桜は満開とのことだが、東京は真冬の気候で冷たい雨が朝から降っている。山間部や北部では雪らしい。早くも4月。今週はイベント満載の週と昨日書いたが、NY金の上昇が止まらない。
月末と四半期末が重なった週明け3月31日のNY金は続伸した。米国の関税政策が貿易戦争や世界経済の悪化につながるとの見方から、NY時間外のアジア各国の株式市場が大きく下げるリスクオフ・センチメントの高まりの中で、安全資産とされる米国債に買いが入り、10年債利回り(長期金利)は一時4.2%割れに急低下した。
一方、NY金は前週末から続く逃避資金の流入で値動きは加速し、アジア時間に早くも前週末につけた最高値を更新しアジア午後、ロンドン早朝には3150ドルを突破した。ロンドン午前に一時3162.00ドルまで買われこれが高値に。通常取引は前週末比36.00ドル高の3150.30ドルで終了した。3営業日連続で取引時間中および終値ベースでの史上最高値を更新した。
これで1~3月期のNY金は前期末比509.30ドル19.3%の上昇(=年初来の上昇率)となった。四半期ベースの上昇率としては1986年7~9月期(約22%上昇)以来の大幅なものとなった。当時は価格水準が300ドル台につき、数十ドル上昇すると結構な上昇相場だった。
例のプラザ合意から1年後のこと。ドルは安かった。
トランプ政権が4月2日の米国「解放の日」に発表する相互関税は全世界の国・地域が対象になるとされ、31日ホワイトハウスのレビット報道官は、発表はまずは「国ベースの」の関税に関するとした。さらに別の機会にセクター別の関税を導入することにも注力しているとした。
金市場では関税政策への警戒に加え、ロシアや中東情勢を巡る不透明感も買い手掛かりとされた。ロシアとウクライナの停戦交渉が進まないことに、いら立ちを強めたトランプ大統領は1カ月以内にロシアに制裁関税をかけると警告した。同様に30日にはイランに対し、核開発を巡る取引に応じない場合には「爆撃があるだろう」などと述べたと伝わった。いずれもNBCのインタビューに応えたもの。イランは反発し最高指導者ハメネイ師は、米国がイランを攻撃すれば「報復を受ける」と語っている。
中東ではベイルート空爆やガザでの地上戦などイスラエルが活発に動いており、そこに米国の動き。関税騒動だけではない環境の中で複合要因によるマクロ型上昇が続いている。
本日もアジア時間から買い先行の流れが続き、NY時間外のアジアの午後早い時間帯に一時3177.00ドルまで付け連日の最高値更新に。前日は3160ドル台に売り物多く上値を抑えられていた。それを消化したとはいえ、さすがに過熱気味であるのは否めない。
2日の「解放の日」を前に市場は厳しい発表を前提に走っている。仮に想定よりも税率が低かったり例外措置があったりした場合、最高値圏だけに利益確定売りが膨らみそうだが、どうなるか。それすら跳ね返す相場になるのか。