28日の市場は、基本的には、注目度の高い1月の米個人消費支出(PCE)価格指数(PCEデフレーター)の発表を翌29日に控えて市場横断的に模様眺めという展開に。
NY金も前日同様に2040ドルを挟んだ狭いレンジ取引で前日比1.40ドル安の2042.70ドルで終了。
例外は、1月に現物投資型ETF(上場投信)の取引がスタートしたことで注目を集める暗号資産ビットコイン。28日は2021年11月以来となる6万ドルを超えに上昇した。
ビットコインETFの総残高(時価総額)は急拡大し、28日時点で500億ドルに迫っている。ゴールドETF全体の資産規模は2100億ドル(WGC調べ、24年1月末)なので、4分の1の規模まで拡大している。
ゴールドETFの最大銘柄「SPDRゴールドシェア」の規模が540億ドルなので、ビットコインETF全体でスタートから6週間で、この銘柄の規模に接近していることになる。
この日注目された経済指標は、23年10~12月期実質GDP改定値だった。年率換算で前期比3.2%増と、速報値の3.3%増からやや下方改定された。しかし、手掛かり材料にならなかった。というのも個人消費の強さが目立ったことによる。個人消費は3%増と、速報値の2.8%増から上方修正され、市場予想(2.7%増)も上回った。GDPベースの四半期PCEデフレーターは前期比年率1.8%上昇。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは同2.1%上昇した。両方とも速報値からは若干上方修正された。
本日発表の米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているコアPCEデフレーターの24年1月分については、前月比0.4%上昇、前年同月比2.8%上昇と予想されている。前月比で12月の0.2%から0.4%と加速が予想されている。
季節要因や1月消費者物価指数(CPI)を受けてやや強めの内容が想定されており、上振れとなると、FRBの利下げ転換時期が一段と遅くなるとの見方が広がりそうだ。ただ、利下げ時期の後ずれは、かなり織り込まれているのが現状なので、それほど影響はないと思われるがどうか。