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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

(予定では)年内最後のFOMC

2008年12月16日 19時25分20秒 | 金市場
本日の焦点はFOMC(連邦公開市場委員会)。現在1%となっている政策金利の引き下げが予定されている。昨夜発表された11月の米鉱工業生産が前月比で0.6%低下。前年比ではマイナス5.5%と製造業を中心に落ち込みが大きくなっていた。といって最近の経済(マクロ)データとしては珍しいものではない。それでもFOMCでの利下げ幅が0.75%に拡大するとの見方も出てドルが売り込まれた。ドルは対ユーロで1.33ドル台から一時は1.37ドル台へと急落。主要6通貨に対するドル指数も83ポイント後半から一時81ポイント台へと急落状態となったことから、セオリーどおり金が買われた形。商い薄く盛り上がりはイマイチなれどNYコメックスの取り組み減少が止まり、同時にNYアーカ上場のSPDR・ETFが漸増傾向にある点に注目か。

今夜のFOMC後の声明文がどのようになるのか、量的緩和を示す内容か否かにも関心が集まっているが、すでにバーナンキ議長が議会証言やその他講演で言及しており追認ということか。むしろFRB始まって以来の低金利状態を作ったうえで、今後(オバマ新政権チームを含め)政府サイドの連携プレーがどのように見られるのかが当方の関心事。これはビッグスリー救済問題も含むもの。そういえば声明文では、この間の各種ローンの買い取りにまでに踏み込んだ状況を示すのだろうが、やはり「異例の事態の異例の対応」を強調するのだろうか。ここまで踏み込んだ上は、いずれ「出口戦略」の提示も必要になろうが、いまはそのタイミングにあらず。

ドル円相場は、日本国財務省による介入警戒もあり90円台半ばで止まっている。しかし、これだけのマネーの洪水のなかで介入して如何ばかりの効果があるのか。それでも介入せざるを得ないのは(円高を黙って見ているわけではアリマセン!という)国内向け政治的スタンスのゼスチャーの必要性。また一方で新年度(2009会計年度)入りわずか2ヵ月で4015億ドルと単年度のこれまでの記録4547億ドル(2008会計年度)に迫った米国財政赤字と背後にある増発米国債引き受けの問題がある。

今夜はゴールドマン・サックス、明日17日はモルガンスタンレーと決算発表が予定されており、前期との比較から政府資金注入後の不良資産処理の進展度合いや業況など今後の見通しを推し量る手掛かりとして注目されている。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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楽観主義 (fairlane)
2008-12-17 01:12:26
今英文記事を読んでいましたら、このような文章が・・

U.S. Will Be 'First in, First out' of Recession

つまりアメリカは一番最初に不況に突入したのだから、他の国に先駆けて不況から脱出する、ということですね。しかもこの説、かなりのアナリストが支持しているそうで・・・

あきれてしまいました。

自分が一番最初に病院に入院したからと言っても、怪我の程度によっては後から入院した患者が先に退院することはざらにあるわけで。

私はアメリカより先に中国のほうが退院するように思いますが。

本当にアメリカ人は自国以外の国は雑魚だと思ってますな。
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米もいよいよデフレ (小さな愛犬家)
2008-12-17 15:10:28
お疲れ様です。

政策金利が米国が日本を下回る状況となって、一気に円高が進んでいます。米国の消費者物価も下がり始めました。円高は必ずしも日本経済にとって悪いことばかりでないが、変化が早すぎます。
日銀政策決定会合でゼロ金利復帰は当然として、舞台は金融から財政部門へと移ってきました。政治家・官僚の力量が改めて問われるところです。

オバマ次期大統領は「ヘリコプター・ベン」さんと協調して大規模な「新ニューディール政策」に着手するのは確実です。
日本ではまだ財政赤字が最大の問題視されていますが、あれだけデフレスパイラルに苦しんでもまだわかっていない。国家は家計・企業と違って貨幣を印刷できるのですよ。今こそ「地震対策のための全学校校舎建て替え」「非正社員の救済」「医療向上」などに、埋蔵金はもとより赤字国債でも何でも出して積極的に取り組むぺきです。
今回はアメリカ政府が「一か八かの大勝負」に出るわけで、日本が追随しない理由はないわけです。
「座して死を待つ」より、「知恵を絞ってやるだけやって」なら、最悪のハイパーインフレになっても国民は納得するでしょう。そうなるはずはありませんがね。
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