそうだ。イエレン-ダドリー(NY連銀総裁)コンビが、その分裂した意見を、どうまとめるか。

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