昨日は、「一般的にFRBの利下げが先送りされたからと言って、金融マクロ環境からの買い要因が消えるわけではない。金融の先行き不安定さに変化はない。結局、上昇一服となってもそれが上昇トレンドの終了ということにはならないと思う」と書いた。
11日に発表された3月の米生産者物価指数(PPI)は、伸び率が予想を下回り市場を一定落ち着かせた。
毎度のことだが寄せては引く波のように市場の利下げ観測はやや復活し、金市場では新規買いが復活した。
3月のPPIは前月比0.2%上昇と2月の0.6%上昇から鈍化し、市場予想(0.3%上昇)も下回った。前年同月比では2.1%上昇し、11カ月ぶりの大きさとなったものの、市場予想の2.2%には届かなかった。
PPIが落ち着きをみせたものの市場の評価は分かれ、前日のCPIを重視する見方の方が上回っている。
ただし、PPIの項目の中で連邦準備理事会(FRB)が物価指標として重視しているコアPCEデフレーター(コアの個人消費支出価格指数)と重なる項目があり、それらの中に弱いものがあったことから、29日発表のコアPCEデフレーターは鈍化するとの見方が出ている。
11日の値動きで再び現れたのは、通常取引後の時間外での上値追いの買い。
通常取引は 前日比23.40ドル高の2372.70ドルで終了し、地味だが終値ベースでの史上最高値をあっさりと更新ということに。で、それでは収まらず、その後の時間外取引はさらに騰勢を強め終盤に向けて水準を切り上げた9日に付けていたザラ場の最高値2384.50ドルを突破、終了間際に一時2395.60ドルまで付け2390.60ドルで時間外取引は終了。
今回で何度目だろうか高値引けの様相で、12日のアジア時間での2400ドルトライを思わせた。
で本日アジア午前にすんなりと2400ドルを突破。
急伸して突破でなく、売りをこなしながらの展開でジワジワと水準を切り上げる展開は、逆の意味でこの買い方はなんだ!と思わせる展開。それが執筆中の日本時間20時時点でも続いている。
何度も書くように、イベント型でない息の長い上昇が続いている。まさにしこりがないだけに青天井。 昨日取り上げた、「恐らく高精度ミサイルを活用した攻撃が向こう数日以内にもあり得る。攻撃はあるかどうかというより、いつあるかの問題だ」という、イランによる対イスラエル報復攻撃に対する欧米勢の警戒は、(我々日本人にはピンとこないが)強い。
地政学リスクは、数値化できないゆえに、ファンドも対応に苦心し、ゴールドをロング。