亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

遠い出口

2009年09月29日 00時21分40秒 | 金市場
事後報告ですが、本日日経CNBCの5時からの生番組「デリバティブ・ワールド」に登場しました。足元の金市場の注目材料について当方なりに思うことを述べさせてもらった。ポイントは、米国の金融政策に大きな変更は当面ないだろうということ。約1カ月ほど前にロイターのInsightに書かせてもらったが、出口戦略たるものは唱えるだけで実行は当面難しく当座は空手形に終わるということ。結局、あそこで書いたことは図らずも先週のFOMCの決定結果でもあった。やはり出口は遠い。それだけ金市場は底堅い。

バーナンキ議長が「量的緩和」を「信用緩和」と呼ぶことでわかるが、いまだに銀行は連銀(FRB)からの借り入れに頼っている。ディスカウント・ウィンドウと呼ばれる貸出は
足元でも変わらず利用され、9月の1週目でも3200億ドルとされる。通常が月平均で1億5000から3億ドルと聞けば、その異常事態がわかろう。このFRBによる資金供給によって金融は平静を保っているわけだ。この意味するところは、銀行は“非常に稼ぎやすい環境”に居るということだろう。ゼロ金利の調達を行い、それを運用に回しているのだから。余った金が、9月に金市場にも回ったということである。むかし「遠い夜明け」という南アを描いた映画があったが、やはり「遠い出口」。この映画ができた後、南アの夜明けは意外と早くやってきたのだけれど。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 散見される金関連記述での誤り | トップ | ドル円相場 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TV拝見しました (ささやか)
2009-09-30 15:09:26
「金ETF残高が多いがこれはむしろ投資家層の拡がりと」言われていたので、「私の事?」と思って聞きました。
新し好きなので、最近はネット証券でETFを買ってます。安い時だけ毎日積立みたいにボチボチと…。
でもETFの難点は「金庫が遠い事」。金の保有を楽しむ事ができない、株と一緒でバーチャルな世界、少し味気ないです。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事