亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ゴールドETFとビットコインETF

2024年02月29日 20時39分53秒 | 金市場

28日の市場は、基本的には、注目度の高い1月の米個人消費支出(PCE)価格指数(PCEデフレーター)の発表を翌29日に控えて市場横断的に模様眺めという展開に。

NY金も前日同様に2040ドルを挟んだ狭いレンジ取引で前日比1.40ドル安の2042.70ドルで終了。

例外は、1月に現物投資型ETF(上場投信)の取引がスタートしたことで注目を集める暗号資産ビットコイン。28日は2021年11月以来となる6万ドルを超えに上昇した。

ビットコインETFの総残高(時価総額)は急拡大し、28日時点で500億ドルに迫っている。ゴールドETF全体の資産規模は2100億ドル(WGC調べ、24年1月末)なので、4分の1の規模まで拡大している。

ゴールドETFの最大銘柄「SPDRゴールドシェア」の規模が540億ドルなので、ビットコインETF全体でスタートから6週間で、この銘柄の規模に接近していることになる。

 

この日注目された経済指標は、23年10~12月期実質GDP改定値だった。年率換算で前期比3.2%増と、速報値の3.3%増からやや下方改定された。しかし、手掛かり材料にならなかった。というのも個人消費の強さが目立ったことによる。個人消費は3%増と、速報値の2.8%増から上方修正され、市場予想(2.7%増)も上回った。GDPベースの四半期PCEデフレーターは前期比年率1.8%上昇。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは同2.1%上昇した。両方とも速報値からは若干上方修正された。

本日発表の米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているコアPCEデフレーターの24年1月分については、前月比0.4%上昇、前年同月比2.8%上昇と予想されている。前月比で12月の0.2%から0.4%と加速が予想されている。

 

季節要因や1月消費者物価指数(CPI)を受けてやや強めの内容が想定されており、上振れとなると、FRBの利下げ転換時期が一段と遅くなるとの見方が広がりそうだ。ただ、利下げ時期の後ずれは、かなり織り込まれているのが現状なので、それほど影響はないと思われるがどうか。

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