亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米ねじれ議会はゴールドの買い材料

2022年11月18日 21時48分29秒 | トピック

報じられたように、米中間選挙は事前予想の共和党圧勝とはならず、民主党が予想外の善戦ということになった。

本日18日、日本時間20時時点で下院は民主党212議席、共和党218議席で残り5議席がまだ決まっていない。いずれにしても僅差ということになる。それでも共和党が過半数を取ったことで、予算関連の財政運営は格段に難しくなる。 もともと党議拘束がかからない米国ゆえに、法案によっては個人的判断で相互に賛成票を投じる議員が出るが、この6年で分断は深まっており、そうした機会も減るのだろう。

いずれにしても、今後、共和党の協力なくしては予算案をはじめ法案の成立が進まないことになる。

まず懸念される最大のものが、連邦債務上限引き上げ問題だ。 

米国は連邦政府の公的債務の上限を法律で決めており、それを超える借金はできない仕組みになっている。

現在の上限は2021年12月に2兆5000ドル上積みして31兆4000億ドルとなっている。民主党が上下両院で多数を占めていた状況下でも審議は紛糾し、財務省の金庫が空になるぎりぎりで増額した経緯がある。 しかし、この借金の許容枠だが、先月10月3日に財務省が公表したデータでは、公的債務は31兆ドルを超えていることが明らかになっている。ドル円を140円として換算すると、4340兆円もの金額になる。日本国の1100兆円など、軽く思えてしまう金額なのだ。GDPで表すならば、中国と日本、ドイツ、英国を足した総額に匹敵する。

これほどの借金となると、利払いも半端ではない。ダウ・ジョーンズの関連媒体によると年間7365億ドル。日本円にして約103兆円にもなる。 30兆ドルに達したには今年の2月だった。わずか8カ月で1兆ドル増えたことになる。もっとも、 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着くにつれて、増加ペースは徐々に緩やかになっていると思われるので、これほどのペースで足元で増えているとは思えない。

それでも、おそらく2023年に入り早い段階で、あるいは長引いても年央までには、再び限度枠に接近し、デフォルト危機が叫ばれるとみられる。その危機への対応に関する審議を行うのが、ねじれ状態となった新議会となる。

そしてねじれ議会は、金市場の関心事でもある。

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2 コメント

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Unknown (fairlane)
2022-11-19 00:08:51
オンラインセミナー 見逃し配信にて拝見しました。 ちょっと話し方が変わりましたね。 前は大学の授業のように、講師の話したい様に話されていて、途中の脱線が面白かったのですが、今回のは予備校の講師のように生徒にわかりやすく、細かく説明を入れて、理解してもらえるように話している様に感じました。ゴールドの世界に長くいれば当然理解している用語でも、そのたびに説明が入ると、あーそうだよね、と新たに気付かされることがあります ドルインデックスについての説明で特に感じました
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ご無沙汰です (KAMEI)
2022-11-30 20:47:02
fairlaneさん、確認遅れ失礼しました。オンラインセミナー、参加いただいておりましたか。ありがとうございます。
なるほど話し方に変化ですか。時間が70分ということもあり、その割には内容を盛り込んだことで、枝葉の話までする時間がなかったのが実情です。少なくとも90分、欲を言えば120分欲しいくらいです。ネタは豊富です。

それと最近は基礎的なことを確認する手順を意図的にやっています。以前と違い、このブログ自体が難しいとの声もありますので。そのうちフリートーク的な内容をやりたいものです。
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